目次
カニカマとはどんな食材?
カニカマは「カニ風味かまぼこ」を略した呼び方で、味や形、色などをカニの身に似せて作ったかまぼこです。
カニカマの原料
カニカマの主原料はカニではなく魚のすり身です。淡白な味で臭みの少ない、白身魚のスケトウダラやイトヨリ、エソなどが利用されています。
これらの魚のすり身にカニエキス、塩、でんぷん、卵白などを加えて作った魚肉練り製品がカニカマで、もっとも大きな特徴であるカニの風味はカニエキスによるものです。
カニエキスはカニから抽出した成分に食塩などを加えたもので、エビ・カニなど甲殻類にアレルギーのある方は注意が必要なことがあります。
カニカマの歴史
カニカマ誕生の歴史には諸説あるようですが、そのうちのひとつは、株式会社スギヨが作った「かにあし」という商品が最初といわれています。
もともとちくわ製造の会社であったスギヨが人工クラゲの開発の過程で偶然的にできたものが、口当たりがカニの身にそっくりだったことから、1972年にカニ風味かまぼこ「かにあし」を販売しました。
「かにあし」はカニの身をほぐしたような形状であったことから、当初は「刻んだかまぼこなんか売れない」といわれましたが、市場に出回ると話題となり、たちまち人気商品となりました。
海外のカニカマ
現在カニカマは、日本国内だけではなく、アメリカやヨーロッパなど海外でも一般的な食材となっています。
「Crab stick(クラブスティック)」や「SURIMI(スリミ)」などと呼ばれており、日本と同じくスーパーなどで手軽に購入できる地域も増えているようです。
天然のカニは世界中で資源が減少しており価格も上がっていることから、本物のカニの代用として利用されるほか、和食や寿司の人気によっても需要が増大しています。
原料が白身魚なので低カロリーで高タンパク質な食材であること、さらに資源が枯渇するリスクの低い魚種を利用していることから、水産資源の保護や地球環境の保全の観点からも注目されています。
カニカマの栄養
カニカマは、調理しなくても手軽にそのまま食べることができてタンパク質が摂れることから、高齢者のフレイル予防に役立つ食品として注目されています。
口の中でもほぐれやすく、義歯でも比較的食べやすい食品といえます。ただし塩分を多く含むので、食べ過ぎには注意が必要です。
・タンパク質
タンパク質は人の臓器や筋肉、皮膚、髪など体を構成する重要な成分です。
免疫やホルモンなど、体を外敵から守ったり機能を調整するためにも必要であり、エネルギー源としても利用できます。
カニカマの主な原料であるスケトウダラなど白身魚のタンパク質は良質のタンパク質であり、筋肉を増加させる効果があるという研究結果もあります。
・ビタミンD
ビタミンDは脂溶性のビタミンで、カルシウムの吸収を促進して、骨への沈着を助ける働きがあります。さらに血液中のカルシウム濃度を一定に保つ役割もあります。
・ビタミンE
強い抗酸化作用を持つビタミンで、活性酸素から体を守る働きがあります。
また毛細血管を拡張し、過酸化脂質を分解することで血液の粘度を適正に保つので、血行を促進して末梢血管の血行障害の改善に有効です。
・ビタミンB12
赤血球のヘモグロビンの合成に必要なビタミンで、不足すると貧血の原因となることがあります。
また末梢神経の傷を修復したり、眼精疲労の回復にも役立ちます。
玉ねぎとはどんな食材?
玉ねぎは江戸時代に日本に伝わったといわれており、本格的な栽培が始まったのは明治時代以降と、比較的新しい野菜のひとつといえます。
和食、洋食、中華と、いろいろな料理に欠かせない野菜で市場にも通年で出まわっている身近な野菜です。
玉ねぎの栄養
・ビタミンB6
タンパク質や脂質の代謝にかかわっています。肝臓に脂質が蓄積するのを防ぐ効果が期待できるため、脂肪肝の治療に利用されることもあります。
・アリシン
玉ねぎの香りの成分のひとつです。
ビタミンB1と結びついてビタミンB1の効果を持続させる働きがあるため、糖質の代謝を促してエネルギーを生み出し、疲労回復を助ける効果が期待できます。
また血糖値の上昇を抑制したり、血流を正常に保つことで血栓を予防する効果も期待されています。
アリシンは水溶性で加熱に弱いため、生で食べる方がアリシンを効率よく摂取できるといわれています。
・ケルセチン
玉ねぎに含まれるケルセチンは血管の柔軟性を保ち、血流を正常に維持する効果があります。
その効果によって動脈硬化や血圧の上昇抑制、血糖値や血中コレステロールの抑制などの効果が期待されています。
カニカマと玉ねぎのサラダのレシピ
スーパーなどには、いろいろな種類のカニカマが並んでいます。
形状もスティック状やカニの身に似せたものなどがあり、色やほぐれやすさも商品によって異なるので、料理の種類によって使い分けることができます。
魚肉練り製品は比較的塩分を多く含み、食べたときに感じる塩気も商品によって異なるので、調味料は味をみながら調節するようにしましょう。
【カニカマと玉ねぎのサラダ】
【材料】(3~4人分)
・カニカマ 60g
・玉ねぎ 小さめ1個(150gくらい)
・万能ねぎ 20g
・砂糖 小さじ1/2
・マヨネーズ 大さじ2
・しょう油 小さじ1/2
・塩 適量
・こしょう 適量
【作り方】
1.カニカマは、大きめにほぐしておきます。
2.玉ねぎは皮をむいて洗ってから半分に切って、繊維に沿ってスライスします。
3.万能ねぎは小口切りにしておきます。
4.ボールにスライスした玉ねぎを入れて、砂糖を加えてよく混ぜ、少しおいておきます。
5.玉ねぎから水分が出ていたら水気を軽くしぼり、カニカマと万能ねぎを加え、マヨネーズ、しょう油を入れて和えます。
6.味をみて、塩とこしょうで味をととのえてできあがりです。
※かつお節や刻みのり、七味唐辛子などをトッピングしてもおいしいです。
※トーストにはさんで、サンドイッチにしてもおいしいですよ。
【カニカマと玉ねぎのサラダの栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。
エネルギー:97Kcal
タンパク質:3.2g
脂質:6.5g
糖質:6.0g
レチノール活性当量:18㎍
ビタミンD:0.2㎍
ビタミンB1:0.03㎎
ビタミンB2:0.03㎎
ビタミンB6:0.08㎎
ビタミンB12:0.1㎍
ビタミンC:6㎎
カルシウム:39㎎
鉄:0.3㎎
亜鉛:0.2㎎
食塩相当量:1.1g
カニカマと玉ねぎレシピのまとめ
カニカマはスケトウダラなど白身魚のすり身を使った魚肉練り製品です。カニエキスを加えることでカニの風味が生まれています。
良質のタンパク質を豊富に含み、ほぐれやすいので子どもや高齢者にも食べやすく、手軽にタンパク質が摂れる食品として注目されています。
また現在は海外でも一般的な食品となっており、カニの代用として利用されたり、和食の食材として人気が高まっています。
タンパク質は体を構成する栄養素として重要ですが、摂食嚥下機能が低下した高齢者の方にとっては、肉や魚が食べにくいこともあります。
カニカマはほぐれやすく、調理しなくても手軽に食べられることで、高齢者の方のフレイル予防に役立てることができます。
ただし比較的塩分を多く含むので、食べ過ぎには注意しましょう。
調味料の塩分は気にしても、加工食品の塩分は見落としがちで、気づかずに塩分を多く摂取していることもあります。
【まごころケア食】のお弁当は栄養士が監修しており、エネルギーや塩分が調整されたお弁当もあるので、お気軽にお問い合わせください。
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