目次
キーマカレーとは
キーマカレーの「キーマ」はひき肉の意味で、ひき肉のカレーがキーマカレーです。
インドでは宗教的な理由によって羊やヤギ、鶏のひき肉を使うことが多いですが、日本で人気のキーマカレーのレシピには、牛豚合いびき肉を使って作られたものが多いようです。
ごはんやナン、チャパティと一緒に食べたり、サモサの具としても利用できます。
カレー粉とルーの違い
カレールーにはスパイスの他に油脂や塩分、うま味成分、とろみをつけるための小麦粉などが含まれています。
カレー粉は複数のスパイスをブレンドしたもので、油脂、塩分、うま味成分は含まれず、小麦粉も含まれていないのでとろみもつきません。
キーマカレーではカレールーよりもカレー粉を使う方が味や辛さの調節がしやすく、作りやすいレシピといえます。
カレー粉の基本となるスパイスはターメリック、クミン、コリアンダー、チリペッパーですが、通常はほかにも20~30種類ものスパイスが使われており、そのブレンドも商品によって異なります。
・ターメリックパウダー
ターメリックはウコンとも呼ばれます。黄色い色のスパイスで、カレー粉の特徴である黄色い色はターメリックパウダーの色です。
・クミンパウダー
クミンの粉末です。カレーらしい香りがでます。
・コリアンダーパウダー
パクチー、香菜(シャンツァイ)とも呼ばれます。食用にされる葉ではなく種を粉末にしたもので、さわやかな香りがあります。
・チリペッパー
乾燥した赤唐辛子です。辛味をつけます。
カレー粉には塩分とうま味成分は含まれていないため、調理中に塩分とうま味を加える必要がありますが、味や辛さを好みで調整しやすいといえます。
もともとインドにはカレー粉というものは存在せず、各家庭でスパイスをブレンドして使います。カレー粉はイギリスで生み出されたといわれ、日本のカレーはイギリス式のカレーが伝わったのが始まりといわれています。
マサラは粉状のスパイス
インドなどで使われる、いろいろな香辛料を粉状にして混ぜ合わせたミックススパイスを指します。
ブレンドするスパイスに決まりはなく、地域や家庭によっても異なります。インドではマサラを薬のように利用することがあり、体調に合わせてブレンドを変えることもあるようです。
次にあげるマサラは日本でも一般的になり、手に入りやすくなってきました。
・ガラムマサラ
コリアンダー、クミン、グリーンカルダモン、クローブ、ブラックペッパー、シナモンをベースに、フェンネル、ナツメグ、スターアニス、メース、ローレル、ブラックカルダモンなどを組み合わせて作ります。
必ずしもこれらのスパイス全てが入るわけではなく、家庭ごとに好みのブレンドがあります。料理の香りづけに使ったり、肉料理の下ごしらえにも使います。主に北インド料理で使われることが多いスパイスです。
・チャットマサラ
チャートマサラとも呼ばれます。
クミン、ブラックペッパー、アナルダナ、アサフェティダ、アジョワン、ジンジャーパウダー、マンゴーパウダー、チリペッパー、ブラックソルト、ミントパウダーなどを組み合わせます。
チャットマサラの特徴はミントと塩が入っていることですが、それ以外のスパイスは、必ずしも全てが入るわけではなく、好みでブレンドします。
野菜やフルーツ、揚げ物などにふりかけて、ドレッシングソルトのような使い方をします。
ホールスパイスについて
スパイスには、葉や種、実などの本来の状態のままの「ホール」とホールを粉砕した「パウダー」があります。ホールスパイスは香りが飛びにくく、スパイス本来の香りや風味を楽しめます。
そのまま食べることはなく、煮込む過程で加えたり油に香りを移したりして使います。パウダースパイスはホールスパイスを粉砕したもので、料理にそのまま加えて香りや辛味をつけることができます。
手軽に使えますが、熱や光、湿気に弱く、香りが飛びやすいので保存には注意が必要です。
スパイスの保存方法
パウダーよりもホールの方が賞味期限は長くなっていますが、どちらも開封後は香りや辛味が徐々に減少するので、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
ホール、パウダーにかかわらず密閉できる容器に入れ、冷暗所で保存しましょう。紫外線によって香りや色が劣化し、湿気が多い場所はカビの原因となります。
冷蔵庫での保管は、出し入れの際の温度差で結露が発生するとカビの原因となることがあるため注意が必要です。
こしょうなど日常的に使うスパイス以外は少量ずつ購入して使い切る方が、香りや辛味などスパイスの特徴を生かすことができるといえます。
キーマカレーレシピ
【ナス入りキーマカレー】
【材料】
・牛豚合いびき肉 300g
・玉ねぎ 300g
・プチトマト 5~6個
・ナス 1本
・生姜 1かけ
・にんにく 1かけ
・サラダ油 大さじ1
・カレー粉 大さじ3
・ガラムマサラ 小さじ1
・プレーンヨーグルト 大さじ2
・塩 小さじ1
・こしょう 適量
【作り方】
1.玉ねぎはスライス、にんにくと生姜はみじん切りにしておきます。
2.フライパンにサラダ油を入れ、玉ねぎと生姜、にんにくを弱火でじっくりと炒めます。
3.玉ねぎがあめ色になったら、少し火を強めてひき肉を炒めます。初めは水分が出てきてひき肉がしっとりしますが、水分が飛んで脂がにじんでくるまでしっかりと炒めましょう。
4.カレー粉を入れて炒めます。全体がなじんだら、さいの目に切ったプチトマトとナスを入れて混ぜ、ひたひたになるくらいの水を入れます。
5.トマトとナスに火が通って、水分が減ってきたらプレーンヨーグルトとガラムマサラ、塩とこしょうを入れ、全体に混ぜ合わせてできあがりです。
※ガラムマサラの他にも、お好みでスパイスを加えてみましょう。
【ナス入りキーマカレーの栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。(ごはんの栄養量は含まれません)
エネルギー:288Kcal
カルシウム:60㎎
ビタミンD:0.2㎍
タンパク質:15.3g
鉄:3.3g
ビタミンB1:0.30㎎
脂質:18.8g
亜鉛:3.7㎎
ビタミンB2:0.21㎎
糖質:9.4g
ビタミンC:8㎎
ビタミンB6:0.42㎎
食塩相当量:3.2g
レチノール活性当量:34㎍
ビタミンB12:1.2㎍
キーマカレーレシピまとめ
キーマカレーの「キーマ」はひき肉の意味です。カレー粉を使って作るレシピが一般的ですが、カレー粉は数十種類のスパイスをブレンドしたもので、商品によっても味や香りが異なります。
いろいろなカレー粉を試してみたり、お好みでスパイスをブレンドしてみるのも楽しいです。辛さの調節もしやすいので、子どもから高齢者まで幅広く楽しめる、人気のメニューです。
インドでは古くから、スパイスは薬のように利用されてきました。それぞれのスパイスの薬効を理解していれば、体調に応じて使い分けたりブレンドを変えることもできます。
食品に含まれる栄養も同じように、それぞれの特徴を理解していれば日常のお食事に生かすことができますが、おいしく健康的に、食品の無駄なくメニューを考えることは大変なことです。
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