ゆばは、良質なたんぱく質や鉄、亜鉛などのミネラル、大豆イソフラボンが豊富に含まれている栄養満点な食材です。ゆばの種類や栄養、簡単レシピについてご紹介します。
目次
◆湯葉は栄養豊富な食材
なめらかな食感と大豆の濃厚な味わいが特徴のゆばは、精進料理や懐石料理にも欠かせない食材です。ゆばは、古くから食べられている食材で、13世紀ごろに中国の禅僧によって日本へ伝えられたと言われています。
ゆばは大豆加工食品のひとつで、大豆と水で作った豆乳を加熱して表面にできた薄い膜を竹串や棒を使ってシート状にすくいあげたものです。
最初にすくいあげたものと最後にすくいあげたものでは味や風味が異なり、特に最初にすくいあげたものは最上級品とされています。
最初の方にすくいあげたゆばは薄く繊細な風味が特徴。何度もすくいあげることで豆乳の成分が変化していき、最後の方にすくいあげたゆばは濃厚な風味になります。
主に京都と日光で作られているものが有名で、京都のゆばは「湯葉」、日光のゆばは「湯波」と表記されます。
この2つは製法に違いがあります。湯葉は豆乳にできた膜を一重にすくいあげて作られていますが、湯波は豆乳にできた膜を二重にすくいあげて作られるのでボリュームがあることが特徴です。
ゆばは、クセがなく淡白な味わいなので、いろいろな材料と合わせやすく、刺身や煮物、サラダ、お吸い物、揚げ物などさまざまな料理に活用できます。
◆ゆばの種類について
ゆばには大きく分けて、「生ゆば」と「乾燥ゆば」があります。生ゆばは、豆乳にできた膜をシート状にすくいあげたもので、なめらかな口当たりが特徴です。刺身で食べたり、和え物にしても美味しく食べることができます。
「引き上げゆば」や「すくいゆば」「たぐりゆば」とも呼ばれます。
「汲み上げゆば」と呼ばれるものも生ゆばの一種ですが、これは豆乳の温度がまだ低いうちに箸でつまむようにして膜を集めたものです。トロトロとした食感が特徴で大豆の甘みや旨みを味わうことができます。
乾燥ゆばは引き上げゆばを乾燥させたもので、水戻しして使用します。程よい歯応えがあり、汁物や煮物、鍋などに活用できます。
シート状に乾燥させた「平ゆば」や平ゆばをロール状に巻いた「小巻ゆば」、平ゆばをロール状に巻いて揚げた「揚巻ゆば」など、さまざまな種類があります。
◆ゆばに含まれる栄養
原料の大豆は「畑の肉」と呼ばれているほど栄養価の高い食材で、良質な植物性たんぱく質やビタミンB群、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル、食物繊維も豊富に含まれています。
体に必要な栄養素のうち、ビタミンC以外の栄養素が含まれている栄養バランスに優れた食材です。
ゆばには大豆の栄養がぎゅっと濃縮されているので、良質なたんぱく質やミネラル、大豆イソフラボンなどを効率的に摂取できます。
【ゆば 生(可食部100gあたり)】
エネルギー…218㎉
たんぱく質…21.8g
脂質…13.7g
炭水化物…4.1g
カリウム…290㎎
カルシウム…90㎎
マグネシウム…80㎎
リン…250㎎
鉄…3.6㎎
亜鉛…2.2㎎
ビタミンK…22㎍
ビタミンB1…0.17㎎
ビタミンB2…0.09㎎
葉酸…25㎍
食物繊維総量…0.8g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・更年期障害を和らげる効果も!大豆イソフラボン
ポリフェノールの一種で、女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをすることから、ハリのある肌を作ったり、骨粗しょう症の予防に役立ちます。更年期以降の女性はエストロゲンの分泌量が大幅に減るため、女性は特に意識してとりたい栄養素です。
・動脈硬化予防に効果的!大豆サポニン
大豆の苦味やえぐみの成分でポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を抑え、動脈硬化予防に効果が期待できます。また、コレステロール値や中性脂肪を下げる働きもあります。
・貧血予防に効果的!鉄
鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。また、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。
・味覚を正常に保つ!亜鉛
亜鉛には細胞を作り成長を促す働きがあり、美しい肌や髪を保つためにも欠かせない栄養素です。また、インスリンや性ホルモンの合成にも関わっています。さらに、亜鉛は舌の表面の味蕾にある味を感じる細胞を作る働きがあり、不足すると味覚異常の原因になります。
・骨粗しょう症の予防に!カルシウム
骨や歯を作るのに欠かせないミネラルです。体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえ安定させるなどの効果もあります。カルシウムは吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンDと一緒にとることで吸収率がよくなります。
◆ゆばの栄養を上手にとるコツ
ゆばには亜鉛や鉄が豊富に含まれていますが、これらは体に吸収されにくい栄養素と言われています。ビタミンCと一緒に食べることで体内への吸収を高める効果が期待できます。
ゆばにはビタミンCは含まれていないので、ビタミンCが豊富なパプリカ、ブロッコリー、菜の花、じゃがいも、さつまいも、レモンなどと組み合わせて食べることがおすすめです。
また、生ゆば(100gあたり)には脂質が13.7g含まれています。他の大豆製品と比べてみると、木綿豆腐(100gあたり)4.9g、おから生(100gあたり)3.6g、豆乳(100gあたり)2.0gで、ゆばは脂質が多く含まれていることがわかります。
栄養満点な食材ですが、食べ過ぎには注意しましょう。
◆ゆばのおすすめレシピ
ゆばのお吸い物
生ゆばと三つ葉で作るシンプルなお吸い物です。だし汁はかつおと昆布の合わせだしがおすすめです。
【材料(2人分)】
生ゆば…60g
三つ葉…1/4束
だし汁…400ml
うすくちしょうゆ…小さじ2
塩…ひとつまみ
【作り方】
①生ゆばは約2㎝幅の棒状に切る。三つ葉は3㎝長さに切る。
②鍋にだし汁、うすくちしょうゆ、塩を入れて中火にかける。沸騰したら、生ゆば、三つ葉の順に加えてサッと煮る。温まればお椀に注ぐ。
【ポイント】
・乾燥ゆばでもお作りいただけます。
・お好みでしいたけなど、きのこを加えても美味しいです。
◆ゆばレシピのまとめ
大豆の栄養がギュッと凝縮されているゆばには、良質なたんぱく質や大豆イソフラボンが豊富に含まれています。煮物やお吸い物、サラダなど、いろいろな料理に加えて美味しくいただきましょう。
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