本州以西のスーパーマーケットでも比較的入手しやすくなったラム肉。
実は女性には特にうれしい栄養成分を豊富に含んでいます。
今回はラム肉に含まれる栄養や健康効果、また、ラム肉は臭いがちょっと…と敬遠される方にもおいしく召し上がっていただけるレシピをご紹介します。
こちらのコラムもおススメですよ。
→【ラム肉でダイエット!羊肉の栄養と健康効果】
目次
ラム肉とはどんな肉?
ラム肉とは、羊肉のなかでも生後約1年以内の羊の肉のことを指します。
特に、まだ離乳していない子羊はミルクラムと呼び、マトンとは生後1年以上経ったものをさしています。
北海道を除き、豚肉や鶏肉のように簡単に入手できるわけではないですが、最近は大手スーパーマーケットなどでの取り扱いも増えてきました。
入手しやすい部位は以下の通りです。
ラムチョップ
上記写真のように、肋骨がついたラム肉のことで、肋骨1本ごとに分けてあります。10本程度の骨と肉がまとまってついているものはラムラックと呼ばれます。
ラム肉で最も人気がある部位で、見栄えがするので家庭や飲食店で利用されるほか、バーベキューなどでの需要も高いです。
肩肉
柔らかく、適度に脂がのっている肩肉は、薄切りなら炒め物やジンギスカン、塊の場合は煮込み料理に向いています。
日本において、全国的にラムが広く食べられるようになったのは20年ほど前からで、国内産の羊肉は、ほぼ北海道で飼育、生産されています。
私たちが一般に入手しやすいのは、オーストラリアやニュージーランドからの輸入品となります。
中医薬膳学では、疲労を回復し、母乳の出をよくするといわれています。また、体を温める効果に優れていて、冷え性の改善には特に効果的だとされています。
寒さが厳しい内モンゴル地方で多く飼育されているのも、このような理由があるのかもしれませんね。
ダイエットに効果的!ラム肉に含まれる栄養価と健康効果
脂肪を燃焼してダイエットや疲労回復する【L-カルニチン】
L-カルニチンは体内で脂肪を燃焼してエネルギーを効率的に生成する効果があります。
エネルギー代謝に必須の物質で、体内でも生成されていますが、加齢とともにその量は減少し、食品からの摂取が必要になります。
疲労回復や冷え性の緩和、さらにはダイエットにも効果があるといわれています。
肌を健やかに保つ【たんぱく質】
ラム肉には、100gあたり20gのタンパク質が含まれています。
タンパク質は私たちの皮膚や筋肉のほか、血管、内臓、免疫細胞など、いたるところに含まれている成分で、毎日作り替えられています。
不足すると肌荒れや免疫力の低下がみられることがあるため、日々適度に摂取しておくことが大切です。
貧血や動悸を予防する【鉄】
鉄は成人の体内に3~4グラム存在しています。そのうち約70%は血液の中のヘモグロビンに含まれ、体の隅々まで酸素を運ぶ役割を担っています。
鉄分が不足すると、体の隅々まで酸素が行き渡らなくなるため、貧血を起こしやすくなります。
また、心臓は酸素を体の隅々までいきわたらせるために、多くの血液を送り出さなければいけません。
そのため、動機や息切れが多くなります。残り25%は肝臓に貯蔵されていて、必要に応じて放出されています。
鉄分を効率よく吸収するために、野菜や果物などビタミンCを豊富に含む食材を一緒に食べるとよいでしょう。
味覚を正常に保つ【亜鉛】
亜鉛は新陳代謝を担う多くの酵素を作る成分となり、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。
また、舌の上にある、味を感じる「味蕾(みらい)」という細胞の代謝を促進する効果があります。
そのため、亜鉛不足になると味覚障害を起こしてしまうことが知られています。
ビタミンB6
ビタミンB6は食材に含まれるたんぱく質からエネルギーを生産したり、皮膚、筋肉や血液を生成したりすることにかかわっています。
そのため、不足すると口内炎、湿疹ができたり、貧血を起こしてしまったりすることがあります。
ナイアシン
ナイアシンは水溶性のビタミンB群の一つです。
糖質、たんぱく質や脂質からエネルギーを産出する働きを促し、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
ナイアシンが不足すると食欲不振、消化不良や皮膚がうろこ状になる皮膚炎、認知症などを引き起こすことがあります。
ビタミンB12
ビタミンB12は、体内のさまざまな組織の代謝を助ける働きがあります。
不足すると血液を新しく作ることが困難になり、巨赤芽球性貧血を引き起こしたり、手足のしびれ、刺すような痛みを伴う神経障害を引き起こしたり、体力が落ち、疲れやすくなったりします。
ラム肉のおすすめレシピ
ラムチョップの香草パン粉焼き
見栄えがするラムチョップは、お客様をお迎えする時にも、記念日のご馳走にもおすすめです。
今回はとても簡単に作ることができて、ハーブの香りで特有のにおいも抑えられる、香草パン粉焼きをご紹介します。
【材料】2人分
・ラムチョップ…2本
・塩、こしょう…適宜
・イタリアンパセリ、ローズマリー…各適宜(※1)
・パン粉…1/2カップ
・にんにく…1かけ
・オリーブオイル…大さじ3
≪フレッシュトマトソース≫
・トマト…中1個
・イタリアンパセリ…2枝程度
・砂糖・酢…各適宜
【作り方】
①ラム肉に塩、こしょうを少し多めに振り、味をなじませます。(夏以外は焼く10~20分前くらいに味をつけ、室温にもどしておきます。)
②にんにくは皮をむいて半分に切って芽を取り、みじん切りに、イタリアンパセリはみじん切り、ローズマリーは葉のみをみじん切りにし、パン粉と混ぜ合わせておきます。
③①のラム肉の表面に水分がにじんでいればふき取り、②の香草パン粉をしっかりと押し付けます。
④フライパンにオリーブオイルを熱し、③の両面を色よく焼きます。(※2)
≪フレッシュトマトソース≫
①トマトは角切り、イタリアンパセリは粗みじん切りにします。
②①のトマト、イタリアンパセリに塩を加えてよく混ぜ、砂糖、酢で味を整えます。
③焼きあがったラムチョップを皿に盛り、トマトソースを添えます。
(※1)ラム肉には、イタリアンパセリ、ローズマリーのほか、タイム、ミントがよく合います。
ラム肉を頻繁に食べるイギリスやアイルランドでは、ラムローストにはミントソースを添えるのが定番です。
(※2)ラム肉は本来柔らかいものですが、焼きすぎるとどうしても固くなってしまいます。
「ラムはローズ色に仕上げる」と言います。できればしっかりと余熱をつけた厚手のフライパンで焼き、押してみて軽く弾力がある程度に焼き上げたら火を止め、アルミホイルで包むか蓋をして数分休ませてあげると、余熱で中心まで柔らかく火が通ります。
ラム肉レシピのまとめ
日本ではようやく入手しやすくなってきたラム肉。
世界的にみると、マトンをも含む羊肉は、実は世界で最も多く消費されている肉類だといわれています。
羊は最も古くから飼育されている家畜の一つであり、宗教上の制約を受けない動物であることも理由ではないかと言われています。
私たちの体にもうれしい成分を多く含むラム肉は、脂肪燃焼効果が高いにも関わらず、低脂肪高たんぱくの食品です。ぜひおいしく味わってくださいね。
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