仙人も食べる 松の実の効果

仙人も食べる 松の実の効果
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松の実について

松の実はマツ科マツ属の植物の種子の胚乳の部分で、一般的に松ぼっくりと呼ばれる球果の中に入っています。食用に適するのは大型の種子を形成するマツ類で、世界中でおよそ20種類のマツから食用できる松の実が採取できます。

松の実は古くから人類の食料として利用されており、アジアやヨーロッパ、中東、北米大陸など世界各地で食用とされています。中国では古くから「仙人の食べ物」といわれるほど、小さな粒に豊富な栄養素が含まれています。

松の実の歴史

松の実は聖書にも記述があり、約2000年前に書かれた中国の書物には「七月に松の実をとり、木皮を除いてつき、卵大に丸めたものを、日に三回、酒とともに食べると、百日で病は治り、三百日で一日に五百里歩けるようになり、もっと長く服用すると仙人にさえなる。」と記されているそうです。

江戸時代に著された「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」には、「日本にはアカマツやクロマツ、ゴヨウマツは古くから庭園に多く植えられていたようですが、これらの種子は可食部が小さく、食用に適したチョウセンゴヨウやハイマツは高山帯に分布しており、韓国より移栽したものは平地に植えても実らないが、実として輸入したものは流通している」という内容が記されています。

松の実の種類

食用できる松の実が採れるのは、大型の種子を形成する種類です。古くから日本でも庭木として身近なクロマツやアカマツの種子は小さく、食用には向きません。

・イタリアカサマツ

地中海沿岸の南ヨーロッパやイスラエル、レバノン、シリアが原産です球果は卵型で、長さ8~15㎝です。およそ6000年以上前から食用として栽培されてきました。

・チョウセンゴヨウ

中国東北部、朝鮮半島の山地に分布するゴヨウマツの仲間です。日本でも本州の一部や四国の一部にみられます。球果は15~16㎝程度で日本のマツの中では最も大きく、粘性のヤニがついています。

・チルゴザマツ

パキスタン、アフガニスタン東部の北西ヒマラヤに自生しています。

・ピニョンマツ

北米南西部に分布しており、インディアンが食用にしていたといわれています。

・アメリカヒトツバマツ

北アメリカ原産の葉が単一の松です。

・メキシコマツ

北米西岸に原生する希少なマツです。球果は堅く長さ12㎝前後で、鱗片が厚く重みがあります。

松の実に含まれるピノレン酸の効果

松の実に豊富に含まれるピノレン酸は、必須脂肪酸であるγリノレン酸の異性体であり、食欲を抑制するホルモンであるコレシストキニン(CCK)の分泌を促進する作用があるといわれています。

また肝臓のLDLコレステロールの取り込みを促進し、LDLコレステロールを低下させる効果も期待できます。抗炎症作用や血流を改善する作用もあるため、アレルギー症状の緩和にも有効であるといわれています。

松の実に含まれる栄養

脂質

脂質は1gあたり9Kcalであり、糖質やタンパク質よりも効率のよいエネルギー源といえます。細胞膜やホルモンの材料としても重要であり、体温を維持したり内臓を保護する働きもあります。

松の実にはオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が含まれています。これらの脂肪酸には動脈硬化や血栓を予防し、血圧を下げたり、LDLコレステロールを低下させる作用があります。

ビタミンE

ビタミンEの持つ抗酸化作用によって体内の脂質の酸化を防ぎ、体を守る働きがあります。

また、血行を改善する効果によって新陳代謝が高まり、皮膚のターンオーバーを適切に整えることで肌の健康を維持し、血色をよくする効果があります。

ビタミンB1

糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要なビタミンです。ビタミンB1が不足すると速やかに糖質をエネルギーに変えることができなくなるため、疲れがたまったり、疲れが回復しにくいと感じることがあります。

また、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンでもあり、不足すると肌荒れの原因となることがあります。

赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分で、酸素を全身に運ぶ役割があります。

不足すると鉄欠乏性貧血の原因となるだけではなく、思考力や記憶力、運動能力にも悪影響を及ぼすことがあります。

亜鉛

亜鉛は体内で作り出すことができないため、食品から摂る必要があります。ホルモンの合成や分泌を調整したり、DNAやタンパク質の合成、免疫反応を調整する働きがあります。

銅はヘモグロビンを作るための鉄を必要な場所まで運ぶ働きがあります。このため銅が不足していると、鉄が充足していても貧血となることがあります。

また体内の数多くの酵素となって活性酸素を除去したり、骨の形成を助ける働きもあります。

薬膳の効果

松の実は体内の乾燥を潤す作用があり、海松子(カイショウシ)と呼ばれる生薬としても利用されます。空咳や便秘に効果があり、滋養強壮効果が高くアンチエイジングに有効です。

また皮膚や髪、爪などに潤いを与えて健康に保つ効果があります。

松の実のおすすめレシピ

松の実はそのまま食べることができますが、フライパンでから炒りすると香ばしくなります。保管状態がよくないと、脂質が酸化して傷みやすくなります。

商品を開封後は密閉容器に入れて冷蔵庫で保管し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。すぐに使い切れないときは冷凍保存ができます。冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、平らにした状態で冷凍しましょう。

【松の実入りブラウニー】

【松の実入りブラウニー】

【材料】(18㎝スクエア型1台分)

・チョコレート         150g
・無塩バター          100g
・卵              2個
・砂糖             50g
・薄力粉            50g
・ココア            5g
・ベーキングパウダー      4g
・ラム酒            大さじ2
・塩              ひとつまみ
・松の実            40g

【作り方】

1.松の実はフライパンでから炒りしておきます。

作り方①

作り方①

2.清潔で水分のついていない耐熱性のボールに、バターと小さく砕いたチョコレートを入れて溶かします。湯煎、または500Wの電子レンジに1分かけて溶かします。水分が入ったり、温度が上がり過ぎるとチョコレートがボソボソになることがあるので、状態をみながらゆっくりと溶かしてください。

作り方②

作り方②

3.ボールに卵を割り入れ、砂糖を加えて混ぜます。やや白っぽくなるまで混ぜます。

4.3.に2.で溶かしたバターとチョコレートを入れて混ぜます。

作り方④

5.薄力粉、ココア、ベーキングパウダーを合わせてふるい、4.に加えて、ゴムベラで切るように混ぜます。

作り方⑤

6.ラム酒、塩、松の実を加えて混ぜます。

作り方⑥

7.オーブンシートを敷いた型に流し入れ、170℃に予熱したオーブンで35~40分焼きます。

作り方⑦

8.焼きあがったら方から外して網の上で冷まし、あら熱がとれたら切り分けて冷蔵庫で冷やして食べましょう。

作り方⑧

※焼き上がってすぐはソフトな食感です。冷蔵庫で冷やすとザックリとした食感になります。

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松の実レシピのまとめ

松の実は世界各地で古くから食用とされていますが、食用にできる松の実が採れるのは、松の中でも限られた種類です。ビタミンやミネラルを豊富に含み、松の実に特有のピノレン酸には多くの健康効果や美容効果が期待されています。

ビタミンやミネラルは体内にためておくことができないものも多く、毎日の食事から摂ることが理想的です。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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