植物性と動物性の違いとは?クリームの特徴

植物性と動物性の違いとは?クリームの特徴
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クリーム煮込みやケーキのデコレーションなど料理からスイーツまで、幅広く活用されている生クリーム。売り場には動物性や植物性、乳脂肪が35%や46%など、いろいろな種類が並んでいますが、その違いをご存知ですか?それぞれの特徴についてご紹介します。

◆生クリームの動物性と植物性の違いとは?

生クリームの動物性と植物性の違いとは?

生クリームは生乳の乳脂肪をとりだしたもので、一般的に乳脂肪分18%以上のものが「生クリーム」と呼ばれます。牛乳と生クリームはどちらも牛の乳からできていますが、生クリームが泡立つのは脂肪分が多く含まれているからです。牛乳の脂肪分は一般的に3.7%前後ですが、生クリーム(ホイップタイプ)には35~50%の脂肪分が含まれています。
スーパーの売り場には様々なクリームが並んでいますが、その違いをご存知ですか?動物性のクリームと植物性のクリームは原材料が異なります。
動物性のクリームは生乳だけを原材料として作られます。原材料の種類に「クリーム」と表記できるのは添加物等を一切加えず、生乳だけを原料としているクリームのみです。生乳に乳化剤や安定剤を混ぜているものは、「クリーム」とは呼べません。乳化剤や安定剤を混ぜているものは「乳又は乳製品(乳等)を主要原料とする食品」に分類されます。
一方、生クリームの代用品として作られた植物性のクリームは、さっぱりとした味わいが特徴です。植物性のクリームはパーム油やヤシ油、なたね油、大豆油などが原材料に使用されます。植物性のクリームも「乳又は乳製品(乳等)を主要原料とする食品」に分類されます。
商品のパッケージに「ホイップクリーム」と記載されているものがこのタイプです。

◆植物性クリームと動物性のそれぞれの特徴

動物性と植物性クリームの特徴

【種類:クリーム】

・生クリーム(乳脂肪のみ)

添加物を加えず純脂肪のみで作られた生クリームは、濃厚なコクや口溶けの良さが特徴です。クリーム本来の美味しさを活かしたいケーキや料理に加えるのがおすすめです。お菓子作りには乳脂肪が35%~50%のものがよく使用されています。含まれている乳脂肪分が低めのものを使用すると軽いさっぱりとした風味になり、乳脂肪分が高いほど濃厚でコクのある味わいになります。安定剤などが一切入っていないので、賞味期限が短くクリーム類の中では一番高価です。また、分離しやすいので泡立てすぎるとボソボソとした食感になってしまうので注意が必用です。

【種類:乳又は乳製品(乳等)を主要原料とする食品】

・生乳に安定剤を加えたもの

純脂肪のクリームに乳化剤や安定剤を加えていることで、分離しにくく保形性が高いことが特徴です。乳化剤や安定剤を加えても乳脂肪のみのクリームと味や風味は変わらないと言われています。作業性がいいので夏場にデコレーションケーキを作る場合など、クリームがダレやすい時期にも扱いやすいという利点があります。乳脂肪のみのクリームよりも賞味期限が長く、値段も少し安くなります。

・植物性クリーム

生クリームに比べると風味や口溶けは劣りますが、動物性のものに比べてさっぱりとした風味があり乳製品が苦手な方にも食べやすいです。また、作業性、保形性に優れており扱いやすいこともポイントです。動物性のクリームはやや黄みがかった白ですが、植物性は真っ白なので白く仕上げたいスイーツにも向いています。値段は最も安価で手軽に使用でき、賞味期限が長いことが特徴です。熱が加わると分離してしまうので料理にはあまり向いていません。

・コンパウンドクリーム

乳脂肪と植物脂肪を混ぜて作られるコンパウンドクリームは、乳脂肪のコクのある風味を残しつつもさっぱりとした味わいが特徴です。生乳100%のクリームに比べるとやや風味は劣りますが、さっぱりとした風味に仕上げたいお菓子などにはおすすめです。値段も植物性クリームの次に安く手軽に使用できます。

◆生クリームに含まれるタイプ別栄養価

【クリーム(可食部100gあたり)】

乳脂肪 植物性脂肪
エネルギー 433㎉ 392㎉
水分 49.5g 50.0g
たんぱく質 2.0g 6.8g
脂質 45.0g 39.2g
炭水化物 3.1g 2.9g
ナトリウム 27㎎ 250㎎
カリウム 80㎎ 71㎎
カルシウム 60㎎ 33㎎
リン 50㎎ 210㎎
ビタミンA 390㎍ 9㎍
ビタミンD 0.5㎍ 0
ビタミンE 0.8㎎ 0
ビタミンK 14㎍ 2㎍
ビタミンB1 0.02㎎ 0
ビタミンB2 0.09㎎ 0.05㎎

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

◆生クリームを上手に泡立てるポイント

お菓子作りでは泡立てて使用することが多い生クリーム。生クリームをなめらかな状態に泡立てる為には2つのポイントがあります。
・生クリームは使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく
・氷水にあてながら泡立てる
生クリームは保存するときも泡立てるときも常に冷たい状態を保つ必要があります。冷やさずに泡立てるとボソボソとした食感になってしまい美味しさが半減してしまいます。なめらかな美味しいクリームにするために温度に気をつけて泡立ててみてくださいね。

◆生クリームの簡単レシピ|パンナコッタ

濃厚な生クリームの風味が美味しいイタリアの冷菓子。お好みでフルーツソースやカラメルソースをかけても美味しいです。

パンナコッタ

【材料(150mlの容器5個分)】
生クリーム(乳脂肪36%)…200ml
牛乳…200ml
砂糖…50g
バニラビーンズ…1/2本
粉ゼラチン…6g
水…大さじ2
ブルーベリー…15個
ミント…5枚

【作り方】
下準備:水に粉ゼラチンを振り入れてふやかしておく。バニラビーンズは縦に割いて種をこそげとる。

①鍋に生クリーム、牛乳、砂糖、バニラビーンズの種とさやを入れて中火にかける。鍋肌がふつふつとしてきたら、火を止めてふやかしたゼラチンを加えて溶かす。

作り方①

②ゼラチンが溶けたらこし器でこしながらボウルに移す。
氷水にあてながらとろみがつく程度に冷やし、容器に分け入れて冷蔵庫で3時間以上冷やし固める。

作り方②

③ブルーベリーとミントをトッピングすれば出来上がり。

作り方③

【ポイント】
・生クリームと牛乳は煮立てないように気をつけてください。
・ゼラチンは必ず火を止めてから加えてください。
・使用する生クリームは季節やお好みによってご使用ください。程よく濃厚に仕上がる乳脂肪35%前後のものを使用するのもおすすめです。

◆『生クリーム簡単レシピ』のまとめ

濃厚な味わいが楽しめる動物性のクリームとさっぱりとした風味が味わえる植物性のクリーム。同じ料理やお菓子でも使用するクリームの種類を変えることでまた違った味わいになります。お好みで使い分けてみてくださいね。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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