目次
カレールウで作るカレーとスパイスカレーの違い
日本の家庭で作られているカレーは市販のカレールウを使って作る方法が一般的ですが、近年はカレールウを使わずに、スパイスを使ってカレーを作る人も増えているようです。
カレールウで作るカレー
「ルウ(roux)」は小麦粉を油脂で炒めたもので、スープにとろみを出したり、つなぎとして使います。
これにカレーのスパイスや調味料などを加えたものがカレールウです。
カレールウを使って作るカレーは複数の食材を煮込み、肉や魚、野菜などから出るだしのうま味を利用したカレーです。
スパイスカレー
スパイスカレーはカレールウを使わずに、スパイスを使って作るカレーです。
スパイスには乾燥(ドライ)したものと生(フレッシュ)のものがありますが、一般的に購入しやすいのは乾燥したものです。
乾燥したスパイスには原形のまま乾燥したホールスパイスと、ホールスパイスを粉砕したパウダースパイスがあり、ホールスパイスとパウダースパイスでは用途や使い方が異なります。
家庭でも使いやすいのはパウダースパイスですが、パウダースパイスを使ってカレーを作る場合、スパイスを入れた後は香りが飛びやすいので、長時間煮込まない方が香りや風味を生かすことができます。
カレー粉とは
カレー粉は19世紀にイギリスで、スパイスを調合する手間を省くために作られたミックススパイスです。
現在日本で販売されているカレー粉は、20~30種類のスパイスがバランスよく調合されていて、カレーライスの他にもいろいろな料理に利用できます。
ビーフカレーを美味しくするポイント
ビーフカレーを美味しく作るためのポイントはいくつかありますが、今回はパウダースパイスを使って作るビーフカレーのポイントについて説明します。
玉ねぎをじっくり炒める
玉ねぎにはフルーツと同等の糖度がありますが、辛み成分が強いことで、生で食べたときにはほとんど甘みを感じられません。
加熱によって辛味成分である硫化アリルが分解し、混ぜながら炒めることで玉ねぎの細胞が壊れ、糖分が出てくることで甘さを感じるようになります。
また加熱することで、糖とアミノ酸が結合するメイラード反応によって香ばしさが生まれます。
あめ色になるまで玉ねぎを炒めることで生まれる香りや甘味はカレーには欠かせません。
玉ねぎを炒める工程は省かずに、じっくりと炒めることで美味しいカレーができます。
カレーでは玉ねぎが多少焦げても仕上がりの色には影響しないため、気楽にじっくり炒めましょう。
トマトを入れる
トマトにはグルタミン酸といううま味成分が豊富に含まれています。
グルタミン酸は肉や魚に多く含まれるイノシン酸といううま味成分と一緒になるとうま味の相乗効果が生まれます。
さらにトマトに含まれる酸味と甘みによってカレーにまろやかさが出ます。
入れ過ぎると水っぽくなったり、トマトの味が強く出ることがあるため、分量には注意しましょう。
ビールを入れる
ビールにはアミノ酸が含まれており、調味料としてコクやうま味を生み出します。
またビールに含まれる酵母や炭酸にはタンパク質を分解する作用があり、カレーに入れる肉や魚をやわらかく仕上げる効果も期待できます。
牛肉は薄切り肉を使い、焼いておく
牛肉は初めに焼いておきます。肉に焼き目をつけることで香ばしさが生まれ、肉の生臭さなどを抑えることができます。
薄切り肉は焼いてからいったん取り出しておき、最後に短時間加熱すると肉がやわらかく仕上がります。
塩は最後に入れる
スパイスには塩分が含まれないため、美味しいカレーを作るためには、ある程度の塩分を加えることが必要です。
水分量によっても塩の適量が異なるため、塩は一番最後に入れましょう。
食材に火が通り水分が飛んで、そろそろ完成というところで塩以外の調味料を入れてから、分量の塩を数回に分けて味をみながら加えましょう。
ビーフカレーのレシピ
今回はカレールーではなくスパイスを使って作るレシピです。
スパイスを使うことで油脂の量や塩分、辛さなどをお好みで調節することができます。
またビールで煮込むことで肉がやわらかくなり、ほんのりと残った苦みがカレーの風味を増します。
加熱によりビールのアルコールは抜けるので、年齢に関係なく食べることができます。
【スパイスビーフカレー】
【材料】(2人分)
・牛薄切り肉 150g
・玉ねぎ 250g
・ミニトマト 4~5個
・サラダ油 大さじ1
・生姜チューブ 3㎝くらい
・にんにくチューブ 3㎝くらい
・カレー粉 大さじ1
・クミンパウダー 小さじ1
・コリアンダーパウダー 小さじ1
・ターメリックパウダー 小さじ1
・チリペッパー 小さじ1/2~
・ビール 200ml
・中濃ソース 小さじ1
・塩 小さじ1
・こしょう 適量
【作り方】
①玉ねぎは皮をむいて洗ってから、みじん切りにします。ミニトマトは大きさによって4~8等分に切っておきましょう。
②フライパンにサラダ油を入れて火をつけ、牛肉を焼きます。牛肉の色が変わって火が通ったら、いったん取り出しておきます。
③同じフライパンに玉ねぎを入れて炒めます。あめ色になるまで、じっくりと炒めましょう。
④玉ねぎを十分に炒めたら、ミニトマトと生姜チューブ、にんにくチューブを入れてさらに炒めます。
⑤ミニトマトに火が通ったら、スパイスを入れて炒め合わせます。
⑥牛肉をフライパンに戻し、ビールを入れます。
⑦水分が少なくなってきたら中濃ソースを入れ、塩とこしょうで味を整えてできあがりです。
※今回は、牛肩ロース薄切り肉を使いました。牛肉の部位はお好みのもので大丈夫です。
※辛味はチリペッパーの量で調整できます。チリペッパーがない場合は、一味唐辛子で代用ができます。
まとめ
家庭で作るカレーは、市販のカレールーを使って作るのが一般的でしたが、カレールーを使わずにスパイスで作るスパイスカレーも広がりを見せています。
いくつかのポイントを知っておけば、スパイスを使った美味しいビーフカレーを作ることができます。
長時間煮込まないので、時間がないときにも作ることができます。
スパイスカレーでは、辛さや使う油脂の量、塩分などを、お好みで調節することができます。
市販のカレールウは多くのスパイスがバランスよく調合されており、誰が作っても美味しく作ることができますが、比較的油脂や塩分が多く含まれており、持病などにより食事に制限がある場合には注意が必要です。
【まごころケア食】のお弁当は食材にこだわり、いろいろな食材や調理方法で、見た目も味も飽きずに食べることができます。
栄養士が監修しており栄養バランスが整っているので、安心して食べることができます。
塩分やカロリーが調整されているお弁当もありますので、ぜひお試しください。
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