高齢のご両親が何らかの理由から一人暮らしになってしまった場合、心配にはなるけれど、暮らしている街や仕事の都合で毎日様子をうかがうわけにはいかない。
そんなときに活用したいのが、見守りサービスです。今回はさまざまな見守りサービスについて、ご紹介します。
目次
高齢者の見守り~家電利用サービス~
まだまだご自身の健康に自信がある場合、人見知りをされる方や自分のペースを大切にしている方の場合は、介護サービスが介入するよりも家電などでさりげなく見守るのが、ご本人の負担にならず、取り入れやすいですね。
本体代金以外には、製品によってインターネット接続が必要なものがあるほか、月額利用料金が加算されるものがあります。
電球
電球タイプの見守りシステムは、お手洗いや廊下など、一日に数回必ず点灯する場所の電球と取り換えるだけなので、簡単に設置できます。
メールアドレスを登録しておくと、スイッチが入った時間が、逆に一日に一度もスイッチが入らなかった場合にメールで届きます。
冷蔵庫
冷蔵庫の扉の開閉を計測し、見守る側が登録したメールアドレスにメールが届きます。
電気ポット
レンタルの専用ポットを使用して、お湯の使用回数をメールで配信する見守りサービスです。
ロボット掃除機
ロボット掃除機でありながら、内蔵されたカメラで部屋の様子をチェックするライブカメラ機能がついています。
Wi-Fiに接続して外部からの操作ができるものや、通話機能を兼ね備えたものもあります。
ライブカメラ
一人暮らしの高齢者宅に取り付ける見守り用ライブカメラ。登録したスマートフォンなどで室内の様子をリアルタイムで確認できるため、緊急時には速やかな対応ができます。
しかし、見るからにカメラ、という作りであるため、設置された高齢者様にはストレスがかかることがあります。
見守りロボット
顔が付いたロボットの目の部分にカメラ機能がついており、スマートフォンなどで外部から室内の様子を確認することができます。
高齢者だけでなく、留守番中のペットや子どもの様子を確認したり、防犯対策として使用したりすることができます。
赤外線見守り装置
小さなボックス内に赤外線人感センサーが取り付けられており、センサーがキャッチした活動記録が1日2回、指定したメールアドレスに配信されます。
また、12時間動きがないと緊急メールが届きます。
見守りケイタイ
スマートフォンに見守り機能のアプリケーションをインストールすることで、移動やスマートフォンの利用状況が家族に届くサービスがあります。
携帯電話会社や警備会社が運営しており、操作方法や使用料金は各社で違います。
見守る側と同じ携帯電話会社を選ぶのがスムーズですが、いろいろな業者が提供しているサービスを比較してみてもよいですね。
通報タイプ
レンタルの通報用ボタンを身に着けておき、緊急時にはボタンを押す、タブを引き抜くなどして、警備会社やケアステーション、登録した電話番号に緊急通報が届くシステムになっています。
契約する会社により、料金やサービスの種類が異なります。
高齢者の見守り~人的サービス~
外出が難しい方や、自宅に訪問者がないこと、他者との交流がないことを寂しく感じている方には、スタッフが巡回して顔を合わせ、見守りを行ってくれる、いわゆる人的サービスの見守りがおススメです。
人の目による見守りサービスを利用する場合は、できれば持病の有無や性格、趣味、かかりつけ医や担当ケアマネージャーの情報を伝えておくと、いざという時に迅速な対応を行うことができます。
また、利用するサービスの担当者とは密に連絡を取り、どのように過ごしているかの情報を得られるようにしておきましょう。
民生委員や地域の見守りサービスを利用する
お住まいの地域の民生委員が定期的に自宅を訪問し、安否確認を行うサービスがあります。
また、地域によっては、自治体のサービスとして、見守り活動をボランティアで行っている場合があります。
詳しくはお住まいの自治体の相談窓口や民生委員、町内会などにお問い合わせください。
お弁当の宅配サービス業者や荷物配送業者の見守りサービスを利用する
民間のお弁当や荷物の宅配サービス業者が、定期的に高齢者世帯を訪問し、安否確認を行うサービスがあります。
お弁当や荷物の宅配予定が無くても、安否確認だけを契約することができる業者もあります。
サークル活動や地域の行事に参加する
外出できる方であれば、地域のサークル活動に参加することで孤立を防ぎ、自然と見守られていることになります。
このような活動に参加することで友人が増えると、活動に参加している時間以外にも交流を持つなどして人と過ごす時間が増え、見守り、見守られていることになります。
デイサービスや訪問介護を利用する
近隣のグループホームが行うイベントや食事・入浴サービスを利用すると、定期的に人とのつながりができます。
また、介護専門のスタッフが対応してくれるので、ちょっとした体調の変化にも気づいてもらいやすくなります。
訪問介護を利用する
訪問介護で食事の支度や家事の手伝い、各種サービスを活用することで、ホームヘルパーや訪問看護師により、見守ってもらうことができます。
デイサービス同様、介護専門のスタッフが見守ってくれるため、異変に気付きやすくなります。
料理が苦手、洗濯や掃除が難しい、という方は、家事代行サービスを利用しても良いですね。
多くのサービスを上手に使い分けるために
このように、見守りサービスには、家電やスマートフォンを利用した、人が直接介入しないものと、地域の民生委員や訪問介護といった、人的サービスを利用したものがあります。
見守りサービスは、どれか一つだけしか利用できないというものではありません。
日中はデイサービスに行ったり、訪問介護を利用したりして人の目による見守りサービスを受け、それ以外の時間は家電による見守りを続けるなど、上手に活用できるとよいですね。
なお、訪問介護サービスやデイサービスは、施設や地域により、要介護度によって受けられるサービスが違うことがあります。
詳しくは対応施設や地域包括センター、ケアマネージャーにご相談ください。
高齢者の見守りサービスのまとめ
高齢化が進む中、一人暮らしの高齢者の人口は今後も増加の一途をたどることが予想されています。
高齢の親御さんが一人暮らしになると、とても心配で、常にそばにいてあげられないことを歯がゆく感じられるかたも多いことでしょう。
しかし昨今のIT技術の進歩により、家電やスマートフォンを使っての見守りや、地域、民間の見守りサービスの充実など、私たちの周りには多くの見守り手段があります。
上手に活用して、高齢者の一人暮らしを見守り、元気に過ごしていただきたいものですね。
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