目次
レタスとはどんな食材?
キク科アキノノゲシ属の植物の中で、「チシャ」に分類されるものがレタスと呼ばれる野菜です。世界各地にいろいろな種類がありますが、主に生のまま食べる野菜として親しまれています。
レタスの歴史
地中海沿岸から西アジアが原産とされており、紀元前の古代エジプトではすでに栽培されていたと考えられています。ヨーロッパ各地に広がりながら品種改良されていき、16世紀には地中海沿岸を中心に多様な種類のレタスが栽培されるようになっていました。日本には中国を経て伝来し、奈良時代には食べられていたと考えられています。当初のレタスは結球しない掻きチシャと呼ばれる種類で、現在のような結球するレタスは江戸時代末期から明治になって欧米から伝わったといわれています。本格的に栽培されるようになったのは明治時代以降で、現在のように一般的な野菜となったのは、第二次世界大戦以降のことです。
レタスの種類
レタスは大きく玉チシャ、葉チシャ、立ちチシャ、掻きチシャの4つに分類できます。
・玉レタス(玉チシャ)
一般的にレタスというと玉レタスを指します。黄緑色の丸く結球したレタスで、水分が多くパリパリとした食感が特徴です。
・サニーレタス
結球しない葉チシャ(リーフレタス)の仲間で、縮れた濃い赤紫色の葉先が特徴です。やわらかくて苦みも少なく、食べやすいレタスです。サラダやサンドイッチに使うと、色どりが鮮やかです。
・サラダ菜(玉チシャ)
玉レタスと同じ結球する種類に入りますが、緩く結球(半結球)していて、上部はふんわりとしています。玉レタスよりも濃い緑色でつやがあり、葉はやや厚めです。やわらかくほのかに甘みがあるのが特徴です。
・ロメインレタス
葉が縦に立ち上がっている立ちチシャで、半結球しています。葉が厚めで、わずかに苦味があります。シーザーサラダによく使われるレタスです。
・グリーンカール
葉チシャの仲間でサニーレタスに似ていますが、全体に緑色です。くせのない味で、サラダに使うと色どりがよく、葉先のカールでボリューム感が出ます。
・フリルレタス
葉チシャの仲間で厚めの葉が細かく波打っており、葉先はギザギザしています。
・サンチュ
掻きチシャの仲間で、焼き肉を巻いて食べるときによく使われます。株ごとではなく、外側から葉を1枚ずつ茎から掻きとって収穫します。葉肉は厚く、やや苦味があります。
・茎レタス
長い茎と、その上部についた若い葉を食べます。茎の長さは30㎝前後、直径は3~5㎝ほどで、先端に緑色の葉がついています。生のまま食べたり、きんぴらや漬物などに調理して食べることもできます。
レタスの切り口から出る白い液体は?
レタスの芯を切ると、その切り口から白い液体がにじみ出てくることがあります。この白い液体はレタスの葉にある乳管と呼ばれる管に入っていて、レタスが傷ついたときに流出し、傷口を乾燥させたり細菌の侵入を防ぐ役割があります。この白い液体の中にはラクチュコピクリンと呼ばれる苦味物質の一種が含まれています。ラクチュコピクリンは中枢神経に作用して、鎮静・鎮痛効果や安眠効果があるといわれます。ただしレタスに含まれるラクチュコピクリンは微量であるため、1回に大量のレタスを食べない限り効果は出ないといわれています。
レタスの栄養
レタスの中で、サラダ菜、グリーンリーフ、サニーレタスなど色の濃いものは緑黄色野菜に分類され、βカロテンを多く含みます。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンです。出血したときに血液を固めて止血するための止血因子を活性化する働きがあるため、ビタミンKの欠乏によって血が止まりにくくなる可能性があります。また骨にあるタンパク質を活性化して骨の形成を促すことから、骨粗しょう症の治療薬にも利用されています。
葉酸
葉酸は水溶性のビタミンでビタミンB群の仲間です。タンパク質や細胞をつくるときに必要なDNAなどの核酸を合成するために重要な働きがあります。そのため細胞分裂が活発な胎児の成長には特に重要な栄養素のひとつといわれており、妊娠中の女性には十分な摂取が必要です。またビタミンB12と協力して赤血球を作る働きがあるため、葉酸の欠乏によって巨赤芽球性貧血という悪性貧血を引きおこす可能性があります。
カリウム
カリウムは細胞の内液に存在し、細胞外液に存在するナトリウムとバランスをとりながら、体のさまざまな状態を良好に維持する(恒常性を維持する)ために必要です。カリウムの十分な摂取によって血圧の低下や脳卒中の予防、骨密度の増加などにも効果があることがわかっています。
薬膳の効果
体の余分な熱を冷まし、余分な水分を排泄する働きがあります。脈をととのえ、気を強めます。目の機能を改善したり母乳の出をよくする効果や、口臭をとったり歯を白くする効果があるともいわれています。
レタスのレシピ
一般的な結球する玉レタスは、丸みがあり、葉の巻きがやわらかくふわっとしていて、軽いものの方が甘味があるといわれます。全体にみずみずしく、芯の切り口がきれいなものを選びましょう。芯が大きすぎたり、変色しているものは鮮度も味も落ちている可能性があります。葉の巻きが固くずっしりと重いものは、苦みがあることがあります。結球しない葉レタスは、葉先まで色がきれいでハリがあり、みずみずしいものを選びましょう。購入後はキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。使うときは外側の葉からはぎ取って使います。金気を嫌い、包丁で切ると切り口が変色することがあるので、手でちぎって使いましょう。
【レタスのスープ】
【材料】(3~4人分)
・レタス 140g(小さいもの半分くらい)
・玉ねぎ 1/2個
・ベーコン(スライス) 35g
・オリーブオイル 小さじ1/2
・冷凍コーン 40g
・鶏がらスープの素 小さじ1
・みりん 小さじ1
・塩 小さじ1/2
・こしょう 適量
【作り方】
1.ベーコンは1㎝幅に切り、玉ねぎは薄くスライスします。
2.鍋にオリーブオイルを入れ、ベーコンと玉ねぎを中火で炒めます。
3.玉ねぎがしんなりしてきたら、水600ml(分量外)を入れて火を強めます。
4.沸騰したら少し火を弱めて玉ねぎに火を通します。アクが出てきたら取っておきましょう。
5.玉ねぎに火が通ったら冷凍コーンとみりん、鶏がらスープの素を入れます。
6.再度沸騰したら塩、こしょうで味をととのえます。
7.レタスをちぎりながら加え、レタスがしんなりしたらできあがりです。
※ レタスを入れたら煮すぎないようにしましょう。
レタスレシピのまとめ
レタスは大きく4つの種類に分類され、最も一般的な結球した玉レタスは玉チシャと呼ばれる種類です。葉チシャの仲間であるサニーレタスやグリーンカールは緑黄色野菜に分類され、βカロテンを含みます。いろいろな種類のレタスを混ぜて使うことで、見た目も鮮やかになります。加熱してもおいしいので、いろいろな種類と調理方法でレタスを楽しみましょう。
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