昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど栄養満点な果物「柿」。ビタミンCやβカロテン、ポリフェノールに食物繊維など様々な栄養がギュッと詰まっており、二日酔いの予防や美肌効果も期待できます!柿の栄養とおすすめレシピをご紹介します。
目次
◆便秘解消にも期待できる柿について
柿の原産地は中国や日本などの東アジアで、その種類は1,000種類近くもあると言われています。日本では奈良時代から栽培されており、古くから日本人になじみのある果物です。柿は栄養価の高い果物で、様々な健康効果が期待できます。柿の渋みのもとであるタンニンはポリフェノールの一種で優れた抗酸化作用があり、老化防止や生活習慣病の予防に効果が期待できます。また、アルコールが分解する過程で発生するアセトアルデヒドを分解する働きがあり、二日酔いの予防にも効果が期待できると言われいます。また、ビタミンCも豊富に含まれているので、美肌効果や風邪予防にも効果が期待できます。
◆美味しい柿の見分け方と保存方法
・色が濃いもの
・皮にハリがあるもの
・皮にツヤがある
購入後はビニール袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
◆柿の栄養とは
【甘柿(可食部100gあたり)】
エネルギー…60㎉
水分…83.1g
たんぱく質…0.4g
炭水化物…15.9g
カリウム…170㎎
リン…14㎎
ビタミンA(β-カロテン当量)…420㎍
ビタミンB1…0.03㎎
ビタミンB2…0.02㎎
ナイアシン…0.3㎎
ビタミンB6…0.06㎎
ビタミンC…70㎎
食物繊維総量…1.6g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・ビタミンC
柿1個(200g)あたり140㎎のビタミンCが含まれています。成人1日の摂取推奨量は100㎎なので、柿を1個食べるだけで1日の推奨量を十分に摂取できる量です。ビタミンCはコラーゲンの合成にかかわるビタミンで、ストレスから体を守る働きをします。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があります。また、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症の治りをよくする効果があります。水溶性のビタミンで熱に弱い性質があるので、生で食べるとより効果的に摂取できます。
・ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンです。粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、肌荒れ予防にも効果が期待できます。さらに、強い抗酸化作用を持ち、アンチエイジングにも効果があると言われています。脂溶性のビタミンなので油と一緒にとることで吸収率がアップします。
・β-クリプトキサンチン
β-クリプトキサンチンはオレンジ色の色素でカロテノイドの一種です。体内で必要に応じてビタミンAに変わります。骨粗しょう症の予防や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果が期待できると言われています。
・タンニン
柿の渋み成分であるタンニンはポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果が期待できます。また、アルコールの分解作用があるので、二日酔いの防止にも効果が期待できると言われています。
・カリウム
カリウムは体の水分バランスを保ち、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があり、高血圧予防に効果が期待できます。また、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消にも効果があります。
・食物繊維
柿100gあたりには、水溶性食物繊維が0.2g、不溶性食物繊維が1.4g含まれています。不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の解消に役立ちます。また、有害物質を排出する効果もあります。水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。食物繊維は噛み応えがあるので満腹感を感じやすく、しかも低カロリーなので肥満予防にも効果的。糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
◆柿の栄養を上手にとるコツ
・美肌効果を期待するならたんぱく質と一緒に食べる
柿に豊富に含まれているビタミンCはコラーゲンの合成に関わるビタミンです。コラーゲン作るもとになるたんぱく質と一緒に摂取することで、さらに美肌効果が期待できます。鶏肉やツナ、生ハムなどのたんぱく源と一緒にサラダにしたり、白和えなどの和え物にするのもおすすめです。
・柿の葉茶で風邪予防
柿の葉にも風邪予防に効果が期待できるビタミンCが豊富に含まれており、その量はみかんの約30倍にもなります。柿の葉に含まれているビタミンCは加熱しても損失が少ないので、柿の葉茶で摂取するのがおすすめです。柿の葉にはその他にも抗酸化作用の強いタンニンや動脈硬化予防にも効果が期待できるケルセチンも含まれています。
・便秘解消には干し柿
水分が抜けて栄養がギュッと詰まっている干し柿には100gあたり14.0gと食物繊維が豊富に含まれています。生の甘柿1/2個(100g)に含まれる食物繊維は1.6gですが、干し柿1個(40g)を食べるだけで約5.6gもの食物繊維を摂取できます。腸内環境を整えたい方にはおすすめのおやつです。ただし、水分が抜けている分カロリーや糖質が高くなるので、食べ過ぎには注意しましょう。
◆レシピ|柿と生ハムのサラダ
柿の甘みと生ハムの塩気が相性抜群のサラダです。味付けはオリーブ油と岩塩、ブラックペッパーでシンプルに。ワインにもぴったりな一品です。
【材料(2人分)】
柿…1/2個
ベビーリーフ…30g
生ハム…40g
粉チーズ…小さじ1/2
岩塩…少々
ブラックペッパー…少々
オリーブ油…少々
【作り方】
①柿は皮をむいて約5㎜幅のくし形に切る。
②皿にベビーリーフ、柿、生ハムを盛りつけて粉チーズをふる。お好みで岩塩、ブラックペッパーをふり、オリーブ油を回しかければできあがり。
【ポイント】
・オリーブ油や岩塩の代わりにフレンチドレッシングをかけても美味しいです。
◆柿レシピのまとめ
ビタミンCや食物繊維、ポリフェノールなど様々な栄養が豊富に含まれている柿。風邪予防にも効果が期待できる栄養素が豊富なので、これからの季節にぜひ食べたいですね。そのまま食べるのはもちろん、サラダや和え物など料理にも活用して毎日の食事に取り入れてみてくださいね。
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