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オクラとはどんな食材?
オクラはアオイ科トロロアオイ属で、黄色いきれいな花を咲かせます。寒さに弱く、日本では冬が超せないため一年草ですが、熱帯では多年草です。原産地はアフリカの北東部で、エジプトでは紀元前から栽培されていたといわれています。「オクラ」という名前は英語(okra)で、和名は「アメリカネリ」「陸蓮根(おかれんこん)」ともいいますが、現在は使用されなくなっています。食用にしているのは実の部分で、熟すにつれてかたくなり食用に適さなくなるため、実がつき始めの小さなものや、まだ若く柔らかいものを収穫します。
オクラの歴史
18世紀にアメリカへ伝わり、19世紀には広く栽培されていたようです。日本には明治初期にアメリカから伝わりましたが、当初は花の観賞が目的であり、食用として栽培が進んだのは1970年頃からです。
オクラの種類
・オクラ
日本国内で一般的なのは、果皮が緑色で切り口が星形の「五角種」です。8㎝前後で収穫されます。
・赤オクラ
果皮が赤や赤紫色のオクラです。色以外は一般的なオクラと変わりません。加熱すると赤い色が抜けて緑色になるので、色を生かしたい場合は生食がよいでしょう。
・丸オクラ
角がなく、丸い形のオクラです。沖縄県で生産されている「島オクラ」や八丈島で生産されている「八丈オクラ」が有名で、大きく育ってもあまりかたくならず、粘りが強いのが特徴です。
・白オクラ
白っぽく、淡い緑色のオクラです。生食に適しているので「サラダオクラ」という商品名で売られていることがありますが、まだ一般的に市場に出回っている量は少ないようです。山口県が主産地で、やわらかく粘りが強いのが特徴です。
・ミニオクラ
長さが2~3㎝のうちに早採りしたオクラです。やわらかいので生食に適しています。
ダビデの星
イスラエルが原産といわれている品種で、断面は深く切れ込みが入った、多角の星形になっているのが特徴です。一般的なオクラよりも太くて肉厚、特有の香りがあるのが特徴です。栽培環境や成長しすぎるとかたくなっていることがあります。小口切りにすると、断面の星形を活かすことができます。
オクラコーヒー
第二次世界大戦中、イギリスやフランスでは完熟したオクラの種を焙煎して、コーヒー豆の代わりとして飲んでいたそうです。作り方はコーヒー豆と同じように、完熟したオクラの種を取り出して焙煎して粉に挽き、お湯で抽出します。現在日本でもオクラの産地では、規格外のオクラを完熟させて、オクラコーヒーを作っている地域があるようです。
オクラに含まれる栄養
βカロテン
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。また活性酸素を抑え、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に効果があるといわれます。不足するとドライアイや夜盲症など目の不快症状や、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったりすることがあります。
粘りの成分
・ペクチン
オクラに含まれるペクチンは水溶性食物繊維の一種で、水に溶けるとゲル状になります。ペクチンはジャムやゼリーのゲル化剤として添加されていることもあります。糖の吸収を抑制する働きがあるといわれ、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。また、胆汁酸や食物に含まれるコレステロールの吸収を抑制する働きもあるといわれます。さらに、腸の中で乳酸菌などの善玉菌を増殖させる働きがあり、腸内環境を整えるのに役立ちます。
薬膳の効果
弱った脾の働きを高めて消化を助け、食欲を増進します。便秘や腹部の張りなど胃腸の不快症状を緩和し、特に子供や高齢者には適した食材です。
オクラのおすすめレシピ
新鮮なオクラには表面にうぶ毛があります。緑色が濃く、ヘタから先まで変色がないものを選びましょう。大きく育ちすぎると、かたくなって味が落ちていることがあります。オクラは乾燥と低温に弱いので、新聞紙などで包んでから保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保管し、早めに食べましょう。かためにゆでてから冷凍すると保存ができます。ヘタの部分は先を少し切り落とし、くるりと一周かたい部分をむいてから加熱しましょう。
【オクラのゴマみそうどん】
【材料】(2人分)
・オクラ 5~6本
・ミョウガ 3個
・しらす 25g
・みそ 大さじ1
・醤油 小さじ1
・酢 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・みりん 大さじ1
・顆粒だし 小さじ1/2
・水 大さじ4
・すりごま 大さじ1
・うどん(乾麺) 2束
【作り方】
1.鍋にお湯を沸かしておきます。
2.オクラは洗って塩(分量外)をつけて軽くこすり、うぶ毛を取ってから、ヘタの部分をむいておきます。
3.お湯に入れて箸で転がしながら2分前後ゆでます。ゆで加減はお好みですが、ゆですぎると実が崩れたり、粘りが流れ出てしまうことがあるので気をつけましょう。ゆだったら冷水にとって冷まし、水気をきっておきます。
4.オクラは小口切り、ミョウガは縦に割ってから斜めにスライスしておきます。
5.調味料とすりごまを、全てよく混ぜ合わせておきます。
6.オクラとミョウガ、シラスを調味料の中に入れてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やしておきます。
7.うどんを袋の表示通りにゆで、冷水で洗ってから水気をきり、器に盛ります。
8.うどんの上に6.で和えた具をのせてできあがりです。
※かつお節や海苔をトッピングしてもおいしいです。
※みその種類によって塩分が異なります。みそと水の量で味を調節してください。
オクラレシピのまとめ
オクラは粘りと、切り口の形が特徴の野菜です。粘りの成分に健康効果が期待できるだけではなく、特有のトロっとした食感は、食欲がないときにも食べやすい食材といえます。冷やしてもおいしいオクラを、夏の体力維持にとり入れましょう。
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