乳酸菌飲料の働き|プロバイオティクスの効果で腸内環境を改善

乳酸菌飲料の働き|プロバイオティクスの効果で腸内環境を改善
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乳酸菌飲料とは

乳酸菌飲料は牛乳などを発酵させてから、甘味料や香料、果汁などを加えた飲み物です。

乳酸菌飲料の歴史

乳酸菌飲料に欠かせない乳酸菌は、世界中で伝統的な発酵食品に利用されてきました。本格的に乳酸発酵について調べたのはフランスの科学者であるパスツールで、発酵や腐敗が微生物によるものであることを科学的に明らかにしました。また乳酸菌を純粋に分離したのはイギリスの外科医であるリスターであり、パスツール研究所のティシェは母乳栄養児の便からビフィズス菌を発見しました。日本に乳製品が伝わったのは飛鳥時代のことだといわれています。この頃から乳を加熱して発酵させるヨーグルトのような「酪」やチーズ状の「蘇」などが作られたと考えられていますが、その後、仏教の影響などにより乳製品の文化は途絶えていきます。乳製品が一般的になったのは明治時代になってからで、明治時代には牛乳が量り売りされるようになります。アイスクリームやバターの製造も始まりますが、ヨーグルトは他の乳製品よりも遅れて1892年(明治27年)、「凝乳」という名前で販売されました。しかし当初は食品というよりも、整腸剤として用いられることが多かったようです。1919年(大正8年)日本で初めて製品化された乳酸菌飲料が「カルピス」です。カルピスの発売以降、日本では乳酸菌飲料の研究開発が進み、1935年(昭和10年)には「ヤクルト」が誕生しました。2010年、スイスのジュネーブで開かれた「国際食品規格委員会(CAC)」の総会では、日本の乳酸菌飲料が新たな食品の国際規格として採択され、世界でも認められる食品となりました。

乳酸菌飲料の種類

乳酸菌飲料は食品衛生法にもとづく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」で2種類に分けられています。
・乳製品乳酸菌飲料
無脂乳固形分(牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分)を3.0%以上含み、乳酸菌数または酵母数が1000万/ml以上のものです。生菌タイプと殺菌タイプがあり、殺菌タイプは発酵後後に加熱殺菌して保存性を高めたもので、そのまま飲むものと、希釈して飲むものがあります。
・乳酸菌飲料
無脂乳固形分が3.0%未満で、乳酸菌数または酵母数が100万/ml以上のものです。

プロバイオティクスとプレバイオティクス

プロバイオティクスは、「腸内細菌のバランスを改善することによって宿主(人)の健康に有益に働く生きた微生物」と定義されています。つまり、腸内環境を改善し健康に役立つ生きた微生物を摂取することがプロバイオティクスで、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆などの食品を摂ることがあげられます。一方、プレバイオティクスは「大腸の特定の細菌を増殖させることなどにより、宿主(人)に有効に働く食品成分」と定義されています。つまり有用な腸内細菌のエサとなる食品成分を摂取することによって腸内細菌を改善するということで、オリゴ糖などが利用されています。さらに、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものをシンバイオティクスといいます。腸内環境を整える生きた菌と腸内の有用菌のエサとなる食品を同時に摂取することで、より効果的に腸内環境を改善して、健康の増進に役立つと考えられています。

乳酸菌飲料の栄養

多くの乳酸菌飲料は原料が牛乳であるため、カルシウムが含まれています。しかし製品の中にはカルシウムの含有量が少ないものもあり、乳酸菌飲料から十分なカルシウムが摂取できるとは限りません。製品によってはコラーゲンや食物繊維など、いろいろな栄養素を添加しているものもあります。

乳酸菌

乳酸菌とは、糖を消費して乳酸をつくる細菌の総称です。乳酸がつくられると腸内が酸性に保たれ、悪玉菌と呼ばれる菌の増殖を抑制します。乳酸菌の効果には整腸作用、コレステロールの低減作用、免疫力の向上、老化の抑制などがあげられますが、乳酸菌には非常に多くの種類があり、花粉症などのアレルギー症状を軽減する効果や、睡眠の質を高める効果など、さまざまな機能性が期待される乳酸菌もあり、研究が進められています。

薬膳の効果

牛乳を発酵させた食品には、発熱やほてり、不眠など、体内に熱がこもることが原因の症状に効果があるといわれています。また、便秘や皮膚の乾燥による発疹やかゆみにも効果があり、免疫力の向上や美肌にも有効です。

乳酸菌飲料のレシピ

生菌タイプの乳酸菌飲料では、未開封で10℃以下で保存した場合、賞味期限内では菌数や栄養価などに変化はありません。しかし製品中には生きた乳酸菌が入っているため、室温に放置した場合は、酸味が増すなどの劣化が生じることがあります。購入後は10℃以下の冷蔵庫で保存し、賞味期限内に飲みきるようにしましょう。また乳酸菌は死菌であっても腸内で有用な働きがあり、できるだけ毎日摂取することが効果的といわれます。

【乳酸菌飲料のノンアルコールカクテル】

乳酸菌飲料のノンアルコールカクテル

【材料】(各1杯分)
<乳酸菌飲料×豆乳>
・乳酸菌飲料(生菌タイプ)        1本(65ml)
・豆乳                  100ml
<乳酸菌飲料×甘酒>
・乳酸菌飲料(生菌タイプ)        1本(65ml)
・酒粕                  50g
・水                   100ml
・砂糖                  10g
<乳酸菌飲料×ヨーグルト×炭酸水>
・乳酸菌飲料(殺菌タイプ、希釈するもの) 30ml
・無糖ヨーグルト             60g
・炭酸水                 100ml

【作り方】
<乳酸菌飲料×豆乳>
1.乳酸菌飲料と豆乳をグラスに入れてよく混ぜてできあがりです。

乳酸菌飲料×豆乳

<乳酸菌飲料×甘酒>
1.酒粕と水をミキサーにかけます。
2.1.を鍋に入れて煮立て、砂糖を加えて混ぜます。
3.2.を人肌程度まで冷ましてから、乳酸菌飲料を混ぜてできあがりです。
※ お好みで砂糖の量を調整してください。
※ 甘酒の温度が高すぎると乳酸菌が弱ってしまうことがあります。時間があれば、甘酒を冷やしてから混ぜましょう。

乳酸菌飲料×甘酒

<乳酸菌飲料×ヨーグルト×炭酸水>
1.グラスに乳酸菌飲料とヨーグルトを入れてよく混ぜます。
2.炭酸水を入れて混ぜてできあがりです。
※ お好みで乳酸菌飲料の量を調節してください。

乳酸菌飲料×ヨーグルト×炭酸水

乳酸菌飲料レシピのまとめ

乳酸菌飲料は牛乳などを発酵させてから、甘味料や香料、果汁などを加えた飲み物です。乳酸菌には多くの種類があり、腸内環境を整えるほかにも多くの健康効果が期待されています。乳酸菌はできるだけ毎日摂取することが効果的といわれます。いろいろな飲み方を工夫してみましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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