目次
たことはどんな食材?
食用として一般的に「たこ」というと「マダコ」であることが多いようです。
近年は漁獲量が減少しており、スーパーなどに並ぶものは輸入されたたこがゆでて売られていることが多くなっています。
日本近海では関西では初夏から夏に獲れるマダコが珍重されますが、関東ではお正月料理にもよく利用されます。
たこの生態
たこは頭足類8腕目に分類されます。頭の下に足があり、頭の上に胴体がのっている体の構造をもち、腕が8本あります。
マダコは体表に色素細胞があり、周囲の環境に応じて体色を変化させます。
また外敵から身を守るために墨を吐いたり、自ら腕を切り落とすことがあります。
メスは春から秋にかけて産卵し、産卵後1か月は何も食べずに卵を守り、孵化を見届けると死んでしまいます。
たこを食べる国、食べない国
日本ではたこは古くから食材として一般的ですが、世界中にはたこを食べない国もあります。
中国や韓国、地中海沿岸のスペインやイタリア、東南アジアではたこは食用にされますが、アメリカやイギリスではたこを食べる習慣はありません。
これにはいくつかの理由がありますが、もっとも大きい理由は宗教的な理由があるようです。
キリスト教やイスラム教のもととなった旧約聖書では、魚介類はヒレとウロコがついたもの(魚)しか食べてはいけないとされており、さらに人間を海に引きずり込む「クラーケン」という怪物の伝説が、グロテスクなたこの見た目と重ねて言い伝えられてきたこともあるようです。
しかし現在はアメリカやイギリスでも日本の寿司が食べられるようになったことから、たこに挑戦してみる人もいるようです。
たこの栄養
たこは比較的カロリーが低く、タンパク質を多く含みます。
・ビタミンE
強い抗酸化作用があり、活性酸素から体を守ります。血行を促進する作用があり、血行障害による冷え性や肩こりの改善に効果が期待できます。
・ナイアシン
ナイアシンは細胞の新陳代謝を助けるため、新陳代謝の活発な粘膜や皮膚の健康維持に役立ちます。
また毛細血管を拡張する作用があるので血行を促進します。さらにアルコールの分解にも必要であり、二日酔いの予防効果も期待できます。
・ビタミンB12
葉酸とともに正常な赤血球を作るために必要なビタミンです。またタンパク質の合成を助ける働きにより、神経細胞の機能を正常に保つ効果があります。
末梢神経の傷を治す働きもあり、肩こりや腰痛しびれなど神経痛の治療薬としても利用されています。
・亜鉛
亜鉛は体内のさまざまな化学反応にかかわる酵素の成分として重要なミネラルです。
細胞の新陳代謝にも不可欠であるため、成長期の子どもや創傷の治癒など、新陳代謝が活発なときには特に重要と考えられます。
さらに亜鉛は生殖機能とも関係が深く、性ホルモンの分泌や精子の形成にも必要です。
・銅
銅は小腸で吸収され、体内でタンパク質と結びついて鉄を酸化することでヘモグロビンの合成を助けています。
鉄は銅が存在しないと体内で利用できないため、ヘモグロビンを合成できません。鉄欠乏性貧血の予防や改善には、鉄だけではなく銅も必要です。
・タウリン
タウリンはアミノ酸の一種で、自律神経のバランスに作用し、血圧の上昇を抑制する効果があるとされています。
また肝臓で胆汁酸の分泌を増加させることでコレステロールの分解・排泄を促進します。さらに酵素の働きを助けてアルコールの代謝を促進することで、肝臓の負担を軽減する効果が期待できます。
しめじとはどんな食材?
スーパーなどで一般的に売られているのは栽培物のブナシメジです。
天然では秋にブナなどの広葉樹の倒木や枯れ木に生えていることがありますが、栽培物とは形状が異なります。
栽培物のブナシメジには色が白い品種も開発されており「ブナピー」という名前で売られています。
しめじの栄養
・ビタミンD
小腸でのカルシウムとリンの吸収を高め、血液中のカルシウム濃度を高めます。血液中のカルシウムを骨や歯に沈着させ、骨や歯の健康を維持します。
・βグルカン
しめじに含まれる多糖類の一種であるβグルカンは不溶性食物繊維の一種で、胃腸で消化・分解されません。
βグルカンは腸の内壁にある免疫細胞に働きかけて免疫力を高め、体内に侵入したウイルスや細菌に対しての抵抗力を高める効果が期待されています。
たことしめじのレシピ
「アヒージョ」はスペイン料理です。日本ではアヒージョは料理名として使われていますが、本来アヒージョはスペイン語で「きざんだにんにく」の意味です。
オイルで煮る調理法はフランス料理では「コンフィ」と呼ばれ、同じような料理はイタリアにもありますが、日本で一般的になっているイタリア語の料理名が無く、イタリア料理店でも「アヒージョ」や「コンフィ」などの料理名でメニューにのっていることがあるようです。
【たことしめじのアヒージョ風】
【材料】
・たこ(ゆで) 100g
・しめじ 1パック(100g)
・パセリ 1枝
・にんにく 1かけ
・アンチョビ(フィレ) 2枚
・ オリーブオイル 大さじ3
・塩 適量
・こしょう 適量
【作り方】
1.パセリは洗ってからよく水分をきり、みじん切りにしておきます。
2.にんにくはやや厚めのスライスに切り、アンチョビは手でちぎっておきます。
3.たこは食べやすい大きさのぶつ切りにします。加熱すると小さくなるので、少し大き目に切っても大丈夫です。
4.しめじは石づきを切り落とし、小房に分けておきます。
5.スキレット、または小さめのフライパンにオリーブオイルとにんにく、アンチョビを入れて火をつけ、弱火で加熱します。
6.にんにくの香りがしてきたら、しめじを入れます。
7.しめじがしんなりしてきたらたこを入れます。
8.上下を返しながら加熱し、全体に火が通ってきたらパセリを入れて混ぜながら加熱します。
9.塩とこしょうで味をつけてできあがりです。
※オリーブオイルに鷹の爪を入れても、辛みがついておいしくなります。
※残ったオイルはパンにつけたり、パスタに絡めておいしく食べることができます。
【たことしめじのアヒージョ風の栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。
エネルギー:224Kcal
タンパク質:10.2g
脂質:19.0g
糖質:1.9g
レチノール活性当量:49㎍
ビタミンD:0.3㎍
ビタミンB1:0.09㎎
ビタミンB2:0.15㎎
ビタミンB6:0.19㎎
ビタミンB12:1.8㎍
ビタミンC:6㎎
カルシウム:32㎎
鉄:1.8㎎
亜鉛:2.0㎎
食塩相当量:1.5g
『たことしめじのレシピ』まとめ
たこは比較的低カロリーでタンパク質だけではなく、ビタミンやミネラルも豊富に含みます。
日本では古くから食用とされてきましたが、世界にはたこを食べない国もあります。
地中海沿岸の国ではたこを食べる地域は多く、スペインやイタリアではたこを使った料理もあります。
オリーブオイルでいろいろな食材を煮る料理は、日本では「アヒージョ」及ばれていますが、アヒージョは日本語では「きざんだにんにく」の意味で、調理方法ではありません。
オイルで食材を煮るという調理方法は日本ではあまり馴染みがないものでしたが、スペインやイタリア、フランスなどでは一般的な料理で、アヒージョの人気によって日本人にも浸透しています。
【まごころケア食】のお弁当はいろいろな調理方法や味付けで、食べ飽きないような工夫がされています。
自分で作るには手間がかかったり、少量作るのが難しい料理も食べることができます。
冷凍のお弁当なので、食べたいときにいつでも食べることができます。ぜひお試しください。
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