どんな効果があるの?バリエーション豊富な野菜スープ

どんな効果があるの?バリエーション豊富な野菜スープ
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日本の野菜スープの定義

野菜スープは、葉野菜、根菜、きのこ類などを主な具材として作る汁物です。副材料として肉や魚、豆類や海藻類、穀類やパスタなど、いろいろなものを加えて作ることもあります。

食材を煮る汁も、水やお湯のほかにだし汁や牛乳を使うなど、多彩なバリエーションがあり、煮汁と具材を一緒にミキサーにかけて作るとろみのある野菜スープもあります。

日本ではとろみのついたスープを指して「ポタージュ」と呼ぶことがありますが、ポタージュはフランス語で、必ずしもとろみのあるスープを指すわけではありません。

スープ(soup)、ストック(stock)、ブロス(broth)の違い

英単語としての使い分けにはさまざまな意見もあるようですが、大まかには、スープは料理名、ストックとブロスはだし汁のイメージととらえることができます。

ストックは主に肉や骨からとるだし汁、ブロスは肉や魚、野菜などからとるだし汁で、それらに食材を加えて煮たもの、または水やお湯で食材を煮たものがスープという料理になります。

例えばみそ汁は、野菜などの具材をだし汁で煮てみそで味をつけたスープの一種であり、英語では「miso soup」表現されます。

ハーバード大学式野菜スープ

ハーバード大学医学部の元準教授である医師が勧めているスープで、健康を維持・増進する効果があるといわれています。

「体力が落ちて、食欲がなくなったがんの患者さんが無理なく食べられて、がんによい食事は何か?」と試行錯誤を重ねたことで完成したスープです。

ファイトケミカル

ハーバード大学式野菜スープには「ファイトケミカル」が豊富に含まれているといわれています。ファイトケミカルとは、植物が紫外線や害虫などの外敵から身を守るために作り出す天然の機能性成分のことです。

その種類は数千にも及ぶといわれており、植物の色素や香り成分、苦味や渋み、辛味などの成分であり、ポリフェノールと呼ばれているものも含まれます。

ファイトケミカルは体の構成成分になったりエネルギー源となる栄養素とは異なり、抗酸化作用によって病気の予防や改善に役立つ物質と考えられています。

デザイナーズフード

1990年、アメリカの国立がん研究所(NCI)は、がんの予防に効果のある40種類の植物性食品をリストアップしました。これらの植物性食品を「デザイナーズフード」と呼びます。

ハーバード大学式野菜スープに使われる野菜は、デザイナーズフードの中でも重要な食品として評価されているキャベツ、ニンジン、タマネギ、カボチャか使われています。

ハーバード大学式野菜スープの作用

ハーバード大学式野菜スープには次のような9つの作用があると考えられています。

1: 活性酸素を除去する抗酸化作用
2: 体の毒を解毒するデトックス作用
3: 免疫力を高める作用
4: アレルギーや炎症を抑える作用
5: 血液をサラサラにし、動脈硬化を予防する作用
6: 血圧を下げる作用
7: 肥満を改善し、糖尿病や脂質異常症を改善する作用
8: 胃腸の調子を整える作用
9: 発がんを抑制する作用

ハーバード大学式野菜スープの作り方

ふたができる鍋に水1ℓを入れ、ひと口大に切ったキャベツ、ニンジン、タマネギ、カボチャ(それぞれ100gずつ)を入れて煮ます。ふたをして沸騰するまでは強火で、沸騰後は弱火にして20分ほど煮てできあがりです。

吹きこぼれないように注意しましょう。効果的な作り方にはいくつかのポイントがあります。

・ニンジン、カボチャは皮をむかない

野菜の多くは皮に近い部分に栄養素や有効成分が多く含まれています。

・アクを取らない

アクの成分の中には、ポリフェノール類が含まれています。

・味付けをしない(塩分を加えない)

食べにくい場合は、こしょうやハーブ類、カレー粉などのスパイスを入れましょう。

野菜スープは食事の最初に食べることが勧められています。空腹時に摂ることでファイトケミカルの吸収がよくなり、食事による血糖値の上昇も抑制されます。また、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。

栄養豊富な野菜スープのレシピ

ハーバード式野菜スープでは、材料となる食材が決められていますが、それ以外の野菜にもさまざまな栄養素やポリフェノール類などの有効成分が含まれています。

特に旬の野菜には栄養素も機能性成分も豊富と考えられます。具材の組み合わせやスープの味付けなどは自由に、お好みの野菜スープを作ってみましょう。

【ズッキーニとナスとオクラの野菜スープ】

ズッキーニとナスとオクラの野菜スープ

【材料】(3~4人分)
・ささみ       1本(80gくらい)
・ズッキーニ     1/2本
・なす        1本
・オクラ       5~6本
・しいたけ      3~4個
・鶏がらスープの素  小さじ1
・塩         小さじ1/4
・こしょう      適量

【作り方】
1.鍋に水800mlを入れて火をつけます。

2.沸騰したら酒大さじ2(分量外)と、長ねぎの青い部分(分量外、なくても可)を入れて火を弱め、ささみを入れてゆでます。

スープに使用するささみは1本程度ですが、通常2~3本で売られていることが多いので一緒にゆでておき、スープに使わなかった残りの分は、サンドイッチやサラダ、チャーハンなど他の料理に利用しましょう。

ささみを入れたらあまりグラグラと煮立てず、沸騰を保つくらいの火加減に調節して、ささみの中心に火が通るまでゆでます。

作り方②

3.中心まで火が通ったら、火を止めてそのまま冷まします。

4.冷めたらささみを取り出し、食べやすく割いておきます。

作り方④

5.オクラは塩をまぶして軽くこすり、水で洗います。ヘタのかたい部分はむいておきます。

6.オクラの水分を拭きとり、オーブントースターか魚焼きグリルで焼いておきます。

作り方⑥

7.ズッキーニは洗ってヘタを切り落とし、1㎝弱の輪切りにします。なすはヘタを切り落とし、縦半分に切ってから1㎝弱の半月切りにします。しいたけは食べやすい大きさのそぎ切りにします。

作り方⑦

8.ささみのゆで汁にズッキーニとなす、しいたけを入れて火をつけます。

9.野菜に火が通ったら、割いておいたささみと、焼いたオクラを斜め半分に切って入れます。

作り方⑨

10.ささみとオクラが温まったら、塩とこしょうで味を整えてできあがりです。

野菜スープレシピのまとめ

野菜スープは野菜類を主な具材として作るスープです。

植物性の食品にはファイトケミカルと呼ばれる健康の維持・増進に役立つ機能性成分が含まれており、野菜スープにすることでファイトケミカルが効率よく摂取できます。

旬の野菜を使って、いろいろな野菜スープを作ってみましょう。

旬の野菜は味も良く、栄養素も豊富に含まれているうえ、価格も下がっていることが多いので、季節ごとにたっぷり食べたい食材です。

野菜の摂取目標は1日300gといわれていますが、平成30年の国民健康・栄養調査では平均で30gが不足しているという結果が出ています。特に20~30代の若い世代では野菜の摂取が少なく、意識的に摂ることが勧められています。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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