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魚肉ソーセージとはどんな食材?
魚肉ソーセージは魚肉練り製品の一種で、魚肉のすり身をケーシングに入れて加熱・滅菌したソーセージ状の加工食品です。フィッシュソーセージとも呼ばれます。
魚肉ソーセージの歴史
魚肉ソーセージは日本で生まれた食品です。
大正初期から日本各地の水産試験場で、魚肉を使用したハム・ソーセージ様の製品が試作され始めました。1935年(昭和10年)、当時の農林水産省水産講習所の教授であった清水亘博士が、マグロを原料としたツナハムを製造し、試作販売をしたのが魚肉ソーセージの原型といわれています。
第二次世界大戦後、昭和水産工業株式会社がツナハムの製造を再開、続いて西南開発株式会社がアジを使った魚肉ソーセージを製造販売しました。
1954年(昭和29年)ビキニ環礁で行われた原爆実験の風評被害によってマグロの価格が下落し、コストの低減となったことから、マグロを原料とした魚肉ソーセージが作られるようになりました。原料価格が下がったとはいえ、当時の魚肉ソーセージ1本の値段は卵1個の約3倍、庶民には高価な食べ物であったといえます。
1960年代(昭和30年代後半)になると、原料に白身魚のすり身が使われるようになっていきます。クセがなく、加工に適した冷凍タラが使われ始め、魚肉ソーセージの生産・消費ともに一気に拡大していくのと並行して、マグロやアジ、クジラなどが原料の魚肉ソーセージは、姿を消していきました。
1974年(昭和49年)防腐剤、殺菌剤などの食品添加物が禁止されたことで、製造方法が大幅に変更されます。高温高圧殺菌、レトルト殺菌など製法の開発や包装素材の進歩によって、食品添加物を使用せず、常温での保存が可能となり、現在へと続いています。
魚肉ソーセージの種類
魚肉ソーセージは大きく2種類に分類できます。
・普通魚肉ソーセージ
魚肉のすり身または魚肉のひき肉に、調味料や香辛料などで調味し、でんぷんや植物性タンパク質などの結着材料、食用油脂などを加えて練り合わせ、ケーシングに充填して加熱したものです。
・特種魚肉ソーセージ
普通ソーセージに、チーズや野菜類などの食材を混ぜ合わせたものをケーシングに充填して加熱したものです。
魚肉ソーセージの栄養
タンパク質
魚肉ソーセージの原材料となる白身魚のすり身はスケソウダラが多く使用されています。スケソウダラに含まれる動物性タンパク質は良質な動物性タンパク質であり、体内利用効率が高いことがわかっています。
65歳以上の女性を対象に、スケトウダラのタンパク質4.5gを3か月間食べ続けたところ、7割以上の人で筋肉の増加が示唆されたという実験結果が出ています。
さらに動物の実験では、筋肉のうち瞬発力をつかさどる速筋が増加することがわかっています。
ビタミンB2
ビタミンB2は水溶性のビタミンで黄色い色をしています。
ビタミンB2が強化された栄養ドリンクが黄色いのはビタミンB2の色です。糖質、脂質、タンパク質のエネルギー代謝にかかわり、皮膚や粘膜の健康を維持するために必要です。
ナイアシン
ビタミンB群の仲間で、糖質、脂質、タンパク質のエネルギー代謝に必要な補酵素として働き、皮膚や粘膜の健康を維持するためにも役立ちます。
カルシウム
体内のカルシウムのほとんどは、骨を歯に存在しています。血液中にも微量のカルシウムが常に一定量含まれており、血中のカルシウム量が不足すると骨を壊して血中のカルシウムを補います。そのためカルシウムの不足が継続することで、骨粗しょう症の原因となることがあります。
DHA・EPA
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、どちらも魚油に含まれるn-3系脂肪酸の一種です。DHAもEPAも体内ではほとんど作られないため、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
DHAは脳や神経系の機能維持や、子どもの発育に必要です。また体内の炎症を抑えたり、抗酸化作用によってさまざまな疾患の予防効果が期待されています。EPAは中性脂肪の低下や、血小板凝集抑制に効果があります。
薬膳の効果
魚肉ソーセージの原料の一種であるタラには、気血を補う働きがあります。疲労や虚弱体質の改善に効果が期待できます。めまいや動悸、不眠などの症状にも有効といわれています。
魚肉ソーセージのおすすめレシピ
一般的な魚肉ソーセージは、チューブフィルムに内容物を充填して、円筒状になった両端をアルミワイヤーで絞った形状の「ロケット包装」がされています。チューブフィルムに内容物を充填後、高温高圧殺菌することで、食品添加物を使用しなくても常温で比較的長期間の保存か可能となっています。購入後は直射日光があたらない冷暗所で保管しましょう。
フィルム包装をとったあとに食べきれない場合は、ラップで包んで冷蔵庫で保存し、できるだけ早く食べましょう。魚肉ソーセージは冷凍すると解凍時にすが入ったような状態になり、食感が悪くなるので冷凍保存は適していません。
魚肉ソーセージとキャベツのマヨ炒め
【材料】(2~3人分)
・魚肉ソーセージ 2本(1本70gのもの)
・キャベツ 150g
・ピーマン 2個
・にんにく ひとかけ
・マヨネーズ 大さじ1と1/2
・しょう油 小さじ1
・塩 適量
・こしょう 適量
【作り方】
1.魚肉ソーセージは、1㎝弱程度の幅で斜めスライスに切ります。キャベツは洗って食べやすい大きさのざく切り、ピーマンは種をとって洗い、魚肉ソーセージと同じくらいの幅で斜めに切っておきます。
2.フライパンにマヨネーズ大さじ1と、みじん切りにしたにんにくを入れて火をつけます。
3.魚肉ソーセージを入れて焼きます。
4.魚肉ソーセージに焼き目がついたら、キャベツとピーマンを入れて炒め合わせます。
5.マヨネーズ大さじ1/2としょう油を加えて混ぜます。
5.味をみて、塩とこしょうで味をととのえてできあがりです。
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魚肉ソーセージレシピのまとめ
魚肉ソーセージは、白身魚のすり身を原料とした、日本生まれの魚肉加工食品です。包装フィルムをとってそのまま食べることができ、常温保存が可能で、比較的長期の保存が可能なので備蓄食のローリングストックにも適しています。良質な動物性タンパク質が摂取できるので、そのままで手軽なおやつとして食べるほか、いろいろなアレンジで日常のお食事にとり入れてみましょう。
良質なタンパク質を摂ることは健康維持に欠かせません。子どもの成長はもちろん、高齢者の筋力維持にも重要です。しかし、毎日過不足なく食事から摂ることはなかなか大変なことでもあります。
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