さやいんげんの栄養|疲労回復にも効果的

さやいんげんの栄養|疲労回復にも効果的
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さやいんげんはメイン料理の添え物や副菜に使用することが多い野菜ですが、たんぱく質やビタミンB群、ミネラルなどがバランス良く含まれている栄養満点な野菜です。さやいんげんの栄養を効率的にとるポイントや簡単レシピをご紹介します。

◆さやいんげんとは

独特の歯触りとほのかな甘みが美味しいさやいんげんは、中央アメリカ〜メキシコが原産で、若取りした豆をサヤごと食べる野菜です。日本に伝わったのは江戸時代で、中国の隠元禅師によって伝えられたことから「莢隠元」と名付けられたと言われています。

旬の時期は6月〜9月ごろですが栽培方法によって収穫時期をずらすことが可能で、1年に3度収穫できることから関西地方では「さんどまめ」とも呼ばれています。

さやいんげんは緑黄色野菜の一種で、β-カロテンやビタミンC、ビタミンEなど、抗酸化作用が高い栄養素が豊富。美肌作りや免疫力アップにも効果が期待できます。また、体内で作ることができないため食事から摂取する必要がある必須アミノ酸9種類が全て含まれています。

さらに、むくみ解消に効果的なカリウムや骨の健康維持に欠かせないカルシウムなどのミネラルもバランス良く含まれている栄養価に優れた野菜です。

◆さやいんげんの選び方

・鮮やかな緑色をしているもの
・皮にハリがあるもの
・まっすぐで細めのもの

購入後はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。3〜4日で使い切るのがおすすめです。冷凍保存する場合は、かためにゆでてしっかりと水分を切り、冷凍用の保存袋などに入れて冷凍しましょう。1ヶ月程度を目安に使い切るのがおすすめです。

◆さやいんげんのゆで方

さやいんげんのゆで方

筋なしのさやいんげんが多いですが、たまに筋がついているものもあります。試しに1本ヘタを手でポキッと折って筋の有無を確かめてみるのがおすすめです。筋がある場合はヘタを折り、端から筋を軽く引っ張って取り除いてから調理しましょう。

ゆでる際は、塩をまぶして板ずりをしてからゆでることで生毛が取れて色鮮やかに仕上がります。塩がついたまま熱湯に入れて2分ほどゆでたら冷水にとり、粗熱が取れたらザルにあげて水気を切ります。冷水にとることで色よく仕上がります。

やわらかいものは板ずりせずに塩ゆでにしても美味しく食べることができます。

◆さやいんげんの栄養とは

【さやいんげん(可食部100gあたり)】
エネルギー…23㎉
たんぱく質…1.8g
炭水化物…5.1g
カリウム…260㎎
カルシウム…48㎎
マグネシウム…23㎎
ビタミンA(β-カロテン当量)…590㎍
ビタミンK…60㎍
ビタミンB1…0.06㎎
ビタミンB2…0.11㎎
ビタミンC…8㎎
食物繊維総量…2.4g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

・生活習慣病予防にも効果的!β-カロテン

β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンで、粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、肌荒れ予防にも効果が期待できます。

ビタミンAに変換されなかったものは抗酸化物質として働き、動脈硬化やがんなどの生活習慣病の予防や老化防止に効果が期待できると言われています。

・糖質の代謝を助ける!ビタミンB1

ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復を助ける効果があります。また、脳と神経を正常に保つ働きもしています。水に溶けやすいので、煮汁も一緒にとれる料理にすると効率的に摂取できます。

・脂質の代謝をサポートする!ビタミンB2

ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるのに欠かせないビタミンです。脂質が新しい細胞を作る手助けをすることで、皮膚や粘膜などを健康に保つことができます。子どもや胎児の発育を助ける働きがあることから「成長ビタミン」とも呼ばれています。

・疲労回復に効果的!アスパラギン酸

アミノ酸の一種で、アスパラガスから発見されたため、アスパラギン酸という名前がつけられました。エネルギー代謝に関わっており、疲労回復やスタミナ増強に役立ちます。また、有害なアンモニアの排出を促す作用があり、中枢神経系を守る働きもあります。

・必須アミノ酸の一種!リジン

リジンは必須アミノ酸の一種です。体の成長を促す働きや組織の修復に必要な抗体やホルモンなどを作る材料にもなります。また、肝機能を高める働きに加え、肌や血管を丈夫に保つ働きもあります。

◆栄養を上手にとるコツ

さやいんげんの栄養を上手にとるコツ

・油と一緒に食べる

さやいんげんに豊富に含まれているβ-カロテンやビタミンKは油によく溶ける栄養素です。油と一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。油で炒めたり、ごま和えやくるみ和えにするなど、油を含む食材と一緒に食べると効率的に栄養素を摂取できます。

・たんぱく質、糖質などと一緒にバランスよく食べる

さやいんげんには糖質や脂質の代謝を助け疲労回復に効果的なビタミンB1やビタミンB2が豊富に含まれています。体のエネルギー源となるたんぱく質や糖質と一緒に食べることでエネルギー代謝が活発になり疲労回復効果が期待できます。

たんぱく質は肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などからバランスよく食べ、ご飯やパンなどエネルギー源になる食材も適度に摂取しましょう。

◆さやいんげんの簡単レシピ

さやいんげんのきんぴら

さやいんげんの食感が美味しいきんぴらです。油で炒めることで、β-カロテンやビタミンKの吸収率がアップします。

レシピ|さやいんげんのきんぴら

【材料(2人分)】
さやいんげん…8本
にんじん…20g
つきこんにゃく…50g
Aしょうゆ…小さじ2
Aみりん…小さじ2
A酒…小さじ2
白いりごま…小さじ1
ごま油…大さじ1/2

【作り方】
①さやいんげんはヘタを切り落とす。筋がついている場合は取り除いて、長さを3等分に切る。にんじんは4㎝長さの細切りにする。つきこんにゃくは熱湯でサッとゆでてザルにあげて水気を切る。【A】を混ぜ合わせておく。

【作り方】①

②フライパンにサラダ油を熱し、さやいんげんを加えて中弱火で炒める。油が回れば、にんじん、こんにゃくを順に加えて炒める。

【作り方】②

③具材に火が通れば、【A】を加えて中火で炒める。水分が少なくなれば、白いりごまを加えて混ぜ合わせる。

【作り方】③

このレシピを動画で見てみる

◆さやいんげんレシピのまとめ

ビタミンやミネラル、必須アミノ酸など、さまざまな栄養がバランスよく含まれているさやいんげん。栄養満点な野菜なので、主菜や副菜、スープとさまざまな料理に活用してみてはいかがでしょうか?

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この記事の作成者:松井さゆり(フードコーディネーター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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