そら豆の栄養と効果|一番美味しい食べ方は?

そら豆の栄養と効果|一番美味しい食べ方は?
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そら豆とはどんな食材?

マメ科ソラマメ属の一年草、または越年草で、主にさやの中にある豆を食用とします。豆果(とうか)と呼ばれるさやの部分が上方に向かって伸びるため、「空豆」の名前がついたといわれます。

そら豆の歴史

そら豆の原産地ははっきりとわかっていませんが、西アジアから地中海沿岸、北アフリカにかけてと考えられています。豆類の中では最も栽培の歴史が古いともいわれており、エジプトではおよそ4000年前から栽培されていたと考えられています。

日本に伝わったのは奈良時代、中国から来たインドの僧によって伝えられたという説があります。

「多識編(たしきへん)」(1631年)という書物には「蚕豆」の記録があるため、江戸時代には伝来していたと考えられています。明治時代になると欧米から大粒の品種が導入され、消費も拡大していきました。

そら豆の種類

・そら豆

濃い緑色のさやの中に黄緑色の豆が2~4個入っています。

一般的には「一寸そら豆」と呼ばれる系統の品種が流通しており、長さ15㎝前後のさやに、3㎝(一寸)くらいの豆が入っています。中の豆は白い綿状のものに包まれた状態で並んでいます。

この白い綿状の部分は栄養を蓄えていて、必要に応じて豆に栄養を送っています。この部分も食べることができます。

・初姫(ハツヒメ)

さやは緑色で、中の豆は小豆のような赤い色のそら豆です。

ひとつのさやの中に3粒入りのものが多く、豆の大きさは一般的なそら豆と同じくらいです。甘みとコクがあるおいしい品種で、薄皮もやわらかいので食べることができますが、ゆでると色は抜けてしまいます。

・ヨーロッパのそら豆

フランス語では「フェーブ」、イタリアでは「ファーべ」と呼びます。日本のそら豆と比べてさやが細長く、ひとつのさやに5~6個の豆が入っています。新鮮なものは生で食べることもできます。

・そらまめ豆苗

そら豆の芽です。通常の大豆の豆苗と同様に、根と豆がついた状態でパックに入って販売されています。

ポリフェノール類が豊富で、鮮度が落ちると根や茎の部分が黒く変色しやすいので、全体に緑色がきれいなものが新鮮です。生でも食べられますが、茎が太いので、加熱した方が食べやすくなります。

そら豆の下処理方法

そら豆はさやから出した後、薄皮をむく下処理が必要です。生のうちにむく方法と、ゆでてからむく方法をご紹介します。

・生のうちに薄皮をむく方法

生のうちに薄皮をむくと加熱調理の時に崩れにくく、そら豆の形が残りやすくなります。

1.そら豆をさやから出し、黒い筋の数ミリ下に包丁で真横に切り目を入れます。

2.切れ目から黒い筋に向かって持ち上げるようにむきます。

・ゆでてから薄皮をむく方法

塩味をつけるときは、水1ℓに対して20gくらいの塩を入れてゆでましょう。

1.そら豆をさやから出し、黒い部分と反対側に、豆に沿って包丁で浅く切り込みを入れます。

2.鍋に湯を沸かして、2~3分ゆでます。

3.食べてみてゆで加減を確認し、ざるにあけます。

4.切り込みと反対側をつまむと、つるっと皮がむけます。

そら豆に含まれる栄養

タンパク質

食品から摂ったタンパク質は、消化の過程でアミノ酸に分解されて全身に運ばれ、筋肉や内臓、皮膚、頭髪、骨などを作ります。またホルモンや酵素、免疫機能など、生命を維持するために必要な機能において、重要な役割があります。

そら豆は豆類の中でも比較的タンパク質を多く含んでいます。そら豆のアミノ酸スコアは76と植物性食品の中では高い値で、必須アミノ酸をバランスよく摂ることができます。

肉や魚などの動物性タンパク質を含む食品と比較すると脂質やコレステロールが少なく、エネルギー量も低く抑えられます。

ビタミンB1

糖質を代謝してエネルギーを産生するために必要です。糖質やアルコールを多く摂る人、運動量の多い人は積極的に摂りたいビタミンのひとつです。

ビタミンB6

主にタンパク質の代謝に必要なビタミンです。

免疫機能の働きを正常に保ったり、皮膚の抵抗力を高めるためにも必要です。また、ビタミンB6は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの代謝にかかわっており、ホルモンバランスを整える働きがあります。月経前症候群(PMS)や妊娠中のつわりを軽減するという研究結果があります。

葉酸

ビタミンB12とともに赤血球をつくるために必要です。DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進するため、胎児の正常な発達には特に重要な栄養素といわれています。

マグネシウム

骨の成長や維持に重要な働きがあります。カルシウムとかかわりながら筋収縮を制御したり、血圧を下げたり、血小板の凝集を抑えて血栓を作りにくくする働きがあります。

赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの構成成分となって、体内にとり込まれた酸素を全身に酸素を運ぶ重要な役割があります。

鉄の不足によって鉄欠乏性貧血を引きおこすと、全身に十分な酸素がいきわたらなくなり、運動能力や学習能力にも悪影響を及ぼす可能性があります。

亜鉛

ホルモンの合成や分泌の調整、DNAの合成、タンパク質の合成、免疫機能の調整などにかかわっており、体の成長や維持に必要です。

また、味覚にかかわる細胞を作るために必要であり、亜鉛の不足によって味覚障害を引き起こすことがあります。

薬膳の効果

弱っている脾の働きを高め、食欲不振や倦怠感、むくみの改善に効果があります。また胃の働きを補い、息切れやめまいなどの改善にも有効です。

そら豆のおすすめレシピ

さやは変色がなくきれいな緑色で、均一に膨らんでいて弾力があるものを選びましょう。うぶ毛がついているものは新鮮です。

豆をさやから出すと風味が落ちるので、さやつきを購入し、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

日持ちはしないので、購入したらすぐに食べることをお勧めします。すぐに食べない場合は、冷凍することができます。

さやごと冷凍用の保存袋に入れて冷凍するか、さやから出して豆だけを冷凍用の保存袋に入れて冷凍することもできます。または、かためにゆでて薄皮をむいて冷凍することもできます。

【そら豆のガーリック炒め】

【そら豆のガーリック炒め】

【材料】(2~3人分)

・そら豆      200g(20さやくらい)
・バナメイエビ   160g
・にんにく     2かけ
・オリーブオイル  小さじ1
・塩        適量
・こしょう     適量

 

【作り方】

1.そら豆はさやから取り出し、下処理をしてうす皮をむいておきます。

2.バナメイエビは殻をむいて洗います。水分を拭きとってから、背中に包丁で切れ目を入れて、背ワタをとり除いておきます。

作り方②

3.みじん切りにしたにんにくをフライパンに入れて火をつけます。弱火で加熱し、にんにくの香りがしてきたらエビを入れます。

4.エビが赤くなってきたらそら豆を入れ炒め合わせます。エビに完全に火が通ったら、塩とこしょうで味をととのえてできあがりです。

作り方④

そら豆レシピのまとめ

そら豆は、古くから世界中で食用とされている3㎝ほどの大きな豆で、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。日持ちがしないので、さやつきのものを購入するのをお勧めします。

さやごと冷凍したり、下処理をしてから冷凍することもできるので、旬の時期に購入して冷凍しておくと、長く楽しめます。

旬の食材はおいしいだけではなく、栄養価も高くなっていると考えられます。

【まごころケア食】のお弁当は食材にもこだわり、味はもちろん、彩など見た目の満足感も十分です。

ひとり分のお食事で多くの食材を使うことは家庭では効率が悪く、食材を無駄にしてしまう原因にもなりますが、【まごころケア食】は冷凍のお弁当なので、電子レンジで温めるだけです。

冷凍庫に常備しておけば、単身世帯や食事療法のために家族と同じ食事が摂れない場合など、いろいろな使い方ができます。ぜひご利用ください。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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