目次
バームクーヘンとは
バームクーヘンは、卵、バター、小麦粉、砂糖などを混ぜた生地を、芯となる棒に薄く塗りつけて回転させながら焼くことで、断面が層状になっている焼き菓子です。
「バウムクーヘン」とも表記されます。
バームクーヘンの意味
ドイツ語の「Baumkuchen」からきています。
「baum」は樹木、「kuchen」は焼き菓子やケーキを意味しており、輪切りにしたときの層になった模様が木の年輪のように見えることからこの名前があります。
バームクーヘンの歴史
ドイツでバームクーヘンが生まれたのは1800年代といわれています。
ドイツ北部のザルツヴェーデルという町で生まれ、ザルツヴェーデルはバームクーヘン発祥の町とされています。
日本にバームクーヘンが伝わったのは1900年代の初め、ドイツ出身の菓子職人カール・ユーハイム氏がバームクーヘンを焼いたのが最初といわれています。
カール氏は1908年、当時ドイツの租借地であった中国の青島で喫茶店を譲り受けて営んでいましたが、第一次世界大戦の勃発によって、カール氏は日本に連行されました。
その後1919年に広島で行われたドイツ物産展示会にバームクーヘンを出品し、日本に紹介しました。
そこで好評だったことからカール氏は横浜で店を開きましたが、開店直後に関東大震災によって店が消失してしまい、神戸に移転しました。
展示会にはバームクーヘンではなく「ピラミッドケーキ」という名前で出品したのですが、1960年代に入ってからドイツの呼び名に合わせて「バームクーヘン」に変えたそうです。
ドイツのバームクーヘン
ドイツでバームクーヘンは高級菓子のひとつで贈り物などに使われることが多く、現在の日本のようにいつでも食べることができるお菓子ではありません。
ドイツでは国立菓子協会によってバームクーヘンの定義が定められており、油脂はバターを使いベーキングパウダーは使用しないなどの決まりがあり、それらを満たしたものだけがバームクーヘンとして認められます。
またバームクーヘンを焼くためには、専用のオーブンを使って高度な技術と経験が必要とされるため、限られた菓子職人だけが作ることができる特別なお菓子として扱われています。
ドイツでは現在も昔ながらのレシピと製法を忠実に守って作られていて、日本のやわらかいふわふわとした食感のバームクーヘンとは異なり、ずっしりとした食べ応えのあるお菓子です。
横に薄くそぎ切りにすることで口当たりがやわらかくなり、生クリームを添えて食べるのがドイツ風です。
日本でバームクーヘンが引き出物などに使われる理由
断面の層が樹木の年輪のように見えることから、「幾重にも年輪を重ねる大樹のように、末永く夫婦関係が続くように」という願いを込めて結婚式の引き出物として使われるようになりました。
断面の美しさに加えて比較的日持ちが長いことや、崩れにくく持ち運びがしやすいこと、家庭でも切り分けやすいことなども、引き出物に多く使われる理由となっています。
またバームクーヘンは生地を層に重ねながら焼いて太くしていくことから、「繁栄」「成長」「年を重ねる」の意味で、初節句や七五三、成人式などの内祝いや、敬老のお祝いにも送られるようになっています。
バームクーヘンのレシピ
1回に流し入れる生地の量は少なめにして薄く焼き、焼き色をしっかりとつけながら巻くときれいな層ができます。
小麦粉の一部(10~20gくらい)をココアや抹茶に置き換えると、ココア味や抹茶味のバームクーヘンも作ることができます。
【バームクーヘン】
【材料】(約12㎝を1本分)
・薄力粉 100g
・ベーキングパウダー 小さじ1
・卵 1個
・砂糖 50g
・はちみつ 20g
・牛乳 100ml
・サラダ油 10g
・バニラオイル 適量
・塩 少量
・サラダ油(焼き油) 適量
【作り方】
1.ラップの芯などをフライパンの幅に合わせて切り、アルミホイルを巻き付けます。表面にサラダ油(分量外)を薄く塗っておきます。
2.薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるっておきます。
3.ボウルに卵を割り入れて溶きほぐします。
4.砂糖とはちみつを加えてよく混ぜます。
5.牛乳を入れてよく混ぜ、2.でふるっておいた粉類を加えます。全体になめらかになったらバニラオイルを加えて生地のできあがりです。
6.フライパンにサラダ油を入れて火をつけます。
7.フライパンが温まったら、フライパンに生地を入れ、縦方向に長方形に生地を広げます。
8.表面にフツフツと泡が出てきたら、2.の芯を生地の上に置いて転がし、生地を巻きつけるようにします。
9.全体に焼き色がついたらフライパンの端に戻し、生地を流し入れて巻きつける作業を繰り返します。
10.生地がなくなるまで繰り返して焼き、芯を抜いたらできあがりです。
※ラップの芯などを切るときは、刃物でケガをしないように注意して切りましょう。
※焼いていくうちにバームクーヘンが太くなってくると、生地が1周巻ききれなくなることがあります。巻き始めの位置をずらしながら焼くと、均等な円になります。
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【バームクーヘンの栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。
エネルギー:221Kcal
タンパク質:4.5g
脂質:5.9g
糖質:36.1g
レチノール活性当量:36㎍
ビタミンD:0.7㎍
ビタミンB1:0.05㎎
ビタミンB2:0.09㎎
ビタミンB6:0.03㎎
ビタミンB12:0.2㎍
ビタミンC:0㎎
カルシウム:39㎎
鉄:0.3㎎
亜鉛:0.3㎎
食塩相当量:0.2g
バームクーヘンのまとめ
バームクーヘンはドイツ発祥の焼き菓子です。
本場ドイツのバームクーヘンは、材料や作り方に厳格な定義があり、日常的に食べるお菓子ではなく高級菓子として扱われています。
現在日本で一般的なバームクーヘンはふわふわとした食感ですが、ドイツのバームクーヘンはずっしりとした食感で、薄くスライスして食べるのが一般的です。
日本では層になった切り口を樹の年輪に見立て、末永い幸せを祈る意味で結婚式の引き出物としても多く利用されているお菓子のひとつです。
焼き菓子として特別な材料は使われていませんが、バームクーヘンは比較的カロリーの高いお菓子のひとつです。
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