イワシの栄養|良質な脂質やカルシウムも豊富

イワシの栄養|良質な脂質やカルシウムも豊富
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イワシは古くから食べられている日本人に馴染みの深い魚で、お刺身や煮付け、つみれやフライなどさまざまな料理に大活躍な食材です。そんなイワシには良質な脂質やカルシウムが豊富に含まれていて栄養も満点。イワシの栄養と栄養を上手にとるコツについてご紹介します。

◆イワシとはどんな魚?

イワシとはどんな魚?

イワシはニシン科の魚で、沖縄を除く日本全国に生息しています。日本では、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシの3種類が流通しています。カタクチイワシの稚魚はシラスで、成長するにつれてシラス→ジャコ→イワシと呼び名が変わります。

イワシの語源には諸説ありますが、陸にあげるとすぐに死んでしまうので、「弱し」から「イワシ」に変化したという説が有力と言われています。

鮮魚だけでなく、干物やだしによく使用される煮干し、水煮や味噌煮などの缶詰にも加工されています。洋食に使用されるオイルサーディンやアンチョビもイワシを加工したものです。

また、千葉県の「なめろう」や「さんが焼き」、博多の「ちり鍋」、石川県の「こんか漬け」など、地方によってさまざまな郷土料理があり、昔から日本人に馴染みの深い魚であることがよくわかります。

◆イワシの選び方と保存方法

・目が澄んでいるもの
・身が固くピンとしているもの
・ウロコがついているもの
・頭が小さいもの

鮮度が落ちやすい魚なので、購入後は早めに食べるのがおすすめです。下味をつけたり、酢で調理すると冷蔵で4〜5日程度日持ちします。

◆イワシの栄養とは

【マイワシ(可食部100gあたり)】
エネルギー…169㎉
たんぱく質…19.2g
脂質…9.2g
炭水化物…0.2g
カリウム…270㎎
カルシウム…74㎎
マグネシウム…30㎎
リン…230㎎
鉄…2.1㎎
セレン…48㎍
ビタミンD…32.0㎍
ビタミンE…2.5㎎
ナイアシン…7.2㎎
ビタミンB12…15.7㎍
パントテン酸…1.14㎎
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

・EPA(エイコサペンタエン酸)

魚油に多く含まれているn-3系脂肪酸の一種で、血液をサラサラにする効果があり、血栓の予防や高血圧の予防に効果的です。動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病予防にも効果が期待できます。イワシの他にもサバ、ブリ、アジなどに多く含まれています。

・DHA(ドコサヘキサエン酸)

こちらも魚油に多く含まれているn-3系脂肪酸の一種で、常温でも固まりにくいという性質があります。脳を活性化させる効果があることから認知症の予防や脳の発達促進に効果が期待できます。また、動脈硬化の予防改善にも効果的です。クロマグロの脂身やサバ、ブリなどにも多く含まれています。

・カルシウムの吸収を助ける!ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸着を高める骨の健康に欠かせない栄養素です。魚介類やきのこ類に多く含まれています。ビタミンDは食品から摂取する他に、日光に当たることで紫外線により皮下で合成されます。また、免疫力をアップする効果も期待できます。

・骨粗しょう症の予防に!カルシウム

骨や歯を作るのに欠かせないミネラルです。体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえ安定させるなどの効果もあります。カルシウムは吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンDと一緒にとることで吸収率がよくなります。

・抗酸化作用のある酵素を作る!セレン

セレンは活性酸素に対抗する酵素を作る働きがあり、老化防止に効果が期待できるミネラルです。主に動物性食品に多く含まれており、特に魚介類に豊富です。ビタミンCやビタミンE、β-カロテンなど抗酸化作用の強いビタミンと一緒に摂取することでより効果が期待できます。

◆イワシの栄養を上手にとるコツ

イワシの栄養を上手にとるコツ

・骨ごと食べる

イワシは丸干しや圧力鍋で調理することで骨ごと食べることができ、カルシウムを効率的に摂取することができます。骨粗しょう症予防のためには、煮物やつみれなど骨ごと食べられる料理にするのがおすすめです。

また、丸干しは生のイワシよりもカルシウムやビタミンDの含有量が増えるので効率的に栄養を摂取することができます。

・梅干しと一緒に食べる

梅干しに含まれているクエン酸にはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。カルシウムが豊富に含まれているイワシと一緒に食べることで、骨を強くする効果があり骨粗しょう症予防にも効果が期待できます。

いわしの梅煮はカルシウムを効率的に摂取できる料理です。圧力鍋で調理すると骨ごと食べられるのでカルシウムの摂取量が増え、さらに効率的に栄養を摂取できるのでおすすめです。

◆イワシの手開きの方法

① イワシは尾から頭に向かって包丁の先を動かしてウロコをとる。胸ビレの付け根から包丁を入れて頭を切り落とす。腹の部分を薄く垂直に切り落として内臓をかき出し、ボウルにはった水できれいに洗う。水気をペーパータオルで拭き取る。

イワシの手開き①

② イワシの腹を手前にして持ち、身の真ん中あたりに両親指を入れる。中骨に沿って尾のほうへ親指を滑らせて身をはがす。同様に反対の親指も頭側に向かって滑らせて身をはがす。

イワシの手開き②

③ 尾の付け根部分の中骨を手で折り、頭側に向かってゆっくりと中骨をはがしとる。腹骨を包丁でそぎ取る。

イワシの手開き③

水洗いした後はペーパータオルでしっかりと水気を拭き取ることがポイントです。水がついたままだと傷んでしまう原因になります。工程①の作業は新聞紙などの上で作業すると後片付けが楽になります。

◆レシピ|イワシのカレーフライ

カレー粉の香ばしい風味が食欲をそそるイワシフライです。カレーの風味をつけることで魚の臭みを消す効果もあります。

イワシのカレーフライ

【材料(2人分)】
イワシ…6尾
カレー粉…小さじ1
薄力粉…大さじ1
溶き卵…1個分
パン粉…適量
サニーレタス…2枚
ミニトマト…4個
レモン…1/4個
塩、こしょう…各少々
揚げ油…適量

【作り方】
① イワシは上記の手開きの方法で開き、塩、こしょうをふってカレー粉をまぶす。薄力粉を薄くまぶして溶き卵にくぐらせ、パン粉をつける。

作り方①

② フライパンに揚げ油を1㎝程度入れて170度に熱し、①を香ばしく揚げる。

③ 皿に②と一口大にちぎったサニーレタス、半分に切ったミニトマト、くし形切りにしたレモンを盛り付ける。

作り方③

【ポイント】
・イワシは小ぶりなものを使用しました。大きければ分量を調整してください。

◆イワシレシピのまとめ

生活習慣病予防に効果が期待できるE P AやD H A、骨粗しょう症予防にも効果的なカルシウムやビタミンD、抗酸化作用の高いセレンなど、さまざまな栄養が豊富に含まれているので、ぜひ積極的に食事に取り入れたいですね。煮物やつみれ汁などの定番の和食はもちろん、洋食にも使いやすい食材なので、いろいろな料理にアレンジしてみてはいかがでしょうか?

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の作成者:松井さゆり(フードコーディネーター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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