さわやかな大人の辛さ わさびの効果

さわやかな大人の辛さ わさびの効果
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わさびとはどんな食材?

わさびは、アブラナ科ワサビ属の日本原産の多年生水生植物です。山間の谷川の浅瀬に自生していますが、古くから栽培もされています。山間地の湧き水や清流の流れる渓流や、湿気の多く涼しい土地で栽培されますが、気温や水温、水質や水量など生育環境の条件が厳しく、限られた場所でしか栽培されていません。

わさびの歴史

奈良県明日香村の遺跡から出土した木簡に「委佐俾三升(わさびさんしょう)」と書かれているものがみつかっています。この木簡は飛鳥時代にわさびを保管した容器に付けられていたラベルと考えられ、「わさび」と記された最古のものといわれています。それまでは山間部に自生していたわさびを利用していましたが、安土桃山時代(1573~1603年)末期ころから、静岡県を流れる川の上流に自生していたわさびを村人が採ってきて、わさびが栽培されるようになったといわれています。このわさびを徳川家康がとても気に入り、わさびの葉が徳川の葵の家紋に似ていることから、門外不出にしたともいわれています。江戸時代になってわさびをつけた握りずしが考案され、江戸の町で庶民の間に広まりました。わさびが食材の生臭みを抑え、細菌の増殖を抑えたり、食中毒を予防することを経験的に知り、活用していたと考えられています。大正初期に粉わさびが開発され、昭和になって練りわさびがつくられるようになり、現在家庭でも一般的に使われているチューブタイプのわさびへと発展していきました。

わさびの種類

わさびはその栽培方法によって沢わさびと畑わさびに分けることができます。
・沢わさび
豊富な清流を利用して栽培されます。年間を通して水温が高くならない環境が必要で、夏季には直射日光を避けるために緑陰樹を植えたり、覆いをかけたりします。
・畑わさび
「陸わさび」とも呼ばれます。直接流水を用いず、湿気が多くて夏季も涼しい土地で栽培されます。沢わさびと比べるとやや安価です。

わさびのおろし方

わさびの辛み成分は揮発性のイソチオシアネート類と呼ばれる成分です。わさびの細胞が壊れるときに、わさびに含まれる酵素の働きで生成される成分です。わさびをすりおろすときは、細胞を細かく壊すほど香りや辛みを出せるといえます。鮫皮おろしのような目の細かいおろし器を使って、ゆっくりと「の」の字を書くようにすりおろします。すりおろしてから3~5分で香りと辛みがピークに達し、その後30分程度はおいしく食べることができます。すりおろしたわさびは、食べるときまで小さな容器に入れてふたをしておくか、陶器の小皿にのせてラップをしておくとよいでしょう。

わさびの効果

わさびの持つ機能性については、さまざまな実験や研究が行われています。主な有効成分はアリルからし油の一種である6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)で、わさびの根茎に多く含まれておりいろいろな効果が期待されています。
・抗菌、抗虫作用
わさびには細菌の繁殖を抑制したり、寄生虫の活動を停止する効果があるといわれています。病原性大腸菌O-157や黄色ブドウ球菌など食中毒の原因菌に対しても増殖を抑制することがわかっており、わさびから抽出されたアリルイソチオシアネートは抗菌作用のある食品添加物として認可されています。
・消臭効果
魚介類の生臭さの原因はアミン類という成分ですが、わさびに含まれるアリルからし油はアミンと反応して他の化合物に変化させ、生臭さを消すことができます。
・アレルギー症状の緩和
6-MSITCと接触したヒト好酸球の活性が抑制されたという実験結果があることから、わさびに花粉症などのアレルギー症状を緩和する可能性があるとして、研究が進められています。

わさびに含まれる栄養

ビタミンK

脂溶性ビタミンの一種で、血液を凝固させる働きがあります。また骨に存在するタンパク質を活性化し、カルシウムが骨に沈着するのを助けます。コラーゲンの生成を促進する効果もあり、骨粗しょう症の治療薬としても用いられています。

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンの合成に必要なビタミンです。人の体内では合成できないため、食品から摂る必要があります。コラーゲンは皮膚や骨、血管などあらゆる場所に存在し、細胞と細胞をつなげています。また鉄の吸収を促進したり、免疫力の効果、抗酸化作用によるアンチエイジング効果も期待できます。

薬膳の効果

食欲を増進し消化を促す効果があります。気鬱をとりのぞき、気分を爽快にする効果や、ストレスを軽減する効果が期待できます。神経痛やリウマチの痛みにも有効といわれています。

わさびのおすすめレシピ

みずみずしく色が鮮やかで、根茎は細くなく太すぎず、根元から上部まで同じくらいの太さで円柱形に近いものを選びましょう。ゆっくりと成長したわさびの方が肉質が緻密で味も香りもよいので、持ったときに重みを感じる目の詰まったものが良品です。購入後は乾燥しないように、水で湿らせたキッチンペーパーなどに包んでからラップで包み、ポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

【生わさび丼】

生わさび丼

【材料】(2~3人分)
・生わさび       1本
・ごはん        適量
・かつお節       適量
・板のり        適量
・しょう油       適量

【作り方】
1.生わさびはたわしなどでこすりながらよく洗います。葉をとってから、先を削るように落とします。
2.包丁の背でこそげるように皮といぼをとります。いぼは、必ずしもすべて取り除く必要はありませんが、黒い部分があれば取り除くようにします。

作り方2

3.鮫皮おろし、または目の細かいおろし金ですりおろします。

作り方3

4.すりおろしたわさびを器にとり、ラップをかけておきます。
5.板のりは軽く炙ってから、適当な大きさにちぎっておきます。
6.炊き立てのご飯を盛り付け、かつお節とのりをのせます。
7.わさびをのせてしょう油をかけ、混ぜて食べましょう。

※ かつお節とのりの量はお好みですが、たっぷりとのせた方がおいしいです。
※ わさびの量はお好みですが、生わさびによって辛さが異なるので、少量から調節しながら加えるようにしましょう。
※ ステーキやしらすなどと合わせて丼にしてもおいしいです。

ステーキやしらすなどと合わせて

わさびレシピのまとめ

わさびは日本原産の植物で、古くから栽培もされています。わさびの辛味の成分には、多くの機能性があるといわれており、研究もすすめられています。店頭で生わさびをみかけたらぜひ利用して、わさび特有の香りと辛さを楽しみましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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