日本人にはとてもなじみのある二枚貝、あさり。春になると潮干狩りに行ってたくさん掘った記憶がある方も多いのではないでしょうか?
今回は、私たちにとてもなじみ深いあさりの栄養や健康効果、また、上手に砂抜きするポイントなどをご紹介します。
こちらのコラムもおススメですよ。
→【あさりの栄養|旨味たっぷりで貧血予防にも効果的!】
目次
あさりの栄養素や効能とは?
とても小さなあさりですが、実は豊富な栄養素を含んでおり、私たちの体にもよい効能があります。
・カリウム
カリウムは私たちが取りすぎた塩分(ナトリウム)を体外へ排せつし、高血圧を予防したり、細胞の中の体液の量を調整し、むくみを解消したりする働きがあります。
梅雨前や立ち仕事の後にむくみやすい方、塩分の多いものを取りすぎたと思った時に、特におすすめです。
・カルシウム
カルシウムは私たちの体内に最も多く含まれるミネラルです。
骨や歯のもとになるほか、神経伝達を調整し、心筋をはじめとする筋肉の動きを調整しています。
あさりには、特に殻に多くのカルシウムが含まれています。
調理するときには、小さじ1杯程度の酢を加えて加熱すると、殻から溶け出したカルシウムを効率的にとることができます。
(小さじ1杯程度の酢の酸味は加熱するときに飛んでしまうので、味には影響は出ません。)
また、私たちの骨にカルシウムを沈着させるためには適度な運動による骨への負荷と、ビタミンDが必要です。
ビタミンDが豊富なキノコや鮭などと合わせて食べるとよいでしょう。
・鉄
鉄は血液中のヘモグロビンの材料となり、呼吸により取りこんだ酸素を体内の隅々にまで届ける働きがあります。
また、肝臓に貯蔵され、必要に応じて放出されています。
鉄分が不足すると、十分な量の酸素を体内に送り届けることができなくなり、貧血を引き起こしたり、心臓に過剰な負荷がかかって動悸や息切れを引き起こしたりすることがあります。
女性は特に、出産や生理で鉄不足になりやすいため、積極的にとる必要があります。
なお、鉄分はビタミンCを合わせて取ることで吸収率が高まります。フルーツやトマト、ジャガイモなどの野菜類と合わせてとるとよいでしょう。
・亜鉛
亜鉛はタンパク質の代謝にかかわる酵素の材料となっています。そのため、肌や髪を美しく保つためにはとても大切な成分の一つです。
また、舌の上にある「味蕾」という細胞の分裂を正常に保つ働きがあり、不足すると味覚障害を引き起こすことが知られています。
さらに、免疫細胞の材料でもあるため、不足すると免疫力が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
・ビタミンB12
ビタミンB12は、体内で消化や代謝をつかさどる多くの酵素の働きを助ける、補酵素として働いています。
肌や髪を美しく保つこと、神経や赤血球の生成にとても重要な役割を担っています。
不足すると、頭痛やめまい、吐き気、神経痛や慢性疲労が起こりやすくなると言われています。
ひどくなると、巨赤芽球性貧血という悪性の貧血を引き起こすことがあります。
・タウリン
タウリンは肝臓の働きを強化して解毒機能を高める作用があります。古くから飲酒後にはあさりやシジミの味噌汁が良いとされるのは、そのためです。
また、疲労回復効果や血圧の安定、悪玉コレステロールや中性脂肪の低減にも効果があるとされています。
あさりの選び方と調理・保存方法
栄養価が高くおいしいあさり、新鮮でおいしいものを選ぶにはポイントがあります。上手に選んで日々の料理に活用してくださいね。
おいしいあさりの選び方
・殻付きの場合
殻の模様が黒っぽいもの、ふっくらと丸みがあり、しっかりと口を閉じているもの、塩水につけてあるものは少し開いて水管が出ているものが新鮮で、しっかりと身が成長しているものです。
殻が変形したり割れたりしているもの、力なく開いているものは傷んでいる可能性があるので避けましょう。
・むき身の場合
ふっくらと弾力があり、触ってもヌルヌルとしたぬめりがないものを選びましょう。
あさりの砂抜き方法
砂抜きがうまくできていないと、食べたときにジャリジャリとしておいしさも半減してしまいます。
ちょっとしたコツをつかんで砂抜きすると、おいしくいただくことができます。
・用意するもの
あさりが重ならずに並べられるバットと網
海水と同様の塩分濃度の水
(水500mlに対し、塩大さじ1)
・砂抜き方法
①水と塩を合わせ、よく溶かしておきます。この時、水に酸素がしっかりと溶け込むように少し勢いよく混ぜるとよいでしょう。
②バットの上に網を乗せ、その上にあさりを並べます。あさりの頭が軽く出るくらいの深さに、①の塩水を静かに注ぎ入れます。
③新聞紙や逆さにしたバットなどを載せ、暗くして2〜3時間放置します。気温が高い夏は砂出し中に水温が上がり、あさりが死んで傷んでしまうことがあるので、冷蔵庫で時間をかけて砂出しするとよいでしょう。
いつでもおいしく食べるために、あさりの保存方法
あさりが大量に手に入った時には、まとめて砂出しし、殻をこすり洗いしてから水につけた状態で密閉し、冷凍するか、酒蒸しにして殻から外し、蒸し汁につけた状態で冷凍しておくと、すぐに使えて便利です。
また、忙しい日にはレシピで使用している冷凍あさりや水煮缶が使いやすくてよいですね。
それぞれの生活スタイルに合わせて、使いやすいものを上手に活用してくださいね。
あさりのあったかスープパスタ
【あさりのスープパスタ】
先ほどご紹介した栄養成分のほかに、あさりには、コハク酸といううま味成分がたっぷりと含まれています。
このうま味成分をしっかりと引き出し、暖かいスープパスタにすることで消化もよくなり、少し夜食が欲しい時や食欲がない時にもおすすめです。
冷凍あさりを使うと砂抜きの手間もなく、思い立った時にすぐに作れるのもうれしいですね。
【材料】(1人分)
冷凍あさり…70g
乾燥パスタ(10分茹でのもの)…70g
ほうれん草…2株
油…大さじ1
料理酒または白ワイン…大さじ1
○水…600ml
○コンソメ粉末…4.5g
(仕上げ用)
塩・黒胡椒…各適量
【作り方】
①ほうれん草は5cm幅に切り、さっと下茹でして水気をしっかりと切っておきます。
深めのフライパンに油と凍ったままの冷凍あさりを加え強火で軽く炒めます。
②火が通ったら料理酒または白ワインを加え沸騰させます。
③○を加え混ぜ、パスタを半分に折り入れ5分茹でます。
④ほうれん草を加え、パスタがお好みの硬さになるまで(約3分)煮込みます。
⑤火を止め、塩、黒胡椒で味を調える。
【このレシピのコツ・ポイント】
・料理酒または白ワインを加えることで、グッと旨みが増します。
・パスタは袋に書いてある茹で時間を参考に、好みの硬さになるよう調整してください。
『あさりレシピ』のまとめ
今回はあさりの栄養や健康効果、おいしいレシピをご紹介しました。
うま味が豊富で、スープのほかにも酒蒸し、炒め物やご飯ものと、和洋中さまざまな料理に利用することができます。
一度に大量に食べるのではなく、毎日少しずつ、ほかの食材と上手に組み合わせておいしく食べ、健やかな体の維持に役立ててくださいね。
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