味噌汁や酢の物など和食に欠かせないわかめにはカリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。さらに低カロリーで食物繊維が豊富に含まれているので生活習慣病予防にも効果が期待できます。わかめの栄養と栄養を上手にとるコツについてご紹介します。
目次
◆わかめとはどんな食材?
わかめは昆布と同じコンブ目の海藻です。日本沿岸に広く分布しており、古くから食用とされてきました。現在市場に出回っているものの多くは養殖栽培されたものです。
乾燥わかめや塩蔵わかめとして年中出回っていますが、旬の時期である3月〜5月ごろには生のわかめが出回ります。生わかめは磯の香りが強く歯応えがあることが特徴。
生わかめの風味を活かした酢の物やナムルなどシンプルな料理にするのもおすすめです。生わかめをだし汁でサッとゆでて食べるしゃぶしゃぶも生わかめの風味を楽しめる料理です。
乾燥わかめは、生わかめの保存性を高めるために乾燥させたものです。生わかめをそのまま乾燥させた素干しわかめや草木灰をまぶして乾燥させた灰干しわかめ、すのこやすだれを使い板状にして乾燥させた板わかめなどがあります。
家庭でよく使用されているカットわかめは、湯通しして塩漬けにしたわかめを食べやすい大きさにカットして乾燥させたものです。
塩蔵わかめは生わかめを湯通ししてから塩漬けにしたもので、生わかめに近い食感を味わうことができます。
茎の芯の部分は茎わかめとして炒め物や佃煮、サラダなどに活用されます。肉厚でコリコリとした食感が特徴です。
根元のひだひだの部分はめかぶで、ぬめりが強く食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。刻んで和え物や酢の物、味噌汁の具などに活用されます。
◆美味しいわかめの選び方と保存方法
生わかめ
・厚みと弾力があるもの
・ツヤがいいもの
乾燥わかめ
・厚みがあるもの
・黒褐色のもの
生わかめはあまり日持ちがしないので、購入後は早めに食べ切るようにしましょう。すぐに食べきれない場合は冷凍保存がおすすめです。さっと湯通ししてから冷水にとり、よく水気をきってからラップで包み保存袋に入れて冷凍します。使用する際は、ザルにのせて熱湯をかけて解凍します。汁物などに加える時は凍ったまま加えても問題ありません。
◆わかめに含まれる栄養
【カットわかめ 水煮(可食部100gあたり)】
エネルギー…17㎉
たんぱく質…1.3g
炭水化物…3.8g
ナトリウム…310㎎
カリウム…15㎎
カルシウム…76㎎
マグネシウム…37㎎
ヨウ素…720㎍
ビタミンA(β-カロテン当量)…180㎍
葉酸…1㎍
食物繊維総量…3.2g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・骨の健康に欠かせない!マグネシウム
マグネシウムはリンやカルシウムと共に働き、歯や骨を作るために必要なミネラルです。また、カルシウムと協力して筋肉の働きを調整する役割もあります。さらに、体内の酵素の働きを助けてエネルギー生産にも関わっています。
・むくみの解消に!カリウム
カリウムは体の水分バランスを保ち、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があり、高血圧予防に効果が期待できます。また、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消にも効果的です。
・美肌作りにも効果的!ヨウ素
ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分になるミネラルで、エネルギー代謝を促進する働きや体の成長を促進する効果があります。成長期の子どもにも欠かせない栄養素です。甲状腺ホルモンは肌や髪に潤いを与える働きがあるので、不足すると肌がカサつくなどの症状が出る原因にもなります。
・高血圧予防に!アルギン酸
海藻に含まれている食物繊維の一種です。水に溶ける水溶性の食物繊維で、通常はカリウムと結合していますが、体内ではカリウムから離れてナトリウムを吸着して排出されます。高血圧の原因となるナトリウムを排出する働きがあることから高血圧予防に効果が期待できます。また、余分なコレステロールを吸着して排出する働きもあります。
・生活習慣病予防に効果的!フコイダン
フコイダンはぬめりのもとになっている成分で、水溶性食物繊維の一種です。悪玉コレステロールの排出を促す働きや糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を抑える働きがあり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防に効果が期待できます。また、がん細胞を死滅させる働きがあることからがん予防にも効果が期待されています。食物繊維は噛み応えがあるので満腹感を感じやすく、しかも低カロリーなので肥満予防にも効果的です。
◆わかめの栄養を上手にとるコツ
・油と一緒に食べる
β-カロテンは油と一緒に食べることで体内への吸収率がアップします。炒め物にわかめを加えたり、和え物にごま油やオリーブ油を加える、海藻サラダに油を使ったドレッシングをかけるなどが効果的です。
・酢と一緒に食べる
お酢と一緒に食べることで食物繊維がやわらかくなり、フコイダンなどの栄養素が体内に吸収されやすくなります。
また、酢に含まれているクエン酸が体内に吸収されにくいカルシウムを体内に吸収されやすい形に変える働きがあり、吸収率を高める効果も期待できます。
・水戻しは短時間で
生わかめと乾燥わかめ、塩蔵わかめの栄養価はそれほど変わりませんが、乾燥と塩蔵は水で戻す際にアルギン酸などの水溶性の栄養素が流れ出てしまうので、長時間水にさらさないようにすることがポイントです。
◆わかめのおすすめレシピ
わかめと卵の炒め物
わかめの歯応えのある食感とふわふわの卵の組み合わせが美味しい炒め物です。簡単にできるスピードメニューなので、あと一品の副菜にもおつまみにもぴったりです。
【材料(2人分)】
生わかめ…100g
卵…2個
Aしょうゆ…小さじ2
Aみりん…小さじ1
A酒…小さじ1
塩…少々
ごま油…大さじ1
【作り方】
①生わかめは大きいものがあれば一口大に切る。卵を溶きほぐして塩少々を加えて混ぜる。【A】を混ぜ合わせておく。
②フライパンにごま油大さじ1/2を熱し、卵を流し入れる。大きくかき混ぜて半熟状になれば一度皿に取り出す。
③②のフライパンに残りのごま油を熱し、わかめをサッと炒める。【A】を加えて軽く炒め、卵を戻し入れて混ぜ合わせる。
【ポイント】
・卵はフライパンをよく熱してから流し入れるとふんわりと仕上がります。
・生わかめはゆでてあるものを使用しています。加熱が必要なものは緑色になるまでさっとゆでてからご使用ください。
・水戻しした乾燥わかめ100gでもお作りいただけます。
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◆わかめレシピのまとめ
わかめには日本人に不足しがちな食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。さらに低カロリーで、体型を気にされている方にもおすすめの食材です。スープや和えもの、炒め物など色々な料理にプラスしてみてはいかがでしょうか?
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