昆布は食物繊維とミネラルの宝庫

昆布は食物繊維とミネラルの宝庫
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

うまみ成分がたっぷり含まれ、和食には欠かせないだしが取れる昆布。だし取り以外でも佃煮や煮物、昆布巻き、おでんなどにして食べられるほか、とろろ昆布や昆布茶などの加工品としても親しまれています。普段の生活に溶け込んでいるためその効能を意識しない方も多いかもしれませんが、昆布には牛乳の6~7倍というカルシウムの他、豊富な栄養素が含まれています。今回は、そんな昆布の栄養価や、だしを取った後の昆布を使った簡単レシピをご紹介します。

昆布とは?

昆布とは、コンブ目コンブ科に属する何種類かの海藻のことを指します。日本では古くから利用されてきているためはっきりとした歴史は明らかになっていませんが、奈良時代の史料『正倉院文書』や『続日本紀』には、すでに「昆布」という文字が残されていました。平安時代中期の法典『延喜式』では、陸奥国から天皇に昆布が献上されたことが記録されています。
昆布が広範に用いられるようになったのは、舟が盛んに行き交うようになった鎌倉時代以降。江戸時代には北海道の開発に伴い昆布そのものの生産量が増え、昆布ロードと呼ばれる航路を利用した舟での交通もさらに盛んになり、全国各地に広まっていきました。
現代では、食用として流通している昆布の9割以上が北海道産。一部青森県や岩手県、宮城県でも生産されています。採れる場所によってさまざまな種類があり、函館沿岸で採れる「真昆布」や、知床半島の羅臼沿岸で採れる「羅臼昆布」、利尻・礼文・稚内沿岸で採れる「利尻昆布」、日高沿岸で採れ三石昆布とも呼ばれる「日高昆布」などが代表的。今も昔も私たちの生活に欠かせない食品の一つです。

昆布の栄養素は?

昆布は、いわば食物繊維とミネラルの宝庫。しかしそれ以外にも、私たちの健康に欠かせないさまざまな栄養が含まれています。

食物繊維

昆布には、水に溶けやすい性質をもつ食物繊維「アルギン酸」「フコイダン」が多く含まれています。その量は、真昆布の場合100gあたり30g程度(日本食品標準成分表2015年版)。煮出した時などに現れるねばねばの正体で、コレステロール値・血糖値を抑制するはたらきや整腸作用などがあるとされています。動脈硬化予防にも効果的です。

カルシウム

昆布には、牛乳の6~7倍ほどのカルシウムが含まれています。カルシウムは人間の体にあるミネラルの中で最も多くを占め、骨や歯の形成、血中カルシウム濃度の維持などに欠かせません。血液や筋肉、細胞の正常なはたらきを助け、不足すると骨粗鬆症や高血圧、動脈硬化などを引き起こします。

鉄分

鉄分は、私たちの血液中を流れる赤血球に含まれる、ヘモグロビンの一部を構成しています。ヘモグロビンは酸素と結合して体中に運ぶはたらきがあり、不足すると酸素不足のために貧血状態を引き起こし、めまいや頭痛を伴うこともあります。月経や妊娠・出産により、女性はより多くの鉄分を必要とします。

ヨウ素

ヨウ素は甲状腺ホルモンの主成分です。甲状腺ホルモンは糖質や脂質などの代謝を活発にするはたらきがあり、成長期の子どもに対しては成長を促してくれます。過剰に摂取すると甲状腺の機能を低下させてしまうため、毎日たくさん食べることは避けましょう。

フコキサンチン

フコキサンチンは、昆布に含まれるカロテノイド色素。優れた抗酸化力があり、アンチエイジングや心臓血管系の病気の予防に役立ってくれます。また血糖値の上昇や脂肪の蓄積を抑制するはたらきもあり、糖尿病・メタボリックシンドローム予防、ダイエットにも効果的です。

簡単!昆布だしの取り方

昆布だしの取り方には、数時間~一晩水につけておくだけの「水出し」と、火にかけてじっくりうまみ成分を抽出する「煮出し」があります。今回は「煮出し」をご紹介します。ポイントさえ押さえれば難しくはないので、気軽に挑戦してみてください。
まず、昆布は水に対して1パーセントくらいの量を用意します。例えば500mlのだしを作りたい場合は、5gの昆布を使ってください。

昆布だしの取り方①

火にかける前は30分ほど水につけておき、弱火~中火でゆっくりと沸騰直前の状態まで温めます。沸騰までできるだけ時間をかけることで、より濃厚なだしの味わいを引き出すことができます。ただし、ぐつぐつと煮てしまうとうまみ以外のえぐみなどが出てきてしまうため、沸騰し始める前に昆布を取り出します。これで昆布だしの完成です。

昆布だしの取り方②

出来上がった昆布だしは、冷蔵庫で3~5日ほどは持ちますが、できるだけ早く召し上がってください。

昆布のおすすめレシピ

【昆布とカニカマのマヨ和え】

だしを取った後の昆布には、まだ多くの栄養が残されています。昆布本来の栄養素を余すところなく取り込むため、だしをとった後の昆布も積極的に活用したいものですよね。佃煮や煮物、塩昆布などにしてもおいしくいただけますが、今回は一品料理としても楽しめる「昆布とカニカマのマヨ和え」をご紹介します。

【材料】
・だしをとった後の昆布 1枚
・カニカマ 2~3本
・マヨネーズ 大さじ1杯
・白だし 小さじ1杯
・わさび または 柚子胡椒 少々
・かつお節 少々

① 昆布は食べやすいように、程よい長さの細切りにします。

作り方①

② カニカマは繊維に沿って割き、一口大にちぎっておきます。

作り方②

③ 材料をすべて混ぜ合わせます。

作り方③

④ 盛付け、かつお節を乗せてて完成です。

作り方④

昆布レシピのまとめ

昆布は、古くから「喜ぶ」との語呂合わせで「よろこんぶ」とも言われ、お祝い事に欠かせない縁起物とされてきました。心だけでなく体も喜ぶ豊富な栄養が含まれており、健康を維持するのみならず、心臓血管の病気や生活習慣病の予防にも役立ってくれます。常備菜としても一品料理としても楽しめるので、工夫を楽しみながら毎日の食卓にプラスしてみてはいかがでしょうか。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の提供元:シルバーライフ

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