砂糖は甘さだけじゃない|栄養と料理に必要な働き

砂糖は甘さだけじゃない|栄養と料理に必要な働き
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砂糖について

砂糖は甘味のある調味料で、糖の結晶です。

砂糖の歴史

インドでは紀元前2000年頃には砂糖が使われていたと考えられています。最古の仏教典には薬として記されており貴重なものでした。日本へ伝わったのは奈良時代、鑑真和尚が唐から持参したといわれています。正倉院に保存されている「種々薬帳」という薬の目録に、サトウキビから作った砂糖という意味の「蔗糖」という記載があります。

砂糖の種類

・上白糖
白砂糖とも呼ばれます。結晶が細かく、わずかに水分を含んでいるのでしっとりとしています。料理やお菓子、飲み物など幅広く使われます。
・グラニュー糖
上白糖よりも結晶が大きく、サラサラとしています。純度が高くすっきりとした甘さで、飲み物に入れたり、お菓子や料理にも使われます。世界中で最も一般的に使われている砂糖です。
・三温糖
製造工程で加熱するため、カラメルの色がつき黄褐色になります。形状は上白糖と似ていて、粒が細かくしっとりとしています。特有の風味とコクがあり、煮物や佃煮などに適しています。
・中ザラ糖
粒が大きく、三温糖と同じく黄褐色の砂糖です。純度が高くすっきりとした甘さですが、カラメルの風味もあります。漬物や煮物に適しているほか、綿あめの材料としても使われます。
・氷砂糖
純度が高く、氷のような大きな結晶が特徴です。そのまま食べたり、溶けるのに時間がかかる性質を利用して、果実酒やシロップ漬けの材料として使われます。
・顆粒状糖
フロストシュガーとも呼ばれます。顆粒の中に空気を含んでいるため泡立ちやすく、冷た
い液体やヨーグルトなどにもよく溶けます。
・黒砂糖
サトウキビの搾り汁を煮詰めたものです。黒っぽい色と特有の風味やコクが特徴です。

砂糖の効果

・防腐効果
ジャムやあんこなど、砂糖をたくさん使うことで腐りにくいことは古くから知られています。カビや細菌などの微生物が増殖するときには水分が必要ですが、砂糖が食品中の水分を抱え込むことで微生物が水分を利用しにくくなり、保存性が高まります。
・やわらかくする効果
砂糖はタンパク質と水分を結び付ける作用があります。肉の下味に砂糖を加えることで、肉の組織に砂糖が入り込み水分を引き付け、タンパク質が水と結びつくのを助けて肉がやわらかくなります。
・泡立ちを保持する効果
メレンゲやホイップクリームは、ホイップしてできた泡を固定することでできます。砂糖を加えることで砂糖が水分を抱え込み、泡が安定します。また泡同士がくっつくのを抑えるので、きめの細かい泡を保つことができます
・発酵促進
パンは酵母(イースト)の発酵によって生地を膨らませます。酵母(イースト)は糖質を栄養として発酵し、炭酸ガスとアルコールを生成することでパンが膨らみます。パンの材料に加える砂糖は、酵母(イースト)の働きを活発にするための栄養源の役割をします。
・食品の造形効果
砂糖は調理や食品加工の工程で、食品の物性を変える効果があります。例えば小麦粉では、加える砂糖の分量で生地のかたさや粘りが変わります。また寒天では、砂糖の量によって透明感や離水しやすさが変わります。砂糖自身も温度によって物性や色が変わるため、その性質が食品の加工に利用されています。
・デンプンの老化防止
デンプンは加熱によって糊化しますが、時間の経過によって粘度が低くなります。この変化をデンプンの老化と呼ぶことがありますが、炊いたごはんやおもちが時間が経つとかたくなってしまうのは、このデンプンの老化のためです。糊化したデンプンに砂糖を加えると砂糖の親水性によってデンプンの分子のすき間から水分をとり込み、糊化した状態を保つことができます。すし飯が時間が経ってもカチカチになりにくいのは、すし酢に加えられた少量の砂糖の効果といえます。
・タンパク質の熱凝固性改善
タンパク質は加熱によって凝固しますが、砂糖を加えることで凝固温度が上昇し、かたまりにくくなります。カスタードプリンはこの効果によって凝固温度が上昇することで、やわらかでなめらかな食感になります。

砂糖の栄養素

砂糖の成分のほとんどがショ糖です。黒砂糖では約75~86%、その他の砂糖は種類によっても異なりますが96%以上がショ糖です。

砂糖は体に必要なエネルギー源

ショ糖は体内でブドウ糖と果糖に分解されます。腸で吸収されたあと肝臓へ送られ、血液中に放出されてエネルギーとして利用されます。必要な分を使い、残ったブドウ糖は肝臓へ戻り、肝臓内や筋肉組織にグリコーゲンとして貯蔵されて、血液中のブドウ糖が不足すると再びブドウ糖に分解されて利用されます。

脳と砂糖

脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源とし、眠っているときにもブドウ糖を消費し続けています。砂糖だけではなく、食事から摂れる炭水化物(糖質)も体内でブドウ糖に分解されて利用されますが、砂糖は吸収が速く即効性があります。

薬膳の効果

白い砂糖は気を補い、倦怠感や息切れの改善に効果があります。脾の働きを良くして、虚弱体質の改善にも良いといわれます。潤いを保つ効果によりのどの渇きや、乾いた咳を抑える効果もあります。黒砂糖は不正出血や貧血、産後の体力回復に良いといわれます。血行を良くしてお腹を温め、月経のトラブルにも効果があります。風邪の初期症状や下痢、沈んだ気分を穏やかにする効果も期待できます。

砂糖のレシピ

砂糖は品質が安定した食品であり、賞味期限の記載が省略できるため、商品に賞味期限が書かれていないことがあります。砂糖の保管は密閉できる容器に入れ、常温で保管します。においを吸着しやすいので、においが強いものの近くにはおかないようにしましょう。

【メレンゲクッキー】

メレンゲクッキー

【材料】(作りやすい分量)
・卵白        1個分
・グラニュー糖    50g
・コーンスターチ   5g

【作り方】
1.卵白はあらかじめ冷蔵庫で冷やしておきます。
2.オーブンを100℃に予熱しておきます。
3.コーンスターチはふるっておきます。
4.清潔で乾燥したボールに卵白を入れてハンドミキサーで混ぜます。初めは卵白の腰を切るように低速で撹拌し、徐々に高速にします。
5.全体にふんわりとしてきたら、グラニュー糖を3~4回に分けて加えます。その都度よく撹拌します。

作り方5

6.つやが出てピンと角が立つようになったら、コーンスターチを加えてゴムベラでだまがなくなるまでさっくりと混ぜます。

作り方6

7.しぼり袋に星形の口金をつけて、メレンゲを入れます。
8.天板にオーブンシートを敷き、メレンゲをしぼります。大きさをそろえてしぼるようにしましょう。

作り方8

9.100℃で60~90分焼いてできあがりです。

作り方9

※ 焼き時間は、オーブンの機種やしぼったメレンゲの大きさによって異なりますので、調整してください。
※ 焼き上がったメレンゲは吸湿しやすいので、保管する際は乾燥剤を入れて密閉できる容器で保管しましょう。

砂糖レシピのまとめ

砂糖にはいくつかの種類があり、味付け以外にもいろいろな効果があります。砂糖の特徴と効果を知っておくことで、日常のお食事にも幅が広がります。食材や調理方法によって使い分けみてはいかがでしょうか。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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