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小松菜とはどんな食材?
小松菜はアブラナ科アブラナ属の結球しない葉菜類です。栄養価は非常に高く、アクやくせが少ないので、子どもにも食べやすい野菜です。現在は通年で流通していますが、本来は冬が旬です。
東京の特産品
小松菜は東京都内の野菜作付面積が1位の野菜で、特に東京都江戸川区では古くから生産が盛んです。
小松菜という名前は、江戸時代8代将軍の徳川吉宗が、鷹狩りに訪れた小松川村(現在の江戸川区)で献上された青菜を気に入り、小松川村の名にちなんで「小松菜」と名付けたといわれています。
小松菜の選び方と保存方法
きれいな緑色の厚みのある葉で丸みがあり、茎は太くしっかりとしているものを選びましょう。
購入後はキッチンペーパーなどで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。日持ちは長くないので、すぐに使わないときは冷凍保存できます。
小松菜はあくが少ないので、そのまま冷凍することができます。
小松菜は根元に土がたまりやすいので、根元部分を少し切り落とすか、縦に割って、中まで指でこするようにしてよく洗いましょう。
水分をよくふきとってから使いやすい長さに切って、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、冷凍します。
使うときは凍ったままで、生のときと同じように加熱調理できるので便利です。
小松菜の栄養と効果
小松菜は非常に栄養豊富な葉野菜です。アクやくせが少ないので使いやすく、通年で手に入りやすい便利な野菜のひとつです。
小松菜には血栓を溶解する作用が期待できるという研究結果もあり、動脈硬化や心疾患などを予防する効果も期待できます。
ビタミンE
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、体内で発生した過剰な活性酸素から体を守る効果が期待できます。
また血流を改善する効果があり、肩こりや冷え性などの予防や改善も期待できます。ビタミンEは、ビタミンAやビタミンCと一緒に摂ることで、相乗効果が得られます。
ビタミンAにはビタミンEとビタミンCの働きを持続させる効果があり、ビタミンCはビタミンEの抗酸化作用を高める働きがあるといわれています。
小松菜にはビタミンCと必要に応じてビタミンAに変換されるβカロテンも含まれており、強い抗酸化作用が期待できる野菜といえます。
ビタミンK
ビタミンKは出血したときに血を止めるために必要なビタミンです。
ビタミンKは血液凝固因子であるトロンビンの前駆物質であるプロトロンビンを生成するときに不可欠であると同時に、血液の凝固を防ぐ物質の生成にもかかわっているので、正常な血液を維持するために重要なビタミンといえます。
さらに、ビタミンKは腸でのカルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨からカルシウムが流出するのを抑制する働きもあるため、骨の健康にも重要です。
葉酸
ビタミンB群の仲間で、ビタミンB12とともに正常な赤血球を作るために必要です。
葉酸はビタミンCによって活性型に変換されるので、ビタミンCを豊富に含む小松菜は、葉酸も効率よく摂取できる食品といえます。
葉酸には胎児の神経管閉鎖障害を予防する効果があるとされており、特に妊娠初期の女性には積極的な摂取が勧められています。
また、乳幼児の発育にも欠かせないビタミンであるため、授乳中の女性にも十分な葉酸の摂取が必要です。
ビタミンC
小松菜にはビタミンCも豊富に含まれています。ビタミンCはコラーゲンの合成には欠かせないビタミンです。
肌のハリを保ち、しわやシミの予防効果が期待できます。
小松菜に含まれるβカロテンはビタミンAに変換されると、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあり、相乗効果による美肌効果が期待できます。
カリウム
カリウムは細胞内に存在し、細胞外のナトリウムとバランスをとっています。
ナトリウムが体内に過剰になると、カリウムがナトリウムの排泄を促すことで、体内では一定のナトリウム濃度を保っています。
この働きによって高血圧のリスクを軽減したり、むくみの予防や改善に効果が期待できます。
カルシウム
小松菜は野菜類の中ではカルシウムの含有量はトップクラスです。カルシウムは骨や歯の主要な構成成分であるほか、血液凝固や筋肉の収縮にもかかわっています。
また神経伝達を正常に保ったり、緊張や興奮を沈めてストレスを和らげる効果も期待されます。
鉄
小松菜には鉄も多く含まれており、鉄を多く含む野菜として知られているほうれん草よりも、多くの鉄を含みます。
鉄は血液中の赤血球の構成成分となって、全身に酸素を運ぶ大切な役割を担っています。
植物に含まれる鉄は非ヘム鉄と呼ばれ、動物性の食品に含まれるヘム鉄と比べると吸収率は低いのですが、小松菜には鉄の吸収を高めるビタミンCも含まれています。
良質のタンパク質と一緒に摂ることでさらに吸収を高めることができるので、肉や卵などの食品と組み合わせると効率よく鉄が摂取できます。
βカロテン
小松菜に豊富に含まれるβカロテンは抗酸化作用を持ち、体内に発生した過剰な活性酸素を除去する働きがあります。
またβカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAとなって働きます。
ビタミンAは脂溶性のビタミンであるため、サプリメントなどによる過剰摂取の可能性がありますが、βカロテンからは必要量が変換されるため過剰症の心配はないといわれます。
ビタミンAに変換されたβカロテンは、体内でほかの栄養素の働きを促進する作用を持っています。
小松菜のガーリック炒めのレシピ
今回は小松菜にウインナーを合わせてボリュームを出しました。おつまみにも、ごはんのおかずにもなります。
【小松菜とソーセージのガーリック炒め】
【材料】(3人分)
・小松菜 1把(200gくらい)
・ウインナー 1袋(90g)
・にんにく 2かけ
・オリーブオイル 小さじ1
・塩 適量
・こしょう 適量
【作り方】
1.小松菜は根元を割り、流水を当てながら、茎の間に入り込んだ土を洗い落とします。
2.長さ3~4㎝に切り、根元は食べやすい大きさに割ります。葉先と茎の部分を分けておきます。
3.ウインナーは斜めに3~4つにきります。
4.にんにくをみじん切りにしてフライパンに入れます。
5.オリーブオイルを入れて弱火でにんにくを炒めます。
6.にんにくの香りがしてきたら、ウインナーを入れます。
7.続いて小松菜の茎の部分を入れて炒めます。全体に油がまわったら、塩とこしょうを入れます。
8.小松菜の茎の部分に火が通ってきたら、葉を加えて炒め合わせます。
9.味見をして、塩とこしょうで味を調整してできあがりです。
【小松菜とウインナーのガーリック炒めの栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。
エネルギー:124Kcal
タンパク質:4.5g
脂質:10.7g
糖質:1.6g
レチノール活性当量:148㎍
ビタミンD:0.1㎍
ビタミンB1:0.16㎎
ビタミンB2:0.11㎎
ビタミンB6:0.16㎎
ビタミンB12:0.2㎍
ビタミンC:32㎎
カルシウム:99㎎
鉄:1.8㎎
亜鉛:0.5㎎
食塩相当量:1.6g
小松菜レシピのまとめ
小松菜は東京でも多く生産されている葉野菜で、非常に栄養豊富です。アクやくせが少なく下ゆでも不要で、いろいろな調理方法で便利に使える野菜です。
生のまま冷凍保存も可能なので、常備しておきたい野菜のひとつです。
小松菜にはいろいろな栄養素が含まれており、それぞれの栄養素の相乗効果も得られます。一緒に調理する食品の組み合わせによって、さらに栄養素を効率よく摂取することもできます。
【まごころケア食】のお弁当は管理栄養士が監修しており、それぞれの食材が持つ栄養素を生かしたメニューが取り入れられています。ぜひお試しください。
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