パルミジャーノ・レッジャーノやゴーダ、コンテなどのハードチーズは、製造過程で水分を抜いて作られているので、硬めの食感が特徴のチーズ。その種類によっても味わいはさまざまです。そのまま食べるのはもちろん料理にも大活躍なハードチーズの種類や特徴についてご紹介します。
目次
◆ハードチーズとは?
ハードチーズは、その名前の通り製造過程でプレスをして水分を抜いているため硬めの食感が特徴のチーズです。水分が少ないためナチュラルチーズの中でも保存性が高いことが特徴です。ハードチーズの種類によっても熟成期間は異なりますが、白カビチーズなど他のフレッシュチーズに比べて熟成期間が長いので濃厚なうま味を楽しむことができます。
ハードチーズはチーズの水分量によって、「セミハードチーズ」と「ハードチーズ」に分けられます。セミハードチーズは、作る工程でプレスして水分を38~46%まで減らしたチーズです。やや硬さがあり、マイルドで食べやすいという特徴があります。ゴーダ、マリボーなどがセミハードチーズに分類されます。ハードタイプも作る工程でプレスして水分を抜いて作ります。水分量はセミハードよりも低い38%以下で、重量のあるチーズです。熟成期間は半年から1年と長く、濃厚なうま味が特徴です。パルミジャーノ・レッジャーノやエメンタール、コンテ、チェダーなどが代表的なハードチーズです。
◆ハードチーズの種類
セミハードチーズ
・ゴーダ
オランダが原産で、クセがなくマイルドな風味が特徴。プロセスチーズなどにも使用されている日本でもお馴染みのセミハードチーズの1種です。表面が黄色いワックスで覆われていることが多いので、ワックスを取り除き食べやすい大きさにカットしてからいただきましょう。
・マリボー
デンマークが原産で、淡い黄色をしています。引き締まった食感で、口当たりが良くマイルドでほんのりと酸味があります。ゴーダチーズをお手本にして作られたチーズです。
・サムソー
デンマークが原産です。滑らかで弾力のある食感で、マイルドな味わい。甘味があることが特徴です。スイスのグリュイエールをお手本にして作られたチーズです。
ハードチーズ
・パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリア原産で、「チーズの王様」とも称されています。ナッツのような香ばしさがあり、コクがあって旨味もたっぷりです。1個で30〜40kg、直径が45㎝ほどもある大型のチーズです。熟成期間が2〜3年と長く、その間に水分が減るためとても硬いことが特徴です。
・エメンタール
スイスでは「チーズの王様」と呼ばれているスイスの代表的なチーズ。1個100㎏近くもある非常に大型のチーズです。塩味は控えめでまろやかなコクがあり甘味も感じます。チーズフォンデュの材料としてもよく知られています。また、チーズアイと呼ばれる気孔がたくさんあいていることが特徴。イラストなどでよく見かける穴のあいたチーズはエメンタールがモデルとなっています。
・グリュイエール
スイスが原産のチーズです。クリーミーでナッツのような香りとコクがあり、ほのかな酸味があることが特徴です。熟成が浅いグリュイエールはクセがなくさまざまな料理に合わせることができます。チーズフォンデュの材料としても使用されています。
・コンテ
フランスとスイスの国境にあるジュラ山脈一帯で作られ、雪深く厳しい冬を乗り越えるために作られた大型のチーズです。フランス人に最も親しみのあるチーズと言われています。クセのない味わいで、濃厚なコクがあることが特徴。さまざまな料理に合わせやすいチーズです。
・チェダー
イギリスが原産のチーズで、薄い黄色をしたものやオレンジ色をしているものがあります。鮮やかなオレンジ色をしているものは、アナトー色素によって色付けされているもので「レッドチェダー」と呼ばれています。それに対して薄い黄色をしているものは「ホワイトチェダー」と呼ばれています。ねっとりとした食感とマイルドな味わいが特徴。ほのかに酸味もあります。熟成するにつれてコクが増します。
・エダム
オランダが原産で、ゴーダチーズの次に生産量が多いオランダを代表するチーズです。輸入用は表面に赤いワックスがコーティングされていることが特徴で日本では「赤玉チーズ」という愛称で呼ばれることもあります。マイルドでさっぱりとした風味が特徴。後味にほのかに酸味を感じます。赤いワックスは取り除いてからいただきましょう。
◆ハードチーズの保存方法
切り口が乾燥しないようにラップでぴったりと包んでから、チャック付きの保存袋か保存容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。チーズは他の食材のにおいを吸収しやすいので、香りが強い野菜や果物などと分けて保存することがポイントです。
◆ハードチーズの美味しい食べ方
・そのまま食べる
食べやすい大きさにカットしてそのままおつまみにするのはもちろん、薄切りにしてサンドイッチの具材にしても美味しいですし、粉状にしたり薄く削ってサラダのトッピングにも活用できます。
・加熱して食べる
グラタンやオムレツ、トースト、オニオングラタンスープ、リゾット、パスタ、ピザ、チーズフォンデュなど、ハードチーズは加熱して食べても美味しいチーズです。チーズフォンデュにはエメンタールとグリュイエールが定番ですが、ゴーダチーズやコンテなどのチーズを組み合わせるのもおすすめです。
◆レシピ|カルボナーラ
パルミジャーノ・レッジャーノで作るカルボナーラです。ソースを加えた後は余熱で火を通すことが美味しく作るポイントです。
【材料(1人分)】
スパゲッティ…80g
薄切りベーコン…2枚
にんにく…1/2片
卵…1個
A生クリーム…大さじ3
Aパルミジャーノ・レッジャーノ(粉)…大さじ2
A塩…少々
Aブラックペッパー…少々
オリーブ油…小さじ1
ブラックペッパー…少々
【作り方】
下準備:鍋にたっぷりの湯を沸かして、塩(分量外)を加える(湯1ℓに対して塩小さじ1が目安)。
① ベーコンは1㎝幅に切って、にんにくはみじん切りにする。
② ボウルに卵を溶きほぐして、【A】を加えてよく混ぜる。
③ 沸騰した湯にスパゲッティを加え、袋の表示通りにゆでる。
④ フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかける。香りが出てきたら、ベーコンを加えて中火で焼き色がつく程度に炒める。
⑤ ゆで上がったスパゲッティの水気を軽く切って、④に加えて火を止める。②を加えて混ぜ合わせ、余熱で火を通す。皿に盛り、ブラックペッパーをふれば出来上がり。
【ポイント】
工程⑤でソースを加える際は、必ず火を止めてから加えてください。火を通しすぎると卵が固まってしまう原因になります。
◆ハードチーズレシピのまとめ
さまざまな種類があるハードチーズ。ご紹介したもの以外にもたくさんの種類があるので、好みのチーズを探してみるのも楽しいですね。そのまま食べるのはもちろん、料理にも大活躍なハードチーズは比較的クセがなく食べやすいものも多いので、いろいろな料理に活用してみてはいかがでしょうか?
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