無漂白かんぴょうは戻し汁も使える!?

無漂白かんぴょうは戻し汁も使える!?
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かんぴょうとはどんな食材?

かんぴょうは、ウリ科の植物であるユウガオの果実をひも状に剥いて、乾燥させた食品です。漢字では「干瓢」や「乾瓢」と表記されます。

かんぴょうの歴史

かんぴょうの原料であるユウガオは、アジアやアフリカの熱帯地方が原産です。日本へは平安時代に中国から伝来したといわれていますが、詳細には諸説あり、はっきりとしていないようです。1712年、現在の滋賀県甲賀市である近江国水口藩から、現在の栃木県壬生町である下野国壬生藩に国替えとなった鳥居忠英公が、かんぴょうの種を水口藩から取り寄せて栽培を始めたといわれています。

かんぴょうの製造方法

現在流通しているかんぴょうの8割は中国などからの輸入品で、国産は2割です。国産かんぴょうの約98%が栃木県で生産されており、保水性が高く水はけのよい関東ローム層の土壌と、夏季に雷が多く午後に雨が降る気候が、かんぴょうの発育に適しています。かんぴょうの原料であるユウガオは白いきれいな花を咲かせ、果実は6月~8月下旬に7~8キロくらいに成長したものを収穫します。現在は専用の機械を使って表面からひも状に剥き、長さをそろえて竿にかけて、水分が5%程度になるまで乾燥させます。重さ7~8キロのユウガオからは、約150gのかんぴょうが作られます。かんぴょうには防虫・防カビのために二酸化硫黄で燻煙したもの(漂白かんぴょう)と、そうでないもの(無漂白かんぴょう)があります。本来のかんぴょうはあめ色をしていますが、二酸化硫黄で燻煙処理したかんぴょうは白くなります。

かんぴょうの戻し方

かんぴょうは水で戻してから使用しますが、防虫・防カビのために漂白したものと、無漂白のものでは、少し手順が違います。まずどちらのかんぴょうも、軽く水洗いしてから水に浸漬します。十分に水分を含んだら、漂白かんぴょうは戻し汁を捨て、塩を加えて優しくもみます。流水で塩を洗い流してからたっぷりのお湯でやわらかくなるまでゆで、ざるにあげて冷まします。無漂白かんぴょうは塩を加えずに軽くもみ、流水で洗ってから同じようにゆでます。無漂白のかんぴょうの戻し汁にはうまみが出ているので、調理に使うことができます。

ふくべ細工

栃木県には、ユウガオの実を乾燥させて作る「ふくべ細工」があります。もともと宇都宮地方で作られていた魔除けのお面を、ユウガオの実を使って作るようになったのが始まりのようで、明治から昭和の初めには魔除けのお面の他にも、ユウガオの実(ふくべ)の形を生かした炭入れや花器など、実用的に使われていました。現在では外皮が厚く、用途に合った大きさの果実を作るために、ふくべ細工用のユウガオが栽培されているそうです。

かんぴょうに含まれる栄養

食物繊維

かんぴょうには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があり、かんぴょうには特に不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維には腸内で水分を吸収して便の量を増やしたり、有害な物質を吸着して便として排出する効果があります。

カリウム

カリウムはナトリウムとお互いにバランスをとりながら、細胞の浸透圧を維持したり、心臓や筋肉の機能を調節する働きなどがあります。また、腎臓でナトリウムの再吸収を抑制し尿中へ排出する働きがあるため、血圧を下げる効果があります。

銅は体内でいろいろな酵素の構成成分として働きます。ヘモグロビンを合成するための酵素にも必要なので、鉄とともに貧血予防には欠かせないミネラルです。他にも免疫力を高めたり、動脈硬化の予防にも必要です。

薬膳の効果

体の余分な熱をとり、水分の代謝を促進します。ほてりや渇きを抑え、むくみを改善する効果があります。胃腸に冷えを感じるときには、食べ過ぎないようにしましょう。

かんぴょうのおすすめレシピ

かんぴょうは直射日光を避け、涼しい場所で保存しましょう。特に無漂白のかんぴょうは虫やカビが発生しやすいので、開封後は密封して冷蔵庫で保管しましょう。下処理したかんぴょうは冷凍保存ができます。使いやすい長さに切り、水分をよく絞ってから小分けにしてラップで包み、さらに冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。汁物の具や和え物、サラダなどにも利用できます。

【のり巻き】

のり巻き

【材料】(2本分)
・かんぴょう(乾燥)     20g
・水             150ml
・酒             大さじ2
・みりん           大さじ2
・砂糖            小さじ4
・しょう油          大さじ1
・卵             2個
・砂糖            大さじ1
・塩・顆粒和風だしの素    各少量
・ごま油           適量
・きゅうり          1本
・酢めし           400g
・白すりごま         適量
・板のり           2枚

【作り方】
1.かんぴょうは水洗いしてから、たっぷりの水に10分くらい浸けておきます。
2.戻し汁は捨て、かんぴょうを小さじ1(分量外)の塩でやさしくもみます。
3.塩を洗い流してよく絞ってから、適当な長さに切っておきます。今回は約20㎝くらいに切りそろえておきます。
4.鍋にお湯を沸かしてかんぴょうをゆでます。やわらかくなったらざるにあげ、よく絞っておきます。

作り方4

5.鍋に水、酒、みりん、砂糖、しょう油を入れて、よく絞ったかんぴょうを入れて煮ます。
6.かんぴょう全体に色がついて、煮汁がほとんどなくなるまで煮ます。

作り方6

7.卵を溶きほぐし、砂糖と塩、顆粒和風だしの素を入れて厚焼き卵を焼き、巻きやすい太さに切っておきます。
8.きゅうりは洗ってから両端を切り落として、縦に4つに割っておきます。
9.かんぴょうと厚焼き卵が冷めたら、のり巻きにします。巻きすの上にラップを敷き、板のりをのせます。
10.白いりごまを混ぜた酢めしを、のりの上に均等に広げます。
11.きゅうりと卵、かんぴょうを手前に並べます。

作り方11

12.手前から巻きすを持ち上げ、ラップの手前端を巻き込まないように向こう側に引っ張るようにして巻きます。
13.しっかりと巻けたら巻き終わりを下にして置き、少しおいてなじませます。
14.食べやすい大きさに切ります。切るときはラップごと切ると、崩れずに切ることができます。

作り方14

15.ラップを取り除き、お皿に盛り付けてできあがりです。

かんぴょうレシピのまとめ

かんぴょうはユウガオの果実をひも状に剥いて乾燥させた食品です。防虫・防カビのために、保存料を使用しているものは、水戻しのときに塩もみが必要です。下処理後に冷凍保存しておくと、汁物の具などにも手軽に利用できます。食物繊維を豊富に含むかんぴょうを、日常のお食事にも取り入れてみましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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