噛むとゴマのような風味とさわやかな辛味が広がる、ルッコラ。栽培が比較的簡単なため、家庭菜園などでもよく育てられているハーブです。葉も花も生食で利用でき、サラダやピザ、パスタなどに彩を添えてくれます。独特の辛味を生む成分をはじめとして、美肌効果が期待される栄養素などが豊富に含まれており、ぜひ食卓に取り入れたい食材の一つ。今回はそんなルッコラの栄養素と、おいしく食べられるおすすめレシピをご紹介します。
目次
ルッコラとはどんな食材?
ルッコラとは、アブラナ科キバナスズシロ属に分類される一年草。和名は「黄花蘿蔔(キバナスズシロ)、英語ではロケットやアルギュラといいますが、日本ではイタリア料理とともに広まったハーブのため、イタリア語の発音に近い名前が普及しています。
原産地はアジア西部から地中海沿岸にかけて。栽培の歴史は紀元前にまでさかのぼることができ、古代ギリシャ・ローマの時代には「エルーカ」と呼ばれ、すでに食用とされていたようです。一説では、世界三大美女の一人にも数えられるエジプトの女王・クレオパトラが、美を保つために食べていたのがルッコラではないかとも言われています。
日本へ入ってきたのは明治時代のことでしたが、イタリア料理が広まるまではあまり普及していませんでした。現在では埼玉県や福岡県、茨城県をはじめ全国で栽培されており、通年入手できるようになっています。
ルッコラの選び方と保存方法
ルッコラは、葉の緑色ができるだけ濃いもの、葉の表面にハリがあり、茎の部分がみずみずしいものを選びましょう。葉先が変色していたり、しおれたりしているものは鮮度が落ちている可能性があります。
保存する際には、水分に気を付けることが長持ちさせるポイント。ルッコラは水分がなくなるとすぐにしなびて香りや風味も弱まってしまうため、買った数日以内、鮮度が落ちる前に食べるのが一番です。どうしても食べられない時は、水で湿らせたキッチンペーパーで根本を包んで保存袋に入れるか、コップに水を入れてルッコラの根本から差し込みましょう。その状態で縦向きにして野菜室に入れることで、5日程度は鮮度を保つことができます。
葉だけで販売されているルッコラの場合は、鮮度が落ちやすいので、できるだけ早めに召し上がるのがおすすめです。
ルッコラに含まれる栄養価
ルッコラの特徴は、ビタミンとミネラルどちらも豊富に含まれていること。特に美容効果やアンチエイジングが期待できる栄養素が多く、お肌の健康を保ちたい方にはぴったりです。
ビタミンC
お肌によいイメージのあるビタミンCは、水溶性ビタミンの一種。健康的な肌を維持するコラーゲンを作るのに必須の栄養素で、美肌には欠かせません。そのほか、ストレスへの抵抗力を高める作用や抗酸化作用があり、体の内側からも健康を保ってくれます。
ビタミンE
ビタミンEは、強い抗酸化力があり、アンチエイジングの強い味方とされている脂溶性ビタミン。老化にも関わっているといわれる体内の活性酸素を弱めるはたらきがありますが、一度作用すると不活性化してしまいます。ビタミンCには、そんなビタミンEを再活性化させるはたらきがあるので、できるだけ一緒にとるのがおすすめです。
βカロテン
βカロテンは、油に溶けやすい性質を持つカロテノイド(赤橙色色素)の一種。強い抗酸化力があることで知られ、アンチエイジングにも効果的とされています。また体内で正常な皮膚や粘膜を維持するビタミンAに変換され、体の健康を保つさまざまな役割を果たすため、最近肌の調子が悪いという方にはぜひ積極的にとってほしい栄養素の一つです。
アリルイソチオシアネート
ルッコラに含まれる辛み成分。大根やワサビの辛味と同じ成分で、殺菌作用があります。活性酸素による体への影響に対して、抵抗力を高める作用があることがわかっており、動脈硬化やがんの予防のほか、血栓予防にも効果が期待されています。
ミネラル
ルッコラには豊富なミネラルが含まれているのも特徴の一つです。特にカリウムやカルシウム、鉄分が多く、高血圧や骨粗しょう症、貧血などの予防にも役立ちます。
ルッコラのおすすめレシピ
【ルッコラと生ハムのサラダ】
ルッコラの栄養素を余すところなく食べるためには、生食が一番!水溶性ビタミンを逃さずに、オリーブオイルを使って脂溶性ビタミンを効率的にとるため、イタリア料理でもよく組み合わされる生ハムを使って、サラダで楽しめるレシピをご紹介します。ルッコラ以外の野菜は、好みに合わせて自由に組み合わせてくださいね。
【材料】
・ルッコラ 1袋
・生ハム 3~4枚
・レタス 2~3枚
・トマト 1/2個
・チーズ(パルメザンチーズ、カッテージチーズなど) お好みで
☆ドレッシング
・オリーブオイル 大さじ3
・酢またはビネガー 大さじ2
・塩 小さじ1/2
・砂糖 小さじ1
・コショウ 少々
1. ☆の材料をすべてよく混ぜ合わせ、ドレッシングを作ります。最初に酢に塩や砂糖を溶かしてからオリーブオイルを入れると、混ざりやすくなります。
2. 野菜は食べやすい大きさに切っておきます。
3.野菜と千切ったハム、チーズを盛り付けたら、ドレッシングを回しかけて完成です。
ルッコラレシピのまとめ
ルッコラは通年スーパーなどで見かけることができますが、旬は原産地の気候に近くなる春と秋とされています。季節の変わり目は気候や生活の変化でお肌も荒れがちになるので、ぜひルッコラを食事に取り入れて、お肌の健康を守ってくださいね。
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