春の山菜 ふきの栄養

春の山菜 ふきの栄養

ふきとは

ふきはキク科フキ属の多年草です。日本が原産であり、近縁種が少ない日本独特の野菜のひとつです。食用とする長い部分は「葉柄(ようへい)」と呼ばれ、地上にある葉と地下にある茎の接続部にあたります。特有の香りとほろ苦さが特徴です。

ふきの歴史

平安時代(905年)に編纂された法令集の「延喜式(えんぎしき)」や、現存する日本最古の薬物辞典である「本草和名(ほんぞうわみょう)」(918年)にふきの記録があることから、平安時代にはすでに栽培されていたと考えられています。栽培が盛んになったのは江戸時代以降で、現在多く流通している愛知早生ふきは明治中期頃に愛知県東海市で栽培が盛んになり、周辺地域に広まっていきました。

ふきの種類

・愛知早生ふき
現在最も多く流通している種類です。葉柄は淡緑色で、根元が赤みがかっているものもあります。太めで長さは1m前後になり、アクや苦味は少なく香りがよいのが特徴です。
・野ぶき
基本的には山野に自生するふきのことですが、栽培されているものもあります。「山ぶき・山ふき」とも呼ばれます。葉柄は細めで淡緑色、根元は赤みがあります。長さは30~40㎝で佃煮やきゃらぶきに適しています。
・水ふき
葉柄は淡緑色で根元は赤みがあります。長さは50~60㎝くらいで香りがよく、苦味は少なめです。水煮や缶詰などの加工品に利用されることが多い種類です。
・秋田ふき
葉柄の長さは2m近く、太さは3~6㎝にもなる大きなふきです。秋田や北海道が主な産地で、「ラワンぶき」とも呼ばれます。繊維が多くかたいので、漬物や佃煮、砂糖漬けなどの加工品に使われます。
・ふきのとう
ふきのとうはふきの花芽で、特有の香りとほろ苦さが特徴です。つぼみが開くと苦味が強くなるといわれます。

理にかなった、ふきのあく抜き

ふきにはピロリジジンアルカロイド類という天然毒が含まれています。ピロリジジンアルカロイド類は植物がつくる天然物質で多くの種類があり、中には強い毒性を持つものがあります。日本国内では食品によるピロリジジンアルカロイド類による健康被害は報告されていませんが、海外では健康被害の報告があります。ピロリジジンアルカロイド類は水に溶けるため、ゆでこぼしたり水にさらすなどのあく抜きをすることで減少し、安全に食べることができます。伝統的に行われてきたあく抜きの方法は非常に理にかなっており、生のふきをゆでこぼしてから水にさらすことで、ピロリジジンアルカロイド類の量は1/3から1/10に減少することがわかっています。ふきのとうにはふきよりも高い濃度でピロリジジンアルカロイド類が含まれている可能性があるため、ふきもふきのとうも、必ずあく抜きをしてから食べましょう。

ふきの栄養

ビタミンK

脂溶性ビタミンの一種です。出血を止めるための止血因子を活性化したり、骨のタンパク質を活性化して骨の形成を促進します。

カリウム

細胞内液に存在するカリウムと、細胞外液に存在するナトリウムはバランスをとりながら、体内の状態を一定に保つ働きがあります。カリウムを十分に摂取することで、血圧の低下や脳卒中の予防、骨粗しょう症の予防に役立ちます。

食物繊維

食物繊維は人の消化酵素では消化できない成分です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維は小腸での栄養の吸収を穏やかにして、食後血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールを吸着して排出する作用があります。不溶性食物繊維は水分を吸収して便の量を増やしたり、有害物質を吸着して便と一緒に排出する効果があります。ふきには特に不溶性食物繊維が豊富に含まれています。

薬膳の効果

体を温め、解毒作用があります。鎮咳・去痰の効果や、生理痛にも有効といわれています。

ふきのレシピ

葉柄がきれいな淡緑色で、全体にピンと張りのあるものを選びましょう。品種によっては根元部分が赤味を帯びているものもあります。太すぎるものはスジっぽくてかたいことがあるので避けましょう。葉が枯れていたり色が変わっているもの、葉柄がしんなりとしているものは鮮度が落ちている可能性があります。ふきは生のままでは日持ちがしないので、購入したらその日のうちに下処理をするようにしましょう。ゆでこぼしてから水にさらして皮をむいたものは、水に浸けた状態で冷蔵保存できます。毎日水を変えて保存し、数日中に食べきるようにしましょう。下処理のときにかために仕上げておくと冷凍することもできます。かために下ゆでしたふきをキッチンペーパーで水分を拭きとってから小分けにしてラップに包み、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜いて冷凍します。冷凍したふきは約1か月を目安にできるだけ早く食べきりましょう。生のものとは食感が異なるため、煮物や汁物に利用するとよいでしょう。

【ふきの含め煮】

ふきの含め煮

【材料】(作りやすい分量)
・ふき        1束
・油揚げ       1枚
・しいたけ      3~4個
・和風だしの素    小さじ1
・酒         大さじ1
・砂糖        小さじ1
・みりん       大さじ2
・しょう油      大さじ2
・かつお節      2.5gくらい

【作り方】
1.ふきは葉の部分を切り落とし、鍋に入る長さに切って洗っておきます。ゆがく時間が異なるので、同じくらいの太さごとにまとめておきます。

作り方1

2.鍋にたっぷりの湯を沸かして、同じくらいの太さのものを鍋に入れます。

作り方2

3.きれいな黄緑色になり、指でつまんだときにまだかたさが残るうちに水にとります。

作り方3

4.同じくらいの太さごとに、何回かに分けてゆがきます。
5.ふきの端に包丁の刃をひっかけるようにして皮とスジをもち上げるようにします。少しずつずらしながら一周し、まとめてつまんで引っぱると、皮とスジが一度にとれます。

作り方5-1

作り方5-2

6.皮とスジをとったふきを4~5㎝に切りそろえておきます。
7.油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、縦半分に切ってから1㎝くらいの幅に切ります。しいたけは半分に切ってから、食べやすい大きさのそぎ切りにします。

作り方7

8.鍋に水300ml(分量外)を入れて火にかけます。沸騰したら調味料を全て入れて混ぜ、油揚げとしいたけを入れます。
9.再び沸騰したらふきを入れ、アルミホイルで落し蓋をして火を弱めて加熱します。

作り方9-1

作り方9-2

10. ふきが好みのかたさになったら火を止めて、かつお節を混ぜてできあがりです。

作り方10

※ 冷める間に味を含みます。冷たい状態でもおいしいですし、温かく食べたいときはいち
ど冷ましてから、温めなおしましょう。

まとめ

ふきは数少ない日本原産の野菜です。主に食用とする部分は葉柄と呼ばれ、葉と地下にある茎をつなぐ部分です。日持ちがしないので、購入したらその日のうちに下処理をしておきましょう。春を感じる野菜のひとつ、ふき特有の味と香りをぜひ楽しみましょう。

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