目次
かぶとは
かぶはアブラナ科アブラナ属の植物で、成長すると一般的に「菜の花」と呼ばれる黄色い十字の花が咲きます。
土の中にできる白い部分は厳密には根ではなく、茎と根の間の「胚軸」という部分が肥大したものです。
葉もβカロテンを豊富に含む緑黄色野菜なので、無駄なく食べましょう。
かぶの選び方と保存方法
かぶは皮に張りとつやがあり、肩が盛り上がっているものを選びましょう。
葉はきれいな緑色でみずみずしく、葉の根元まできれいな緑色のものが新鮮です。
購入後はすぐに葉を切りとり、ラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
葉は日持ちはしないので、すぐに食べるようにしましょう。
白い部分は1つずつキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
かぶは冷凍保存することができます。洗って水分を拭きとり、白い部分と葉に切り分けます。
葉は使いやすい長さ(用途によって2~4㎝くらい)に切り、葉の部分と茎の部分に分けて冷凍用の保存袋に入れ、空気を抜いて袋の口を閉めて冷凍します。
使うときは、凍ったまま加熱調理しましょう。
白い部分は皮をむいて、丸ごとラップで包んでから冷凍用の保存袋に入れて冷凍します。
使うときは、冷水で洗うと包丁で切ることができる程度の半解凍になるので、ほとんど生と同じように調理できます。
絵本「おおきなかぶ」のかぶは?
「大きなかぶ」の絵本は、子どものころに読んだことがある人も多いのではないでしょうか。
大きな大きなかぶを抜くために、みんなが集まって協力するお話です。
このお話に登場する巨大なかぶは、日本の絵本では白いかぶが描かれていますが、実はこの物語はロシア民話で、ロシアやヨーロッパの絵本ではかぶは黄色く描かれています。
このかぶは「ルタバガ」であると考えられており、ロシアや北欧では身近な野菜のひとつです。
日本では以前、宮城県気仙沼市の大島という離島で栽培されていた「大島かぶ」がルタバガだといわれていますが、現在は食用としてはほとんど出回っていません。
スーパーなどで見かけることは少ないですが、直売店やネット販売、輸入野菜を扱う店舗などでは購入できることもあるようです。
かぶの仲間とされる野菜
見た目がかぶに似ていることから、かぶの仲間として扱われている野菜があります。
・ルタバガ
スウェーデンが原産といわれており、「スウェーデンカブ」や「カブハボタン」とも呼ばれます。
アブラナ科アブラナ属の植物でかぶに似ていますが、別種とされています。
寒さに強く貯蔵性が高いので、北欧やロシアで栽培されてきました。
切った断面は大根に似ていますが果肉は黄色くて肉質はかたく、日本で一般的なかぶとは異なり、甘みと特有の香りがあります。
・コールラビ
日本名は「カブランカン」や「カブタマナ」とされますが、「球茎キャベツ」と呼ばれることもあります。
アブラナ科の越年草で、茎が肥大した部分を食用とします。
ヨーロッパや中国、台湾では一般的な野菜のひとつで、中国では漬物として食べることもあります。
食感はかぶや大根と似ていますが、キャベツやブロッコリーに似た味わいがあり、生のまま食べたり、炒め物や煮物にも使われます。
皮は緑色のものと紫色のものがありますがどちらも果肉は白く、皮は厚くてかたいことがあるので一般的には皮をむいて使います。
・ラディッシュ
一般的なラディッシュの見た目は赤いかぶに似ていますが、日本語で「二十日大根」の名前があるように大根の仲間です。
地中海沿岸が原産の西洋品種の一種で、日本では小さい品種の総称としてラディッシュと呼ばれており、一般的な赤くて丸いものだけではなく細長いものや白いものもあります。
かぶの栄養と効果
かぶの白い部分は淡色野菜ですが、葉の部分は緑黄色野菜です。
・βカロテン
葉に豊富に含まれており、白い部分には含まれません。
強力な抗酸化作用を持ち、体内では必要に応じてビタミンAとして働きます。
粘膜や皮膚の健康維持、視機能の維持に欠かせない成分です。
・ビタミンK
葉に多く含まれており、白い部分には含まれません。
血液を凝固させて止血したり、カルシウムを骨に沈着させる働きがあります。
・葉酸
白い部分にも含まれますが、主に葉に多く含まれています。
赤血球を作るために必要であるほか、胎児の正常な発達に重要な働きがあります。
・ビタミンC
白い部分にも含まれますが、主に葉に多く含まれています。免疫力を高めたり、抗ストレス作用があります。
またコラーゲンの生成には欠かせないビタミンで、血管や関節など全身の健康維持に必要です。
・カルシウム
白い部分にも含まれますが、葉に豊富に含まれています。
骨や歯の構成成分で、成長期の子どもから高齢者まで、どの年代にも重要な成分です。
・カリウム
葉に多く含まれますが、白い部分にも比較的多く含まれています。
ナトリウムとバランスをとりながら存在し、高血圧やむくみの予防効果が期待できます。
かぶの酢のもの
かぶは生でも食べられるので、漬物や酢のものにすると短時間で味がなじんでおいしく食べることができます。
葉も一緒につけることで彩りがよくなり、栄養もアップします。
今回はかぶの皮をむかずに使いますが、より早く味をなじませたい場合は皮をむきましょう。
【かぶと梅の酢のもの】
【材料】
・かぶ 250g
・かぶの葉 50g
・塩 小さじ1
・砂糖 大さじ2
・酢 大さじ3
・顆粒和風だし 小さじ1/4
・梅干し 30g(種をとった梅肉)
【作り方】
①かぶは洗って白い部分と葉に切り分けます。長く伸びた根は切り落とします。葉の付け根部分も、根元部分をつまようじなどを使って洗い、適当な大きさに切ってみそ汁の具などに使いましょう。
②かぶは大きさに合わせて半分または1/4に切り、3㎜くらいの厚さにスライスします。
③葉は1㎝くらいの食べやすい長さに切ります。
④ボウルなどにかぶとかぶの葉を入れ、塩をまぶしておきます。
⑤梅干しの種子をとり、包丁で粗くたたきます。
⑥かぶから出た水をしぼって、ビニール袋などに入れます。
⑦残りの調味料と5.の梅干しも入れて、ビニール袋の上から軽くもんで調味料を混ぜます。
⑧冷蔵庫に入れ、数時間経って味がなじんだらできあがりです。
※梅干しの種類によって塩分や酸味が異なるので、塩や酢の量はお好みで調節してください。
まとめ
かぶの白い部分は厳密には根ではなく、胚軸と呼ばれる部分が肥大したものです。
かぶは葉にもビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
購入するときは緑色がきれいでみずみずしい葉のついたかぶを選びましょう。
かぶの仲間として扱われる野菜でも、厳密には別種のものがあります。それぞれに特徴があるので、機会があればぜひ食べてみましょう。
かぶは生でも加熱してもおいしく食べることができます。
春先に出回るかぶはやわらかくみずみずしいので、生で食べるのに適しています。
根の先端だけを切り落とせば、全て食べることができるので、丸ごと無駄なく食べましょう。
【まごころケア食】のお弁当は食材にこだわり、いろいろな食材や調理方法で、見た目も味も飽きずに食べることができます。
定番のメニューもひと工夫されて、違った料理のように楽しめるものもあります。
栄養士が監修しており栄養バランスが整っているので、安心して食べることができます。
ぜひお試しください。
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