目次
ズッキーニとは
見た目はきゅうりに似ていて、加熱するとナスのような食感がありますが、ウリ科カボチャ属です。金糸瓜などと同じく、ペポカボチャの仲間です。
ズッキーニの歴史
原産地は北アメリカやメキシコで、16世紀ごろにヨーロッパで栽培が始まったといわれます。ヨーロッパでの歴史は長いのですが日本ではまだ新しい野菜で、1980年ころにアメリカから輸入され始めました。年々ズッキーニの消費量は増加しており、国内での生産量も伸びています。農林水産省の調査では、平成12年から平成24年の12年間で、国内生産量は4倍に増加しています。
花ズッキーニ
ズッキーニは花も食べることができます。ズッキーニの花は早朝に開花し、日が昇るとしぼんでしまうため、夜が明けきらないうちに収穫されます。ズッキーニには雄花と雌花があり、雌花には実がつきます。レストランなどで使われるのは花に小さな実がついた雌花のことが多いのですが、花だけの雄花も同じように食べることができます。
ズッキーニの種類
・ズッキーニ(緑・黄色)
見た目は太いきゅうりのような形ですが、きゅうりのようなイボはありません。色は緑、黄色、黒に近い緑色のものが一般的です。大きくなり過ぎると味が落ちるといわれ、未熟なうちに収穫します。
・ズッキーニ・ゼルダ・オリーブ
形や味は一般的なズッキーニと同様ですが、皮が白っぽい黄緑色のズッキーニです。
・ズッキーニ・ロマネスコ
イタリアでは古くから作られている伝統的な品種です。縦に通った隆起があり、輪切りにした時に特徴的な形になります。花ズッキーニとして収穫されることも多い種類です。
・丸ズッキーニ
直径5~15㎝くらいの丸い形のズッキーニで、見た目は小型のかぼちゃのようです。皮の色は濃い緑や黄色、メロンのような白っぽい緑色など、いろいろあります。細長いズッキーニと同じように調理できます。
・UFOズッキーニ
やや平たい円盤型の形から、UFOズッキーニと呼ばれます。白、黄色、オレンジ、緑の他、部分的に緑と黄色が入っているカラフルなものもあります。一般的なズッキーニと同じように調理できますが、熟すと種が硬くなってきます。熟して種が硬くなったものは、かぼちゃのように種の部分をくりぬいて食べることができます。
ラタトゥイユには必須の野菜
ラタトゥイユは南フランスのプロヴァンス地方の料理で、野菜をニンニクとオリーブオイルで炒めてから、トマトを加えて煮込んだ料理です。ラタトゥイユにはいろいろな野菜が使われますが、トマトとズッキーニは欠かせません。できたての温かいうちに食べるのもおいしいですが、冷蔵庫で冷たく冷やして食べてもおいしい料理です。
ククルビタシン
ククルビタシンはウリ科の植物に含まれる苦味の成分で、ズッキーニにも含まれています。少量であれば悪影響はありませんが、多量に摂取すると食中毒の原因となることがあります。市販されているズッキーニは、食用として害がないように品種改良されているので問題はありませんが、家庭菜園で栽培されたものでは、ごくまれにククルビタシンを多く含むことがあります。食べたときに苦味が強い場合は、食べるのを止めましょう。
ズッキーニの栄養
約95%が水分で、100gあたり14Kcalと低カロリーな野菜です。
βカロテン
βカロテンは色素の一種で、体内でビタミンAに変わります。皮膚や粘膜の細胞の働きを正常に保ち、免疫力を高める働きもあるといわれます。視機能を正常に保つためにも必要な栄養素です。
カリウム
カリウムは、ナトリウムとともに細胞の浸透圧を調整する働きがあります。ズッキーニは水分も多く含むため、汗と一緒に多くのカリウムが流出することが原因となる熱中症の予防や、こむら返り・筋肉のけいれん予防にも役立ちます。
ビタミンC
ビタミンCは別名アスコルビン酸と呼ばれる水溶性ビタミンです。体内で作ることができずためておくこともできないため、毎日摂取しなければなりません。ビタミンCはコラーゲンを作るために欠かせない栄養素であり、抗酸化作用が高いことから、アンチエイジングの効果も期待できます。鉄分の吸収を助ける働きもあるので、貧血の予防にも欠かせない栄養素です。
薬膳の効果
体内の余分な熱をとり、水分の調整をする働きがあると考えられています。口やのどの渇きを改善したり、むくみを予防するなどの効果があります。
ズッキーニのレシピ
皮につやがあり、太さが均一で太すぎず、重みを感じるものを選びましょう。ヘタの切り口がみずみずしいものが新鮮です。切り口が乾燥していたり、変色しているものは鮮度が落ちている可能性があります。
一般的には加熱して食べることが多いのですが、生で食べることもできます。また和食の食材として使用しても、おいしく食べることができます。
【ズッキーニの揚げ浸し】
【材料】(2~3人分)
・ズッキーニ 2本
・オリーブオイル 大さじ1
・めんつゆ(3倍濃縮) 100ml
・水 200ml
・かつお節 2~3g
【作り方】
1.ズッキーニは両端を切り落とし、洗ってから食べやすい長さ(1/2~1/3くらい)に切り、縦に半分に切ります。ズッキーニが太い場合は、縦に1/3に切ります。
2.鍋にめんつゆと水を入れて火にかけ、煮立ったらかつお節を入れて火を止めます。
3.フライパンにオリーブオイルを入れて火をつけ、ズッキーニを並べます。ズッキーニに水気が残っているとはねるので、水気はよく拭いておきましょう。
4.ズッキーニの両面をこんがりと焼き目がつくまで焼き、焼けたそばからめんつゆに浸けます。
5.20~30分おいて、味が浸みたらできあがりです。
※めんつゆは商品によって濃縮倍率が異なります。薄める目安は「めんのつけつゆ」程度ですが、お好みで調整してください。
※冷蔵庫で冷やしてもおいしく食べることができますが、長く漬け込むと味が濃くなることがあります。
【ズッキーニの漬物】
【材料】(作りやすい分量)
・ズッキーニ 2本
・プレーンヨーグルト 250g
・みそ 100g
【作り方】
1.保存容器にプレーンヨーグルトとみそを入れ、よく混ぜておきます。
2.ズッキーニは洗って両端を切り落とし、縞に皮をむきます。
3.縦に半分に切り、保存容器に合わせた長さに切ります。
4.ヨーグルトの漬け床の中に埋め、冷蔵庫で1~2日漬け込んでできあがりです。
※みそはどのような種類でも大丈夫ですが、塩分が異なるため、お好みで調節してください。
まとめ
ズッキーニは水分とカリウムを含み、夏の暑い時季には、熱中症予防のためにも積極的に摂りたい野菜のひとつです。クセがなくいろいろな食品と相性が良いので、ラタトゥイユ以外の食べ方にも挑戦してみましょう。
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