なすの栄養と簡単でおいしいレシピ

なすの栄養と簡単でおいしいレシピ
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なすとはどんな食材?

なすはインドが原産といわれるナス科の一年草です。現在、日本で一般的ななすは濃い紫色ですが、原産地周辺の東南アジアなどでは白や緑色のものも多く、英語でなすを「Eggplant」と呼ぶのは白いなすが語源といわれます。

 なすの歴史について

インドでは紀元前から栽培されていて、中国に伝わったのは紀元前5世紀ごろ、ヨーロッパへ伝わったのは13世紀ごろといわれています。日本にいつ頃伝わったかはっきりとわかっていませんが、正倉院文書には天平六年(734年)に「茄子」の記載があり、少なくとも奈良時代には栽培されていたようです。

 なすの種類について

なすの種類は非常に多く、国内でも多くの品種が作られていますが、近年は欧米の品種も多くなってきています。

・中長なす

最も一般的ななすです。13~15㎝くらいの縦長の卵型で、濃い紫色です。皮、果肉ともに適度なやわらかさで、さまざまな調理法に適しています。。

・丸なす

球形に近く、野球の硬球からソフトボールくらいの大きさがあります。皮の色は濃い紫で、中長なすと比較すると肉質が詰まっていて重みがあります。「加茂なす」は京野菜として有名です。

・小なす

3~5㎝くらいの小さななすです。皮がやわらかく肉質が詰まっているので、丸ごと漬物にするのに適しています。

・米なす

アメリカの品種を日本で改良した大型のなすです。皮の色は紫ですが、ヘタが緑色なのが特徴です。皮も果肉もかためで加熱料理に適しており、煮崩れしにくいのが特徴です。

・水なす

絞れるほど多くの水分を含み、皮も果肉もやわらかいのが特徴です。アクが少ないので漬物に適しています。

・長なす

20㎝以上の長いなすです。主に西日本や東北で栽培されており、仙台の「長なす漬け」は特産品として有名です。

・白なす、青なす(緑なす)

皮の色が白や緑色のなすです。形や大きさは品種によってさまざまで、多くの種類があります。どちらも皮はややかためで、アントシアニン色素を含まないため、紫色にはなりません。まだスーパーなどで手軽に購入できるほど出回っていませんが、日本各地には伝統的な在来品種があり、特産品として扱われたり漬物などの加工品も作られています。

 一富士二鷹三茄子

「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」とは、初夢に見ると縁起が良いとされる物を並べたことわざです。江戸時代、将軍徳川家康に縁が深い駿河の国(静岡県)の名物を並べたといわれており、それぞれに意味があります。富士山は日本一高い山であり、富士が不死に通じることから不老長寿を表します。富士に棲む鷹は、高や貴におきかえて出世を意味しています。茄子は実をたくさんつけることから子孫繁栄を願っているといわれます。また、なすび(=なす)が成すに転じて、物事が順調に進むことも表しているともいわれます。

ナスに含まれる栄養

なすは水分を多く含み低カロリーな食品です。体を冷やす効果があるといわれ、油と相性が良いので、調理に油を使用することで効率よくエネルギー摂取ができます。暑さで食欲が低下しがちな夏には、積極的に摂りたい食材といえます。

カリウム

なすには比較的カリウムが多く含まれています。カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧を調整する働きがあります。ナトリウムの排出を促進することで、血圧の上昇を抑え、高血圧の予防にも効果があるといわれます。

ナスニン

ナスニンは、なすの紫の皮の部分に多く含まれる、アントシアニン系色素のポリフェノールの一種です。アントシアニンと同じように、眼精疲労の回復に効果があるといわれます。また抗酸化作用により活性酸素を除去し、がんや生活習慣病の予防にも効果が期待されています。ナスニンは比較的加熱には強いのですが水に溶け出しやすいため、皮はむかずに汁ごと食べられる料理にすると、効率よくナスニンを摂取できるといえます。また油を使う調理方法では、比較的ナスニンの流出を防ぐことができます。

薬膳の効果

なすは涼性の食材で体内の熱を冷まし、血流を改善する作用があります。また利尿作用がありむくみを改善したり、食欲不振や胃もたれにも効果があるといわれます。冷房などで夏でも冷えを感じる場合は、生姜やネギなど体を温める作用のある食材と組み合わせて食べるとよいでしょう。

なすのおすすめレシピ

なすは皮の色が濃い紫色で、ハリとツヤがありふっくらと重みのあるものを選びましょう。ヘタの切り口がみずみずしく、トゲがピンと尖っている方が新鮮です。ヘタが乾燥していたり皮の表面にシワがあるものは、収穫後時間が経っている可能性があります。
なすは空気に触れると酸化して果肉の色が変わってしまいます。切ったらできるだけ早く調理しましょう。アク抜きのために水にさらすときは、栄養素の損失を防ぐため短時間に留めましょう。

【なすの肉みそ】

なすの肉みそ

【材料】(作りやすい分量)
・なす          2本
・豚ひき肉        200g
・ミョウガ        2個
・長ねぎ         15㎝くらい
・生姜チューブ      1㎝くらい
・にんにくチューブ    1㎝くらい
・ごま油         大さじ2/3
・白いりごま       適量
<合わせ調味料>
・みそ          大さじ2
・オイスターソース    小さじ2
・コチュジャン      小さじ1/2
・砂糖          小さじ1
・はちみつ        小さじ1
・酒           大さじ1

【作り方】
1.なすは洗ってヘタを取り、いちょう切りにします。アクが気になる場合はサッと水に浸けてから水をきっておきます。

作り方1

2.長ねぎとミョウガをみじん切りにします。

3.フライパンにごま油を入れ、生姜チューブとにんにくチューブを入れて長ねぎとミョウガを炒めます。

作り方3

4.香りがたってきたら、豚ひき肉を入れて炒めます。豚ひき肉の色が変わってくると、いったん水分が増えてしっとりとした感じになりますが、そこからさらに炒めて水分が減り、脂が出てくるまで炒めます。

作り方4

5.脂が多く出てきたときはペーパーで拭きとり、ごま油を少量足します。

作り方5

6.なすを入れて炒め合わせます。

作り方6

7.なすがしんなりとして豚ひき肉となじんできたら、あらかじめあわせておいた合わせ調味料を入れます。

作り方7

8.最後に白いりごまを混ぜて、できあがりです。

作り方8

※なすを水に浸けたときは、よく水をきってからフライパンにいれてください。水気が多く残っていると、油がはねて危険です。
※ごはんにのせたり、うどんや焼きそば、冷やし中華の具などに使ってもおいしいです。

なすレシピのまとめ

なすは紫色の皮の部分に、ナスニンが多く含まれています。皮はむかずに料理しましょう。油を使って調理することでなすの紫色が鮮やかになり、ナスニンも効率よく摂取できます。毎日のお食事に旬のなすを積極的に取り入れましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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