目次
マヨネーズとは
マヨネーズは食用植物油と酢、卵などを材料とした半固体状のドレッシングです。卵は卵黄だけを使用するものと全卵を使用するものがあります。
マヨネーズの歴史
マヨネーズの発祥にはいくつかの説があります。そのひとつには七年戦争中の1756年に、スペインのメノルカ島にある港町マオンをフランス軍が陥落させたとき、勝利の祝宴の席で食べたソースを気に入ったリシュリュー公爵が、パリにもどってから「マオンのソース」として紹介したことがマヨネーズの始まりという説があります。
1806年に出版された「帝国料理の本」に初めて「マヨネーズ」の言葉が登場しますが、この本にはマヨネーズの作り方は書かれていません。1822年に改訂された「王国料理の本」には現在のマヨネーズに近い作り方が紹介されています。
日本では1925年に、アメリカで缶詰の勉強をしていた中島董一郎が日本人の体格向上を願って、当時の輸入品のマヨネーズの2倍の卵黄を使って栄養価の高いマヨネーズを作ろうと考えて製造を始めました。現在日本は世界的にみてもマヨネーズの消費量が多い国のひとつであり、日本人のマヨネーズの使い方には欧米とは違った特徴があるといわれます。
欧米では主にサラダのドレッシングやソースとして利用されていますが、日本人はその他にもごはんやトースト、ピザや麺などの主食にもマヨネーズを利用するようになり、どのような食材にも合うような味に作られるようになりました。
マヨネーズの種類
マヨネーズはドレッシングの半固体状ドレッシングに分類されます。マヨネーズはドレッシングの日本農林規格によって定義されており、マヨネーズ以外の半固体状ドレッシングとは区別されています。
・マヨネーズ
日本農林規格において「半固体状ドレッシングのうち、卵黄または全卵を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)及び香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであって、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上ものをいう。」と定義されています。
簡単にまとめると、卵黄または全卵と必須原材料、塩、砂糖類などの食品表示基準で使用できる原材料などが決められており、食用植物油の重量割合が65%のものがマヨネーズです。
・マヨネーズタイプ
マヨネーズタイプと呼ばれる商品は、マヨネーズの定義にあてはまらない、サラダクリーミードレッシングやそのほかの半固体状ドレッシングに分類されるものです。
マヨネーズの乳化の効果
マヨネーズに含まれる植物油と酢が乳化されていることによって、料理の食感やおいしさをアップさせる効果があります。
ハンバーグや厚焼き玉子にマヨネーズを加えると、やわらかく、ふんわりとジューシーに仕上がります。チャーハンも油の代わりにマヨネーズを使って炒めると、乳化された植物油がごはんの粒をコーティングして、パラパラのチャーハンを作ることができます。さらにプリン液にマヨネーズを加えると、加熱によってタンパク質が過度に結合するのを防ぎ、しっとりとなめらかなプリンに仕上がります。
マヨネーズの栄養
脂質
マヨネーズの材料には植物油が使われています。植物油の種類によって脂肪酸の組成に特徴はありますが、植物油には不飽和脂肪酸であるリノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸などの脂肪酸が含まれます。このうちリノール酸とα-リノレン酸は体内で合成できないため、食品から摂る必要のある必須脂肪酸です。
特にα-リノレン酸は体内に入ったあと代謝されて、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)になります。動脈硬化や血栓の生成を予防し、血圧の調整やLDLコレステロール値を下げるなどの効果があるといわれています。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化ビタミンであり、細胞を酸化から守る働きがあります。また血液循環を促進したり、アンチエイジングの効果も期待できます。
ビタミンK
ビタミンKは出血時に血液を固めて止血する、血液凝固因子を活性化する働きがあります。また骨にあるタンパク質を活性化して、骨の形成を促進する働きもあり、骨粗しょう症の予防効果や、血管の健康維持にも必要です。
薬膳の効果
マヨネーズの材料である卵のうち特に卵黄は、体に不足している体液や血液を補い、体を潤す効果があります。栄養価が高いので虚弱体質の人や発熱時などに適している食材です。また養血安胎作用があり安産にもよい食材です。不眠や精神不安定のほか、咳や声がれにも効果があるといわれます。酢には食欲を増進し消化を促したり、解毒作用があります。
マヨネーズのレシピ
開封前のマヨネーズは、直射日光の当たらない冷暗所に保管しておきましょう。マヨネーズは0℃以下では分離する可能性があります。開封後は冷蔵庫で保存し、1か月以内に使い切るようにしましょう。冷蔵庫のドアポケットは冷気が直接あたらないので、冷えすぎずに保管できます。
自家製のマヨネーズは日持ちしません。食べきれない場合は煮沸消毒したビンや清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫に保存して数日中に食べきるようにしましょう。
【和風タルタルソース】
【材料】(作りやすい分量)
・卵 1個
・酢 大さじ2
・マスタード 小さじ1
・塩 小さじ1/2
・砂糖 小さじ1/2
・サラダ油 150~200ml
・玉ねぎ 1/2個
・ゆで卵 1個
・しば漬け 大さじ1(20gくらい)
・こしょう 適量
【作り方】
1.卵は冷蔵庫から出して室温にもどしておきます。
2.卵と酢をミキサーに入れ、撹拌します。
3.サラダ油50mlをミキサーに入れ撹拌します。
4.サラダ油50mlを入れて撹拌します。
5.塩と砂糖、マスタードを加え、サラダ油25mlを加えて撹拌します。よく混ざったら残りの25mlを入れてよく撹拌します。マヨネーズが緩い場合は、少量ずつ追加して調節してください。今回は30ml追加し、合計180mlのサラダ油を使いました。
6.玉ねぎはみじん切りにして耐熱のボールに入れ、砂糖ひとつまみ(分量外)を混ぜてから、ラップをかけずに500Wの電子レンジで1分加熱します。
7.全体を混ぜてから、500Wの電子レンジでさらに1分加熱します。水分が多く残っているときはさらに1分加熱し、冷ましておきます。
8.しば漬けはみじん切りにしておきます。ゆで卵はフォークでつぶしておきます。
9.マヨネーズに玉ねぎ、ゆで卵、しば漬けを混ぜて、タルタルソースのできあがりです。
※ 今回はサーモンフライにかけました。
※ しば漬けの代わりに、きゅうりのしょう油漬けやつぼ漬けなどでも大丈夫です。漬物の種類やお好みによって、塩の量を調節してください。
マヨネーズレシピのまとめ
マヨネーズは卵と酢、食用植物油を主原料に作られています。調味料として利用するだけではなく、マヨネーズの乳化の効果によってさまざまな調理効果が得られます。いろいろな使い方を試してみましょう。
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