体に必要なオメガ3系脂肪酸 アマニ油のおすすめレシピと健康効果

体に必要なオメガ3系脂肪酸 アマニ油のおすすめレシピと健康効果
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アマニ油とはどんな食材?

アマニ油は成熟した亜麻の種を圧搾、または潰して溶媒で抽出することで得られる、黄色味のある油です。フラックスシードオイルとも呼ばれます。食用の他に、油絵の具の媒剤や塗料の材料などにも使われます。

アマニ油の歴史

日本でアマニ油が注目されるようになったのは2000年以降のことですが、海外では古くから食用とされており、原料の亜麻は石器時代の遺跡からも発掘されています。文明の発祥地であるチグリス・ユーフラテス川沿岸の地域では紀元前8000年~7000年頃から、エジプトでも紀元前5000年~2000年には栽培されていたと考えられています。紀元前400年頃にはギリシャの医学の父と呼ばれるヒポクラテスが、亜麻の種は腹痛に良いとして亜麻の栽培を推奨したといわれています。少なくとも5000年以上前には、エジプト、インド、中国などで食用とされていたようです。日本では1800年頃になって北海道開拓初期に亜麻の栽培が始まりました。しかしこの時は軍需用の繊維原料としての利用が目的で、食用ではありませんでした。第二次世界大戦後は化学繊維が台頭してきたことで、亜麻の栽培は衰退していきましたが、2000年に入り健康志向の高まりから、食用として注目を浴びるようになりました。

必須脂肪酸

日常的に食用される油脂は大きく4種類に分けることができます。
・飽和脂肪酸:バター、牛脂など
・オメガ9系脂肪酸:オリーブオイル、菜種油など
・オメガ6系脂肪酸:サラダ油、コーン油、ごま油など
・オメガ3系脂肪酸:アマニ油、エゴマ油、魚油など
飽和脂肪酸は常温で固体の脂で、その他は不飽和脂肪酸であり、常温で液体の油です。このうち飽和脂肪酸とオメガ9系脂肪酸は体内で作り出すことができますが、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸は体内で作り出すことができません。食事から摂る必要があるので、「必須脂肪酸」と呼ばれています。現代の日本人は食生活の変化によって、オメガ3系脂肪酸の摂取量が他の脂肪酸と比較して極端に少ないといわれています。オメガ6系脂肪酸は過剰摂取の傾向にあり、摂取している脂肪酸のバランスが健康の維持にとって重要であると考えられています。

オメガ3系脂肪酸 α-リノレン酸の効果

オメガ3系脂肪酸の代表はα-リノレン酸です。α-リノレン酸は体内で代謝され、EPAやDHAとなります。アマニ油の他、エゴマ油にも含まれています。
・血流の改善、血栓予防
体内でEPAやDHAに変換されて血流を改善し、動脈硬化や心筋梗塞、高血圧などの生活習慣病を予防する効果が期待できます。
・アレルギー症状の抑制
α-リノレン酸はリノール酸と競合的な働きがあるといわれます。リノール酸はオメガ6系脂肪酸のひとつで、血中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きがある一方、摂り過ぎるとアレルギー症状を悪化させる可能性があるといわれます。そのため、α-リノレン酸の摂取によってアレルギー症状が抑制されると考えられています。
・健康な細胞を作る
脂肪酸は細胞膜など生体膜の構成成分です。人間の細胞は一つ一つが細胞膜によって守られています。不足しがちなα-リノレン酸を摂取することで脂肪酸のバランスが整い、細胞膜が安定して健康な細胞が維持されると考えられています。

アマニ油に含まれる栄養価

ビタミンK

ビタミンKの主な働きは血液凝固にかかわるものです。血液凝固にはプロトロンビンなどの血液凝固因子が必要ですが、肝臓でプロトロンビンが生成されるときの補酵素としてビタミンKが必要です。ビタミンKが欠乏するとプロトロンビンが減少するため、血液凝固に時間がかかるようになり、出血した際には血が止まりにくくなることがあります。またビタミンKはカルシウムを骨に沈着させる働きがあるため、骨を丈夫にするためにも必要なビタミンです。

ビタミンA

ビタミンAの主要成分であるレチノールは、視細胞で光の刺激反応にかかわるロドプシンという物質の合成に必要であり、視力の明暗順応を正常に保つために必要です。また皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を高める働きもあります。

ビタミンE

ビタミンEは細胞膜の脂質二重層の中に存在しています。過酸化脂質の生成を抑制して血管を健康に保ったり、生体膜の機能を正常に保つことで細胞の酸化を防ぎ、アンチエイジング効果も期待されます。他にも赤血球の溶血を防ぎ、生殖機能を正常に保つためにも必要です。

薬膳の効果

油には大腸を潤す働きがあるといわれ、大腸の乾燥から起こる便秘に有効です。腸と皮膚は関係が深いので、皮膚を潤す効果も期待できます。食物が滞ることでおこる腹痛や、熱を持った腫れ物、潰瘍などの不調に良いといわれます。

アマニ油のおすすめレシピ

アマニ油は特有の味や香りが少なくどんな料理にも合わせやすい油といえますが、非常に酸化しやすいため、加熱調理には向きません。ドレッシングやソースのように、そのまま使用しましょう。汁物に数滴たらしたり、ヨーグルトやフルーツにかけてもおいしく食べることができます。酸化は熱や光によっても進行するため、開封後はできるだけ早く食べきるようにしましょう。基本的には冷暗所保管ですが、商品の容器によっても保管環境が異なることがあります。商品に記載されている保管方法を確認しましょう。

【アマニ油のドレッシング】

アマニ油のドレッシング

【材料】(2~3人分)
・アマニ油       10㏄
・酢          10㏄
・レモン汁       少量
・砂糖         小さじ1/4
・塩          小さじ1/2
・こしょう       適量
・タイム        適量(お好みで)

【作り方】
1. すべての材料を合わせてよく混ぜます。

作り方1

※ 作り置きはせず、使用するときに必要な分を作るようにしましょう。
※ 米酢、ワインビネガー、リンゴ酢など酢の種類を変えると、異なった風味が楽しめます。

『アマニ油レシピ』まとめ

アマニ油は、現代の日本人に不足しがちなオメガ3系脂肪酸を含みます。オメガ3系脂肪酸は体内で合成できないため、食事から摂る必要があります。アマニ油はとても酸化しやすい油なので、加熱調理には使用せずそのまま食べるようにしましょう。1日の摂取目安は小さじ1杯程度といわれています。日常のお食事に適量を利用して、健康の維持に役立てましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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