天然のインスリン 菊芋

天然のインスリン 菊芋

パッと見た感じ、しょうがと間違えそうな形をした菊芋。ここ十年ほどで、市場に出回ることが増え、手に取りやすくなってきましたね。テレビの情報番組で、菊芋はとても体に良いものだと紹介されていることもあります。今回は菊芋に含まれる栄養素やおいしい料理をご紹介します。

菊芋とはどのような芋?

菊芋はキク科ヒマワリ属の多年草の、肥大化した根の部分になります。原産はアメリカ北部とされています。アメリカでは原住民であるアメリカインディアンの方々が食用にしていたものが、1600年代にヨーロッパに落ち込まれ、普及していきました。
日本には江戸時代に持ち込まれたようですが、当時はホクホク感、ねっとり感がないことからか食用としてはあまり好まれず、家畜の飼料用として利用されていました。
菊芋が広く食べられるようになったのは、第二次大戦直後のことです。旺盛な繁殖力から栽培が容易で、当時は作付け統制野菜として栽培され、食糧難を救う貴重な存在となっていました。
しかし、やはり当時の調理方法にはそぐわなかったのか、時を経て食糧が豊富になっていくうちに選ばれることが減り、店頭から姿を消していったということです。
その繁殖力の強さから、現在は要注意外来生物に指定されています。
しかし、現在ではその健康効果が知られ、健康食品や飲料の原料として利用されることが増え、各地で栽培が盛んになってきています。旬は花が終わった秋以降、新芽が伸び始める春までの間ですが、菊芋の代表的な成分、イヌリンは秋が一番多く含まれているということです。
菊芋には生姜によく似た白色種と、赤みがかった紫色種の2種類がありますが、どちらも丸みがあり、しっかりと固く締まったものが良品です。

菊芋の栄養価とは?

① カリウム

カリウムは主に私たちの細胞内液に含まれ、過剰に摂取したナトリウムを排泄する働きがあり、血圧の安定に効果があります。また、利尿効果があるためむくみを予防する働き、カルシウムの沈着を助け、骨粗しょう症の予防に効果があります。

② 銅

鉄は血液中の赤血球を作るサポートをする、大切な栄養素の一つです。貧血というと、鉄分、というイメージがありますが、鉄分をヘモグロビンに届ける働きをしているのが銅なのです。
ミネラルとしてはあまり耳慣れない銅ですが、不足しないよう、毎日少しずつ摂取しておきたいですね。

③ ビタミンB6

ビタミンB6はたんぱく質を利用して筋肉や血液を作り出したり、たんぱく質をエネルギーに変換したりする働きをしています。そのため、不足すると肌荒れや皮膚炎、口内炎を引き起こしたり、脳波の異常が見られたりすることがあります。

④ 葉酸

葉酸は、細胞や赤血球を新たに形成する時に必要なDNAなどの合成を助ける重要な役割を持つ栄養素の一つです。不足すると、脳卒中や心筋梗塞など、循環器系の疾患の原因となるのではないかという研究があるほか、妊娠中の女性が葉酸不足になると、胎児に神経管閉塞障害という先天性の疾患がみられることがあります。

⑤ イヌリン(水溶性食物繊維)

イヌリンは水溶性食物繊維の一種で、ビフィズス菌の餌となり、腸内環境の改善に一役かっています。また、血糖値の急激な上昇を防ぐ作用があるため、天然のインスリンとも呼ばれています。

菊芋のポタージュ

イヌリン豊富な菊芋、スープにしてもおいしくいただくことができます。
ポタージュスープにすると、寒い日や食が進まないときにも、食べやすくておすすめですよ。
【材料】   2人分
・菊芋・・・200g
・玉ねぎ・・・大1/4個
・オリーブオイル・・・大さじ1
・ベイリーフ・・・1枚
・牛乳・・・250cc
・塩・こしょう・・・適宜
・イタリアンパセリなど・・・適宜

材料

【作り方】
① 菊芋はコブが重なっているところを切り離して洗い(土が詰まっていることがあります。)傷んでいる部分の皮をむき、1cm角程度にザクザクと刻みます。(皮は薄いので、気になる部分のみ剥けば大丈夫です。)

作り方①

② 玉ねぎは1cm角程度に刻んでおきます。イタリアンパセリは葉をちぎりとっておくか、粗く刻んでおきます。
③ フライパンにオリーブオイルを熱し、①の菊芋、②の玉ねぎをざっと炒め、全体がひたひたに浸かる程度の水(分量外)とベイリーフを加えて中火で沸騰させます。沸騰後10分程度煮て、菊芋が柔らかくなれば火を消してミキサーにかけ、ピューレ状にします。
④ 鍋に戻し、牛乳を加えて伸ばしながら温めて塩、こしょうで味を整えます。

作り方④

⑤ 器に盛り、②のイタリアンパセリ、こしょうをちらして出来上がりです。

作り方⑤

まとめ

「天然のインスリン」ともいわれる菊芋。手軽に食べられるポタージュスープですが、ミキサーを使い、忙しい中に作るには、ちょっと手間を感じるかもしれませんね。
作る時には多めに準備して、一度にまとめて③の段階のミキサーにかけるところまでを済ませ、1回分ずつを清潔な容器に入れて冷凍しておくのはいかがでしょうか?
忙しい朝にも、温めて牛乳でのばすだけと簡単に食べることができますよ。
ぜひお試しくださいね。

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