大麦の栄養と健康効果

大麦の栄養と健康効果
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

大麦には食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果や生活習慣病予防にも効果が期待できる穀物です。売り場には「押し麦」や「もち麦」「米粒麦」など麦とつく商品が色々と並んでいますが、この違いをご存知ですか?大麦の種類や栄養についてご紹介します。

◆大麦とはどんな食材?

大麦とは

大麦は世界最古の作物と言われているイネ科の穀物で、日本へは縄文時代末期から弥生時代の初期に伝わったと言われています。

大麦は大きく分けて「六条大麦」と「二条大麦」に分類されます。六条大麦は麦飯や麦茶など食用にされています。一方、二条大麦は、ビール麦とも呼ばれており、ビールや焼酎の原材料として用いられています。

また、大麦にはお米と同じように粘りが少ない「うるち性」と粘りが強い「もち性」があり、それぞれに六条種と二条種があります。押し麦は粘りが少ないうるち性の大麦で、もち麦は粘り気の強いもち性の大麦です。
大麦は加工方法によって「押し麦」や「丸麦」などに分類されています。

・押し麦

もっとも一般的な大麦で、うるち性の大麦の外皮を削り蒸してからローラーで押しつぶしたものです。粒の真ん中に黒い線(黒条線)が残っていることが特徴です。あっさりとした味わいで、麦とろご飯にも多く使用されています。

・米粒麦

粒の中央にある黒条線を除いて、米と同じような細長い形に加工された大麦です。白米に混ぜて炊くとなじみやすく、食べやすいことが特徴です。パラパラとした食感をしています。

・丸麦

大麦を精白したもので、押しつぶしていないので丸みのある形をしています。プチプチとした食感が特徴です。

・白麦

大麦を黒条線の部分で半分に割り、蒸してからローラーで平らに押しつぶしたものです。

大麦は米に比べてカルシウムが豊富に含まれていることが特徴で、高血圧予防に効果的なカリウムも豊富。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれていることから、腸内環境を整える効果や糖尿病、がんなどの生活習慣病予防にも効果が期待できます。

◆大麦に含まれる栄養

【大麦・押し麦 乾(可食部100gあたり)】
エネルギー…346㎉
たんぱく質…6.7g
炭水化物…78.3g
カリウム…210㎎
カルシウム…21㎎
リン…160㎎
鉄…1.1㎎
ビタミンB1…0.11㎎
ビタミンB2…0.03㎎
ナイアシン…3.4㎎
ビタミンB6…0.13㎎
葉酸…10㎍
食物繊維総量…12.2g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

・骨粗しょう症の予防に!カルシウム

骨や歯を作るのに欠かせないミネラルです。体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえ安定させるなどの効果もあります。カルシウムは吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンDと一緒にとることで吸収率がよくなります。

・むくみの解消に!カリウム

カリウムは体の水分バランスを保ち、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があり、高血圧予防に効果が期待できます。また、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消にも効果があります。

・糖質の代謝を助ける!ビタミンB1

ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復を助ける効果があります。また、脳と神経を正常に保つ働きもしています。水に溶けやすいので、煮汁も一緒にとれる料理にすると効率的に摂取できます。

・腸内環境を整える!食物繊維

押し麦100gあたりには水溶性食物繊維が6.7gと不溶性食物繊維が5.5gとどちらもバランスよく含まれています。

不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の解消に役立ちます。また、有害物質を排出する効果もあります。水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。

食物繊維は噛み応えがあるので満腹感を感じやすく、しかも低カロリーなので肥満予防にも効果的。糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

・血糖値の急激な上昇を防ぐ!βグルカン

もち麦に多く含まれている食物繊維の一種で、糖質の吸収を抑えて血糖値の急上昇を防ぐ効果や脂肪の吸収を抑える働きがあり、糖尿病や動脈硬化、脂質異常症の予防にも効果が期待できます。また、腸内の有害物質を体外へ排出する働きもあります。

◆大麦の食べ方

大麦の食べ方

定番の麦ご飯は、白米と大麦を7: 3くらいの割合で混ぜると食べやすいですし、大麦の風味が好きな方は白米と大麦を1: 1で混ぜても美味しくいただけます。また、炊き込みご飯やリゾットにしても美味しいです。

他にも、大麦を茹でてサラダに加えたり、ミネストローネやクラムチャウダーなどのスープに加えても美味しく食べることができます。茹でたものは冷凍保存も可能なので、小分けにしてラップに包み冷凍しておくとすぐに使えて便利です。

さらに、大麦はスイーツ作りにも活用できます。茹でた大麦をクッキーや焼き菓子、ホットケーになどに混ぜるのもおすすめです。麦ご飯以外にもお好みでアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか。

◆大麦のおすすめレシピ

大麦のサラダ

大麦と角切りにした野菜で作るヘルシーなサラダです。味付けはオリーブ油とレモン果汁、塩、ブラックペッパーのみでシンプルに仕上げます。ブラックペッパーをしっかりと効かせるとアクセントになります。

大麦のサラダ

【材料(2人分)】
大麦…20g
ミニトマト…4個
きゅうり…1/2本
赤パプリカ…1/4個
アボカド…1/2個
サニーレタス…1枚
Aオリーブ油…大さじ1
Aレモン汁…小さじ2
A塩、ブラックペッパー…各少々

【作り方】
① 鍋に湯を沸かし、大麦を15〜20分ゆでてザルにあげる。水でさっと洗ってぬめりをとり、水気をきる。

作り方①

② ミニトマトは4等分に切り、きゅうり、赤パプリカ、アボカドは角切りにする。サニーレタスは一口大にちぎる。

作り方②

③ ボウルに①とミニトマト、きゅうり、赤パプリカ、アボカド、【A】を加えて混ぜ合わせる。皿にサニーレタスを敷いて、盛り付ける。

作り方③

◆大麦レシピのまとめ

独特の食感が美味しい大麦には、食物繊維が豊富に含まれていて生活習慣病予防にも効果的です。毎日の食事に取り入れやすい麦ご飯はもちろん、スープやサラダなど色々な料理に大麦を活用してみてはいかがでしょうか?

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この記事の作成者:松井さゆり(フードコーディネーター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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