春を感じる野菜 菜の花の栄養

春を感じる野菜 菜の花の栄養

菜の花とは

菜の花はアブラナ科アブラナ属の野菜の総称で、若いうちのやわらかい花茎や葉、つぼみを食用にします。「菜花(なばな)」や「花菜(はなな)」などとも呼ばれます。小松菜や青梗菜などアブラナ科の野菜の花も食用とされますが、一般的に流通しているものの多くは、菜の花として販売するために品種改良がされています。

菜の花の歴史

原産地は西アジアから北ヨーロッパといわれています。日本に伝わった時期は明確にはわかっていませんが、弥生時代から奈良時代の間と考えられています。当初は食用として栽培されていたようですが、江戸時代には燃料とするために菜種油の原料とされることが多くなりました。明治時代に入り西洋種の菜の花が導入され、食用として普及しました。昭和になって品種改良が進み、現在のように一般的な野菜となりました。

菜の花の種類

菜の花は、在来種である和種と、西洋種の2つに分けることができます。和種は主に花茎とつぼみ、葉を食用とします。緑色が淡いものが多く、在来種と在来種を品種改良したものもあります。葉をきれいに折りたたみ、15㎝ほどにそろえて束ねるのが伝統的な出荷形体のひとつです。西洋種は花茎と葉を食用として全体に緑色が濃く、比較的苦味が少ないといわれます。
・三重なばな
三重県の特産で、江戸時代には菜種油の原料として盛んに栽培されていました。産地で収穫時に摘みとられた若芽を捨てずに食用としていたのが広がり、昭和30年ころから商品として出荷されるようになりました。青菜として収穫され、茎や葉を食用として花芽はついていません。
・アスパラ菜
中国野菜のひとつで花芽を食用とします。脇芽をのばすために主茎は摘みとってしまい、次に出る側枝が収穫されます。苦味はなく、味や食感がアスパラガスに似ていることからこの名前で呼ばれるようになりました。
・かき菜
主に栃木県で古くから栽培されている伝統野菜で、在来種のひとつです。伸びてくる若い花芽を掻きとって収穫することから、この名前で呼ばれています。通常は花のつぼみがついた状態で収穫され、菜の花特有の香りとほのかな苦味があります。
・のらぼう菜
東京都西部から埼玉県飯能市の周辺で古くから栽培されています。江戸時代の初めころにはすでに栽培されていたようで、江戸の中期には幕府がこの種を配布したことで、民衆は飢饉を乗り越えたといわれています。苦味が少ないので食べやすく、茎が赤みを帯びているものもあります。

菜の花の栄養

βカロテン

βカロテンは色素の一種で、体内でビタミンAに変換されます。視機能を正常に保ったり、皮膚や粘膜の健康を維持するほか、免疫力を高める効果があります。

ビタミンE

脂溶性ビタミンの一種です。強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を抑制して生活習慣病の予防に役立つと考えられています。また血行を促進するので、肩こりや冷え性の改善や美肌効果も期待できます。

ビタミンK

脂溶性ビタミンの一種です。血液凝固に必要な成分の合成にかかわっており、不足すると出血したときに血が止まりにくくなることがあります。またカルシウムを骨に定着させる働きがあります。

ビタミンB1

水溶性ビタミンの一種で、糖質の代謝にかかわっています。不足すると糖質のエネルギー代謝が滞り、疲れやすくなったり集中力が低下する原因となることがあります。

ビタミンB2

水溶性のビタミンです。エネルギーの代謝を助け、特に脂質の代謝に深くかかわっています。粘膜の健康維持に役立ち、不足すると口内炎やにきびの原因となることがあります。

ビタミンB6

水溶性のビタミンで、タンパク質の代謝に必要です。食欲不振や口内炎、にきびの原因となったり、免疫力の低下や動脈硬化を引きおこす可能性があります。

葉酸

ビタミンB群の仲間でDNAの合成にかかわっており、正常な細胞をつくるために必要です。特に胎児の成長には重要であり、妊娠初期の女性は必要量が増大します。またビタミンB12とともに赤血球の合成にもかかわっています。

ビタミンC

水溶性のビタミンで、人の体内では合成できないため食事から摂る必要があります。コラーゲンの生成には欠かせないビタミンであり、ストレスに対する抵抗性を高めたり、鉄の吸収を助ける働きもあります。

カルシウム

体内ではほとんどが骨と歯に存在していますが、血液凝固や筋肉の収縮、神経の伝達などにも深くかかわっています。

血液中の赤血球をつくるヘモグロビンの成分として重要なミネラルです。不足すると鉄欠乏性貧血の原因となり、体内に十分な酸素が行きわたらないことで、頭痛やめまい、倦怠感、息切れなどの症状を引きおこします。

薬膳の効果

菜の花は肝の機能を高める働きがあります。目の充血やめまい、イライラなど、ストレスが原因の不調に効果が期待できます。また炎症を抑える効果があるので、吹き出物など肌のトラブル解消に有効です。産後の回復にも効果があるといわれています。

菜の花のレシピ

葉にハリがあって切り口がみずみずしく、つぼみが小さく締まっているものが良品です。
切り口が空洞になっているものは鮮度が落ちている可能性があります。花が開いても食べることはできますが、苦みが強くなっていることがあります。購入後は乾燥を防ぐためにキッチンペーパーなどに包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。販売時に小さく束ねられているものは外して葉をのばし、束ねなおしてから保存しましょう。日持ちがしないので、数日中に食べきる方がおいしく食べられますが、かためにゆでて使う分ずつラップで包み、冷凍用のチャック袋などに入れて空気を抜き、冷凍保存することもできます。

【菜の花のマスタードソテー】

菜の花のマスタードソテー

【材料】(2~3人分)
・菜の花       1束
・オリーブオイル   小さじ1
・にんにく      1かけ
・粒マスタード    小さじ1~2
・塩         適量
・こしょう      適量

【作り方】
1.菜の花は根元のスジが強い部分を少し切り落として洗います。
2.花の部分を持ち、沸騰したお湯に根元を浸けます。そのままで一呼吸おいてから、全体をお湯に浸けます。

作り方2

3.今回はソテーするので、ややかためのうちにざるにあけて冷水にとります。
4.根元をそろえて束ねて水気をしぼり、4~5㎝の長さに切ります。

作り方4

5.にんにくをみじん切りにして、フライパンに入れます。オリーブオイルを入れて火をつけ、弱火で加熱します。
6.にんにくの香りがしてきたら菜の花を入れて炒めます。
7.全体にオリーブオイルがなじんだら、粒マスタード小さじ1を入れてさらに炒めます。

作り方7

8.塩、こしょうで味をととのえてできあがりです。

作り方8

※ 粒マスタードの酸味が気になる場合は、砂糖ひとつまみ(ほんの少し)を加えるとやわらぎます。

まとめ

菜の花は、アブラナ科アブラナ属の野菜の総称で、花茎、葉、つぼみを食用とします。いろいろな種類がありますが、ビタミンやミネラルなどの栄養素をバランスよく豊富に含んでいます。店頭で菜の花をみかけたらぜひ利用して、春の味を楽しみましょう。

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