ブリの照り焼きやブリ大根、ブリしゃぶなど冬の食卓に欠かせない身近な魚「ブリ」。冬に旬を迎えるブリは美味しいだけでなく栄養も満点!ブリの栄養についてご紹介します。
目次
◆ぶりとはどんな魚?
ブリは成長すると1mほどの大きさになるマグロやカツオと同じ回遊魚の一種です。昔から年取り魚として伝統行事に使用されてきた日本人になじみの深い魚です。ブリは成長によって名前が変わる出世魚で、東日本、西日本で呼び名が異なります。また、その他にも地方によってさまざまな呼び名があります。
・東日本 ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
・西日本 ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
養殖物のブリもあることから1年中スーパーに並びますが、旬は12月~3月頃です。中でも12月~1月に漁獲される「寒ブリ」は身がしまり脂ものって特に美味しいとされています。さらに、ブリは栄養も満点で、良質なたんぱく質に加えて疲労回復効果が期待できるタウリンやビタミンB1、B2、E、Dなどが豊富に含まれています。
◆美味しいブリの見分け方
【切り身の場合】
・血合いの色が鮮やかな赤色をしているもの
・身に透明感があるもの
・ドリップが出ていないもの
【一尾の場合】
・目が澄んでいるもの
・全体にハリがあるもの
・黄色の縞模様が鮮やかなもの
・エラの内側が赤いもの
天然ものの切り身はピンクがかっており、養殖ものはよく脂がのっているので身が白っぽいという特徴もあります。養殖ものは脂たっぷりなので、程よく脂を落とす照り焼きやしゃぶしゃぶなどもおすすめです。料理によって選んでみるのもいいですね。
◆ブリに含まれる栄養
【ブリ(可食部100gあたり)】
エネルギー…257㎉
たんぱく質…21.4g
脂質…17.6g
カリウム…380㎎
カルシウム…5㎎
鉄…1.3㎎
ビタミンD…8.0㎍
ビタミンE…2.0㎎
ビタミンB1…0.23㎎
ビタミンB2…0.36㎎
ナイアシン当量…13.7㎎
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・血液をサラサラに!EPA(エイコサペンタエン酸)
魚油に多く含まれているn-3系脂肪酸の一種です。血液をサラサラにして、血栓の予防や高血圧の予防に効果があります。また、アレルギー症状の緩和などにも効果が期待できると言われています。
・脳の働きを良くする!DHA(ドコサヘキサエン酸)
こちらも魚油に多く含まれているn-3系脂肪酸の一種です。脳を活性化させて記憶力と知能指数を高める働きがあり、認知症の予防改善や動脈硬化の予防改善、脳の発達促進に効果が期待できます。
・糖質の代謝を助ける!ビタミンB1
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復を助ける効果があります。また、脳と神経を正常に保つ働きもしています。水に溶けやすいので、煮汁も一緒にとれる料理にすると効果的に摂取できます。
・脂質の代謝をサポートする!ビタミンB2
ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるのに欠かせないビタミンです。脂質が新しい細胞を作る手助けをすることで、皮膚や粘膜などを健康に保つことができます。子どもや胎児の発育を助ける働きがあることから「成長ビタミン」とも呼ばれています。
・カルシウムの吸収を助ける!ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸着を高める骨の健康に欠かせない栄養素です。魚介類の他にきのこ類にも多く含まれています。ビタミンDは食品から摂取する他に、日光に当たることで紫外線により皮下で合成されます。また、免疫力をアップする効果も期待できます。
・体の老化を防ぐ!ビタミンE
強い抗酸化作用を持ち、体の老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。
・肝機能を高める!タウリン
タウリンはアミノ酸の一種です。肝機能を高める効果や血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果、動脈硬化や心疾患の予防、視力の回復などに効果が期待できます。牡蠣やサザエ、イカやタコなどにも多く含まれています。水溶性の栄養素なので、煮汁も一緒に食べることができる料理にすると効率的に摂取できます。
◆ブリの栄養を上手にとるコツ
・刺身で食べる
血液サラサラ効果や脳内の情報伝達を助けるEPAやDHAは酸化しやすく、加熱すると流れ出てしまいます。刺身やカルパッチョなど生で食べると最も効率よく栄養素を摂取できます。
・煮汁も一緒に食べる
EPAやDHA、水溶性のビタミンなどの栄養素をムダなく摂取するには、煮汁も一緒に食べると効果的です。みそ汁に入れたり、トマト煮込みなどの煮込み料理にすれば煮汁ごと食べることができます。
・糖質や炭水化物を含む食材と一緒に食べる
ブリには糖質をエネルギーに変える為に必要なビタミンB1が豊富に含まれています。糖質や炭水化物と一緒に食べることで、糖質の代謝を促して効率よくエネルギーを作ることができます。
・カルシウムと一緒に食べる
ブリにはビタミンDも豊富に含まれているので、カルシウムと一緒に食べることでカルシウムの吸収率をアップすることができて、骨粗しょう症の予防にも効果が期待できます。カルシウムが豊富に含まれている牛乳やチーズなどの乳製品、青菜類や大豆製品と一緒に食べることがおすすめです。
◆レシピ|ブリの照り焼き
和食の定番「ブリの照り焼き」を美味しく作るポイントはふり塩をしてからしばらくおいて臭みをとること、たれをとろみがつく程度に煮詰めることです。
【材料(2人分)】
ブリ(切り身)…2切れ
塩…少々
薄力粉…適量
Aしょうゆ…大さじ1・1/2
A酒…大さじ1・1/2
Aみりん…大さじ1・1/2
A砂糖…小さじ2
サラダ油…大さじ1/2
【作り方】
①ブリに塩をふり約30分おく。キッチンペーパーで水気をふきとり、薄力粉を薄くまぶす。
②【A】を混ぜ合わせておく。
③フライパンにサラダ油を中火で熱し、①を皮目から焼く。焼き色がつけば上下を返し、少し火を弱めて更に焼く。
④だいたい火が通れば余分な油をキッチンペーパーでふき取って、②を加えて中火にする。スプーンでたれをブリにかけながらとろみがつくまで煮つめる。
【ポイント】
・ブリに塩をふりしばらくおくことで臭みをとることができます。
◆ブリレシピのまとめ
ブリは小骨も少なく子どもやシニア世代にも食べやすい魚。美味しいだけでなく、栄養も満点です!和食だけでなく洋食にもよく合うので、旬の美味しい時期に様々な調理法で味わってみてはいかがでしょうか?
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