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きゅうりとはどんな食材?
きゅうりは、ウリ科キュウリ属のつる性一年草で、主に果実を食用とします。日本では生食で利用されることがほとんどで、みずみずしさとパリパリとした食感が特徴です。
きゅうりの歴史
きゅうりの原産はインド北部からネパールにかけてのヒマラヤ山麓といわれています。インドでは3000年以上も前から栽培されており、西アジアでも紀元前に定着していたといわれています。ヨーロッパへは14世紀ころに伝わり、日本には中国から6~10世紀ころには伝わっていたと考えられています。当初は「黄瓜(きうり)」と呼ばれており、完熟して黄色くなったものを食用としていました。栽培が盛んになったのは江戸時代後期になってからのようで、それまでは苦味が強いことで好まれなかったきゅうりですが、幕末から明治時代にかけて品種間の交雑が進み、苦味が減少したことで一般に普及しました。
きゅうりの種類
・白いぼきゅうり
病気に強く収穫量も多いので、市場に出回っているきゅうりの9割以上を占める種類です。果皮の緑色が濃く、いぼの先端は白くなっています。皮が薄くて苦味が少ない、食べやすいきゅうりです。
・黒いぼきゅうり
いぼの先端が黒いきゅうりです。低温に強い春どりの早生種で、皮がかためで漬物に適しています。
・いぼなしきゅうり
いぼがなく表面がつるっとしたきゅうりです。加工用としても需要の高い種類です。
・四川きゅうり
一般的なきゅうりに比べて表面のいぼが多く、とげとげしています。果皮は濃い緑色で、ちりめん状のシワがあります。中国系のきゅうりを品種改良したもので皮はやわらかく、果肉がしっかりしていて味がしみ込みやすいので、漬物に適しています。
・ミニきゅうり
普通のきゅうりを小さいうちに収穫したものと、小型専用品種があります。花つききゅうりは、若いきゅうりを黄色い花をつけたまま収穫したものです。
・白きゅうり(半白きゅうり)
皮が白みがかった緑色の淡いきゅうりです。全体に白いものと、2/3くらいが白くなるものがあります。歯切れがよく、生食でも漬物にも適しています。
きゅうりに含まれる栄養
きゅうりは95%以上が水分であることから、栄養の少ない野菜というイメージがあるかもしれませんが、ビタミンやミネラルも含み、特にビタミンKを多く含みます。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンです。出血したときに血液を固めて止血する、凝固因子を活性化する働きがあります。また骨のタンパク質を活性化し、骨の形成を促す働きがあることから、骨粗しょう症の治療薬としても利用されています。
葉酸
葉酸は水溶性のビタミンでビタミンB群の仲間です。DNAなどの核酸を合成する役割があるので、正常な赤血球の形成を助けたり、胎児の成長に重要な働きがあります。特に妊娠初期の女性が十分に葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害という神経管の発育不全を予防する効果があることがわかっています。またビタミンB12と協力して血液をつくる働きがあるので、葉酸が欠乏すると巨赤芽球性貧血という悪性貧血の原因となることがあります。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性のビタミンで、人の体内では合成できないため、食事から摂る必要があります。体の細胞と細胞を結び付ける働きをするコラーゲンをつくるために必要で、皮膚や粘膜、関節などの健康を保つために必要なほか、鉄の吸収を促進したり、ストレスへの抵抗性を強める働きもあります。
カリウム
人の体内でカリウムは細胞内液に存在し、細胞外液に存在するナトリウムとバランスをとりながら、体の状態を一定に保つために役立っています。近年ではカリウムの十分な摂取によって、高血圧の予防や改善のほか、脳卒中の予防や骨密度の増加にも効果的であることがわかっています。
銅
赤血球中のヘモグロビンには鉄が必要ですが、銅にはヘモグロビンをつくるために鉄を運ぶ役割があります。このため鉄が十分に存在しても、銅が不足していると正常な赤血球が十分につくられず、貧血を引きおこすことがあります。また骨の形成を助ける働きもあります。
薬膳の効果
体の熱と湿をとる作用によりのどの渇きを潤し、発熱時にも良い食材です。水分の代謝を促進しむくみや排尿の異常、熱中症の予防にも効果的です。
きゅうりのおすすめレシピ
きゅうりはきれいな緑色で太さが均一で重みがあり、いぼが尖っているものが新鮮です。曲がっていても味に影響はありません。表面に白い粉のようなものがついていることがありますが、この白い粉のようなものはブルームといい、きゅうりの表面を保護し水分の蒸発を防ぐ役割があります。ブルームきゅうりの場合は、全体に白いブルームがついている方が新鮮です。購入後は、きゅうりは水気に弱いので水分を拭きとり、ポリ袋に入れてヘタを上にして立てて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。日持ちはしないので、購入後は早めに食べきるようにしましょう。食べきれない場合は、新鮮なうちに漬物やピクルスなどにした方が保存性が高まり、おいしく食べることができます。
【きゅうりのしょう油漬け】
【材料】(作りやすい分量)
・きゅうり 600g(約6本)
・塩 小さじ1
・しょう油 100ml
・みりん 100ml
・酢 50ml
・生姜チューブ 2㎝くらい
・にんにくチューブ 2㎝くらい
・鷹の爪 1~2本
・砂糖 大さじ2
【作り方】
1.きゅうりは包丁の背でいぼをこそげ落として洗います。
2.5㎜幅にスライスしてボールに入れ、塩を入れてよく混ぜてしばらくおいておきます。
3.砂糖大さじ1を残しておき、その他の調味料全てを鍋に入れて混ぜておきます。
4.きゅうりがしんなりしてきたら、よく水分をしぼっておきます。
5.鍋に入れた調味料を火にかけて煮立てます。しっかり煮立ったら火を止めて、水分をしぼったきゅうりを入れて軽く混ぜ、冷めるまでおいておきます。
6.しっかり冷めたらきゅうりをざるにあげて、漬け汁を別の鍋(ボール)に受けておきます。
7.漬け汁を火にかけて沸騰させ、同じことをあと2回くり返します。
8.3回目は、漬け汁に残しておいた砂糖を加えてから煮立てて火を止め、きゅうりを漬けます。冷めたら保存容器などに入れて、冷蔵庫で一晩おいてできあがりです。
きゅうりレシピのまとめ
きゅうりは日本では生食されることが多く、みずみずしくパリパリとした食感が特徴の果菜です。生のままではあまり日持ちがしないので、食べきれないときは新鮮なうちに漬物などにしましょう。
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