うま味たっぷりの味わいと、ぷりぷりの食感が人気のエビ。日本では古くから長寿などの象徴とされ、おせち料理にも使われてきました。最近では100gあたり約91カロリーというカロリーの低さ、そして高たんぱくであることから、ダイエットにも効果が期待されることで注目を集めています。今回は、エビの栄養価や殻までおいしく食べられるおすすめレシピをご紹介します。
目次
エビとはどんな食材?
エビは、エビ目に類される生き物のうち、ヤドカリ下目とカニ下目以外のものを表す言葉。実際にはこの分類に属さない生き物も「エビ」と呼ばれていることがありますが、生物学上のエビとは異なるものです。
エビの仲間は世界で3000種類ほど存在するとされ、日本ではそのうち20種類ほどが流通しています。多くはインドやベトナムからの輸入で、国産はサクラエビなどの小型のエビがほとんどです。天然ものは種類や場所によって旬が異なり、養殖も盛んに行われているため、通年入手することができます。
日本では、エビは古くから食べられており、わたしたちの文化や風習にも深く根付いています。例えばエビは目が飛び出た姿をしているから「おめでたい」、勢いよく飛び跳ねる様子から「運気の強さの象徴」など。「海老」という漢字も、腰が曲がり長いひげがある姿が老人を思わせることから、長寿を願って当てられたものです。この漢字は平安時代にはすでに使われており、今も昔も長寿を思う日本人のかたわらにはエビがいたことがわかりますね。
エビの選び方と保存方法
エビは色が鮮やかで模様がはっきりとしているもの、殻が柔らかくなっていないもの、臭みのないものを選びましょう。新鮮さを見極めるなら、うま味のつまったドリップが流れ出ていないかも要チェックです。
エビは生ものなのでできるだけ早く調理していただきたい食材ですが、どうしても余ってしまうという時は冷凍保存をしておきましょう。冷凍保存をする場合、まずは下処理として頭と殻を取り外し、背ワタを抜き取ります。キッチンペーパーなどで水気をよく拭き取ったら、重ならないようにして保存袋に入れてください。冷凍庫に入れて2~3週間ほどはもちますよ。解凍する際には、塩水で戻すとうま味などが逃げにくくなります。
手間を省きたい方には、下処理後にボイルをしてから冷凍保存する方法もおすすめです。下処理もボイルも済ませているので、解凍後そのまま食べても問題ありません。3週間~1か月ほどはおいしくいただけます。
エビに含まれる栄養価
キチン質
キチン質は甲殻類などの外骨格を構成する多糖類。人間の体内に入ると食物繊維と同様のはたらきをし、コレステロール値や血圧の上昇を抑えてくれます。また整腸作用や免疫を強める効果も期待されています。
タウリン
タウリンは必須アミノ酸の一種。脳や内臓、筋肉など人間の体内のあらゆる場所に存在し、血圧など身体の状態を一定に保つはたらきをしています。コレステロール値の抑制にも効果的です。人間は自分でタウリンを合成する能力が低いため、できるだけ食べ物から摂取する必要があります。
グリシン
エビの甘みやうま味を生み出すグリシンは、非必須アミノ酸の一種。コラーゲンを作る成分のひとつで、美肌効果も期待されています。そのほか、肝機能改善やコレステロール値抑制に役立ち、睡眠の質を向上させる作用や抗うつ作用もあります。
アスタキサンチン
エビの赤色のもととなる天然の色素成分。ビタミンEの1000倍といわれる優れた抗酸化作用があり、アンチエイジングにも役立つとして注目を集めています。眼の疲労改善、眼の病気予防、動脈硬化予防、美白・美肌にも効果的。脂溶性のため、油と一緒にとるのがおすすめです。
カルシウム
カルシウムは、エビの殻や尾の部分に豊富に含まれているミネラル。私たちの骨や歯を構成するだけでなく、筋肉などの正常なはたらきの維持にとって大切な役割を果たしています。
殻までカリカリ!エビのおすすめレシピ
【ガーリックシュリンプ】
余すところなくエビの栄養素をとるためには、殻まで食べられるよう多めの油でしっかりと揚げてカリカリにするのがおすすめです。今回はにんにくの香りが食欲をそそる、ハワイ発のおすすめレシピ「ガーリックシュリンプ」をご紹介します。
【材料】
・エビ 10~15匹
・にんにく 2~3片
・輪切りとうがらし ひとつまみ
・オレガノ、タイム、ローズマリー 少々
・塩コショウ 少々
・オリーブオイル
・レモン 串切り1片
1.エビは殻付きのまま、背にキッチンバサミで切れ目を入れ、背ワタを取り除きます。
2.雑菌が入っている可能性があるため、尾の先を切って中の水分を押し出します。
3.フライパンに多めのオリーブオイルを入れ、エビを投入して強めの中火で殻が白くなるまで焼きます。
4.エビがカリカリになったら、細かく刻んだにんにくと輪切りとうがらしを入れ、弱火にかけます。
5.にんにくの香りが立ってきたら中火にし、レモン以外の材料を入れて混ぜます。
6.全体にからめば火を止め、レモンを添えて盛り付け、完成です。
エビレシピのまとめ
生のままお刺身でも、焼いても茹でてもおいしいエビ。ほとんどが水分で構成されているため、低カロリーで高たんぱく。さらに殻や尾にまで豊富な栄養が含まれており、ダイエットにはもちろん、私たちの健康を維持するのにも役立ってくれます。きちんと処理をすれば臭みもなく長く楽しむことができるので、お正月などの特別な日だけでなく、日々の食卓にもぜひ取り入れてみてください。
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