緑黄色野菜の一種であるブロッコリーには優れた抗酸化作用をもつ成分が豊富に含まれています。ブロッコリーに含まれている栄養と栄養を上手にとるコツもあわせてご紹介します。
目次
◆ブロッコリーとは
ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の植物でキャベツの仲間です。花蕾(からい)と呼ばれるつぼみの部分と茎を食べる野菜です。輸入物もあり1年中食べることができますが、旬の時期は11月~3月頃です。
ブロッコリーには優れた抗酸化作用をもつ栄養素が豊富です。特にβ-カロテンが豊富に含まれており、その含有量はキャベツの約16倍もあります。さらにビタミンCはレモンよりも多く含まれています。また、がん予防が期待できる成分として注目されているスルフォラファンも含まれており、アメリカの国立がん研究所が疫学調査の結果に基づいて発表した「がん予防が期待できる食べ物」ランキングで上位に入っているほどです。
◆ブロッコリーの選び方と保存方法
・つぼみがこんもりと密集しているもの
・茎がツヤツヤしているもの
・切り口がみずみずしいもの
購入後はビニール袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。鮮度が落ちやすいので、2~3日で食べきるのがおすすめです。
◆ブロッコリーの種類
・茎ブロッコリー
茎の部分が長いブロッコリーです。茎の部分がやわらかくアスパラガスのような味わいが特徴で、つぼみの部分と茎の部分の食感の違いを楽しむことができます。
・紫ブロッコリー
紫ブロッコリーはその名の通り、花蕾(からい)の部分が紫色をしています。この紫色にはポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれており優れた抗酸化作用があります。生の状態ではきれいな紫色ですが、ゆでると緑色になります。
・ブロッコリースプラウト
ブロッコリーの種子が発芽したときに出てくる最初の双葉を食べます。種子に含まれる栄養に加え、発芽によって種子にはない栄養素も加わるので栄養満点です。がん予防に効果的といわれているスルフォラファンはブロッコリーの数十倍も含まれていると言われています。
◆ブロッコリーの栄養
【花序・生(可食部gあたり)】
エネルギー…33㎉
水分…89.0g
たんぱく質…4.3g
炭水化物…5.2g
カリウム…360㎎
カルシウム…38㎎
鉄…1.0㎎
ビタミンA(β-カロテン当量)…810㎍
ビタミンE…2.4㎎
ビタミンB1…0.14㎎
ビタミンB2…0.20㎎
葉酸…210㎍
パントテン酸…1.12㎎
ビタミンC…120㎎
食物繊維総量…4.4g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・ビタミンA
ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンです。
粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、肌荒れ予防にも効果が期待できます。強い抗酸化作用を持ち、アンチエイジングにも効果があると言われています。脂溶性のビタミンなので油と一緒にとることで吸収率がアップします。
・ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの合成にかかわるビタミンで、ストレスから体を守る働きをします。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があります。また、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症の治りをよくする効果があります。水溶性のビタミンで熱に弱い性質があるので、生で食べるとより効果的に摂取できます。
・ビタミンE
強い抗酸化作用を持ち、体の老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。
・ルテイン
目の網膜の黄斑に存在するカロテノイドのこと。強い抗酸化作用があり、目の病気の予防・改善に役立ちます。
・スルフォラファン
辛み成分のイソチオシアネートの一種で、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれています。優れた抗酸化作用があり、老化防止や美肌効果、がん予防にも効果が期待されています。
◆栄養を上手にとるコツ
・水につけてふり洗いする
ブロッコリーは花のつぼみが集まっているため、間に虫や汚れがたまっている可能性があります。花蕾には撥水性があるので、流水で洗っても中まできれいにすることができません。きれいに汚れを落とすには、ボウルに水を張って花蕾を下にむけて水中でふり洗いをしましょう。
・蒸しゆで又は電子レンジで加熱する
水溶性の栄養素であるビタミンCはゆでると減少し、残存率は50%程度になります。蒸しゆでにするか電子レンジ加熱にすることで、ゆでるよりも多くのビタミンCを摂取することができます。
蒸しゆでは、小房に分けたブロッコリーをフライパンに並べて、塩少々をふります。水100mlを加えてふたをして強めの中火で3~4分蒸し、火を止めてからブロッコリーの上下をかえしてふたをし、余熱で更に2~3分蒸らせば出来上がりです。ザルにあげて水気を切ってから使用しましょう。
電子レンジ加熱の場合は、小房にわけて耐熱皿に並べて水大さじ1をふってふんわりとラップをかけます。電子レンジ600Wで2~3分お好みの加減になるまで加熱します。料理によって固さは調整してくださいね。
・茎も食べる
捨ててしまいがちな太い茎の部分もかたい皮をむけば食べることができます。食べやすい大きさの棒状や角切りにして炒め物やスープに加えたり、ゆでて和え物にするのがおすすめです。茎の部分にもビタミンCとβ-カロテンが豊富に含まれています。
◆ブロッコリーの簡単レシピ
ブロッコリーとツナのサラダ
粒マスタードの酸味がアクセントです。お好みでゆで卵を加えても美味しいです。
【材料(2人分)】
ブロッコリー…80g
ミニトマト…4個
ツナ缶(70g)…1缶
A粒マスタード…大さじ1/2
Aレモン果汁…小さじ2
Aはちみつ…小さじ1/2
A塩…ひとつまみ
Aブラックペッパー…少々
Aオリーブ油…大さじ1
【作り方】
①ブロッコリーは小房にわけて、ミニトマトは半分に切る。ツナは汁気を切る。
②フライパンにブロッコリーを並べて、塩少々(分量外)をふる。水を100ml加えてふたをして、強めの中火で3~4分加熱する。火を止めてブロッコリーの上下を返し、ふたをして更に約2分蒸らす。火が通ればザルにあげて粗熱をとる。
③ボウルに【A】をよく混ぜ合わせて、ブロッコリー、ミニトマト、ツナを加えて和えれば出来上がり。
【ポイント】
・ブラックペッパーは少し多めに加えると美味しいです。
・お好みで仕上げに粉チーズをかけるのもおすすめです。
◆ブロッコリーレシピのまとめ
健康維持のために嬉しい成分が豊富に含まれているブロッコリー。調理方法を工夫すれば栄養をムダなく食べることができます。つぼみも茎も美味しく調理して栄養を丸ごと頂きましょう。
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