目次
そばとはどんな食材?
「そば」というと一般的には「日本そば」を指します。日本そばは、穀物のソバの実を使ったそば粉を使って作る麺類のひとつです。
日本そばの歴史について
植物としてソバの原産地には諸説あるようですが、中国雲南省からヒマラヤ周辺にかけてという説が有力となっています。
日本におけるそばの歴史は非常に古いと考えられており、高知県内では9000年以上前の遺跡からソバの花粉がみつかっていることなどから、当時からソバが栽培されていたと考察されています。
もともとのそばは麵状ではなく、そば粉を湯でこねた「そばがき」や「そばもち」として食されていました。
現在のような麺の形状になった起源は現在でもはっきりとわかっていませんが、16世紀ころに生まれたと考えられています。
江戸時代になり17~18世紀ころには、そば粉につなぎとして小麦粉を混ぜる製法が考案され、そばの実の挽き方にいくつかの方法や地域差が生まれたのも江戸時代といわれます。
大みそかに食べる「年越しそば」や「引っ越しそば」などの習慣が庶民に広まったのも江戸時代とされており、そばは食べ物としてだけではなく、日本の文化として現在に続いているといえます。
駅そばの歴史について
駅そばとは、鉄道の駅にある立ち食いのそば・うどん店のことです。現在は必ずしも立ち食いではなく、座席が用意されている店舗もあります。
立ち食いのそば店は江戸時代からあるといわれ、当初はそばがきがメインでした。
江戸時代の中頃になると現在のような麺状の「切りそば」が生まれ、せっかちな江戸っ子がつゆをそばに直接かけて食べることから「ぶっかけそば」が誕生したといわれています。
明治時代後期になり鉄道が発達したことで、駅に立ち食いそば店ができたのが駅そばの始まりです。
本州で最初に駅そばができたのが軽井沢駅といわれています。軽井沢駅では機関車の交換作業が行われており、その待ち時間を利用して食事ができるようにと考えられ開店しました。
そばに含まれる栄養素
そばは炭水化物を多く含み主食として利用されますが、そば粉に加工する際に胚芽部分や甘皮も精製せずに挽くことで、栄養素が豊富に残されているといえます。
タンパク質
そばは麺類の中では、比較的タンパク質を多く含みます。100gあたりのタンパク質をうどんと比較してみると、そばは4.8g、うどんは2.6gです。
またそばはアミノ酸スコアも92と高く、良質のタンパク質であるといえます。そばには、難消化性成分の一種である消化されないタンパク質である「レジスタントプロテイン」が含まれています。
レジスタントプロテインは食物繊維と同様にそのまま腸を通り体外へと排出されることで、整腸効果や血中コレステロール値の低下などが期待されています。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質の代謝に必要です。不足すると食欲不振や疲労感などの症状が現われることがあります。糖質やアルコールを多く摂る人は積極的に摂りたいビタミンのひとつです。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の仲間です。糖質や脂質の代謝の過程で補酵素として働き、アルコールの分解にも必要です。
ナイアシンが欠乏すると皮膚や粘膜、消化管や神経系に悪影響を及ぼし、口角炎や食欲不振、不安感、倦怠感などの症状を引き起こすことがあります。
ビタミンB6
ビタミンB6はタンパク質の分解や合成を助け、皮膚や粘膜の健康を保つために必要です。神経伝達物質の合成にもかかわっており、精神の安定にも役立つといわれます。
ビタミンB6は免疫機能を正常に保つ働きがあり、アレルギー症状を緩和するために役立つと考えられています。
他にもビタミンB6は女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの代謝にかかわっているため、ホルモンバランスを整える作用によって月経前症候群(PMS)の症状緩和にも効果が期待されています。
マグネシウム
マグネシウムはエネルギー代謝の過程で欠かせないミネラルです。またカルシウムと密接にかかわり、骨の健康を維持する働きもあります。
通常は不足しにくい栄養素であると考えられますが、尿と一緒に排出されるため、大量のアルコールや利尿剤の長期使用などによって不足することがあります。
マグネシウムが不足すると血圧の上昇や動脈硬化などのリスクが高まったり、不安や抑うつなどの精神症状、注意力散漫、小児では発育不全などの症状があらわれることがあります。
鉄
赤血球のヘモグロビンという血色素を構成する成分であり、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ重要な働きがあります。
鉄が不足することで血液中に含まれるヘモグロビン量が減少し、酸素を十分に運ぶことができなくなるため、頭痛やめまい、息切れ、倦怠感、食欲不振などの症状を引き起こすことがあります。
ルチン
ルチンはポリフェノールであるフラボノイドの一種です。毛細血管を強くする効果によって、脳卒中や歯周病など出血性の疾患に有効であると考えられています。
さらに高血圧や動脈硬化、脳血管障害などの予防に効果が期待されています。ビタミンCの吸収を促進したり、すい臓に作用してインスリンの分泌を促進することで糖尿病の予防にも役立つといわれます。
ルチンは水溶性のためそばのゆで汁に溶け出しているので、そば湯も飲むとルチンを効率よく摂取することができます。
そばのおすすめレシピ
【梅干ししらすそば】
【材料】(2人分)
・そば 100g
・めんつゆ(4倍濃縮) 200ml
・かつお節 3g
・しらす 50g
・ごま油 小さじ1
・梅干し 2個
・かいわれ菜 1/2パック
【作り方】
1.めんつゆを鍋に入れ火にかけます。沸騰したらかつお節を入れて火を止めて、そのままおいておきます。
2.かいわれ菜は根元から切り取り、洗っておきます。
3.フライパンにごま油を入れて火をつけ、しらすを炒めます。ごま油がなじんで水分が飛んだら火を止めます。
4.大き目の鍋にお湯を沸かし、そばをゆで始めます。
5.1.のめんつゆが入った鍋に、めんつゆに表示されている量を参考に水を入れて希釈し、火をつけて温めます。
6.ゆであがったそばを器に盛り、めんつゆを張ります。
7.3.のしらすと梅干し、洗っておいたかいわれ菜をのせてできあがりです。
※1.の工程は省いて、めんつゆを薄めて温めるだけでも大丈夫です。
※しらすと梅干しにも塩分が含まれるので、めんつゆは味をみながら希釈してください。
※しらすは焦げると苦味が出ることがあるので、火加減を調節しながら炒めましょう。
【梅干ししらすそばの栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。(食塩相当量は、つゆを全部飲んだ場合の数値です。使用するめんつゆの希釈割合によっても異なります。)
エネルギー:410Kcal
カルシウム:123㎎
ビタミンD:3.0㎍
タンパク質:23.5g
鉄:3.3㎎
ビタミンB1:0.27㎎
脂質:3.8g
亜鉛:2.1㎎
ビタミンB2:0.23㎎
糖質:32.4g
ビタミンC:7㎎
ビタミンB6:0.34㎎
食塩相当量:15.6g
レチノール活性当量:72㎍
ビタミンB12:2.2㎍
『そばレシピ』のまとめ
日本そばは、穀物のソバの実を使ったそば粉を使って作る麺類です。
江戸時代にはすでに立ち食いそば店が存在し、明治時代には鉄道の発達によって軽井沢駅に立ち食いそば店ができました。そばは良質のタンパク質を含み、ビタミンやミネラルも豊富です。
麺類で気になるのが塩分です。塩分を控えたい場合は、つゆは飲まずに残しましょう。麺の太さによっても実際に摂取する塩分量は異なり、細い麺の方がつゆがよく絡み、塩分摂取量は多くなります。
またつゆをかけるよりも、つけて食べる方が塩分摂取量は少なくなる傾向があります。
【まごころケア食】のお弁当は、塩分量が調整されたものもあります。管理栄養士監修のメニューで、減塩を感じさせないおいしさです。
塩分を摂り過ぎたと感じたときに、【まごころケア食】のお弁当を利用して塩分調整をしてみてはいかがでしょうか。
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