タピオカの栄養と簡単レシピ

タピオカの栄養と簡単レシピ
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

タピオカとはどんな食材?

タピオカとはキャッサバという植物の根茎を原料としたデンプンで、菓子の材料や料理に使われるほか、紙の増強剤や糊として工業利用もされています。近年、ドリンクやスイーツとして人気のあるタピオカは「タピオカパール」と呼ばれ、タピオカデンプンを球状に加工したものです。

タピオカの原料

タピオカの原料は、キャッサバというトウダイグサ目トウダイグサ科イモノキ属の植物の根茎部分です。キャッサバを主食としている国や民族も多く、煮物にしたり、キャッサバの根を原料としたデンプンをパンのように加工したりして食べられています。生のキャッサバにはシアン化合物という有毒な成分が含まれており、生食はできません。毒が多く含まれる皮や芯部をとり除き、水にさらしたり加熱したり、発酵させることで毒抜きができます。キャッサバには苦味種と甘味種があり、苦味種は主にデンプンに加工するための原料とされ、甘味種が根菜として利用されています。さつま芋と長いもを合わせたような外見で、表面はかたい皮で覆われています。このキャッサバから抽出したデンプンを水と混ぜて加熱し、糊化させてから球状に加工したものがタピオカパールです。もともとのタピオカパールは白い色をしていますが、近年人気のスイーツなどに利用されるタピオカパールは、カラメルやブラウンシュガー、着色料などで着色されています。

タピオカの歴史

江戸時代後期の蘭学者である高野長英が翻訳した医薬書には、タピオカが「答必膃加」と記されています。戦後の食糧難の時代には、主食用として日本でもキャッサバが栽培されていました。現在国内でも生産されていますが、根菜として食用することは少なく、お菓子の原料や料理のとろみづけのためのデンプン粉に加工されたり、工業用として利用されています。日本では1990年代にタピオカの第1次ブームがおこりました。このときは、白くて小さな粒のタピオカをココナツミルクに混ぜた「タピオカココナッツミルク」というスイーツが流行しました。近年人気の「タピオカミルクティー」は大粒の黒いタピオカをミルクティーに混ぜたもので、台湾で考案されました。台湾の喫茶店のオーナーが、若い人にも日常的にお茶を飲んでほしいという思いから考えたといわれています。

タピオカの種類

タピオカのもともとの色は白ですが、タピオカミルクティーに利用されるものは黒や茶色に色づけされています。最近ではカラフルに着色されたものも販売されています。粒の大きさもいろいろあり、用途によって使い分けることができます。一般的に市販されているものは、乾燥タピオカと生タピオカに分けられます。
・乾燥タピオカ
球状に成形して乾燥させたタピオカパールです。ゆでで戻してから使用しますが、ゆで時間は商品によって異なります。乾燥の状態であれば長期保存が可能です。
・生タピオカ
乾燥させていない状態のタピオカパールです。シロップ漬けになっているものや、加熱処理後に急速冷凍した冷凍タピオカなどがあります。シロップ漬けのものは開封してそのまま食べることができます。冷凍タピオカは短時間ゆでてから使用します。

タピオカに含まれる栄養

タピオカの原料であるキャッサバにはビタミンCや食物繊維が含まれていますが、加工されたタピオカデンプンには含まれていません。タピオカの主成分はデンプンで、タンパク質や脂質をほとんど含みません。カリウムやカルシウムなどのミネラルをわずかに含みますが、ビタミン類はほとんど含まれていません。

糖質

糖質はタンパク質や脂質とともに3大栄養素のひとつで、主にエネルギー源として利用されます。タピオカに含まれるデンプンは糖質の一種です。糖質は脂質やタンパク質に比べて分解・吸収が速いので、即効性のあるエネルギー源といえます。エネルギーとして利用されなかった糖質は中性脂肪として蓄積されます。摂り過ぎは肥満や生活習慣病につながる可能性がありますが、不足するとエネルギーが十分に供給されなくなることで疲労感や判断力の低下などの症状をひきおこす可能性があります。また糖質を極端に制限すると、体タンパク質をエネルギー源として利用するため、筋肉量が減少する可能性もあります。

タピオカのおすすめレシピ

シロップ漬けのタピオカはすぐに食べることができますが、開封後は日持ちがしないのですぐに食べきるようにしましょう。一般的に手に入りやすいのは乾燥タピオカです。乾燥タピオカは、開封後は吸湿しやすいので、密閉できる容器や保存袋に入れて冷暗所で保管します。ゆで戻ししたタピオカは日持ちがしないので、すぐに食べきるようにしましょう。食べきれなかった分は小分けにして冷凍することで、2週間ほど保存できます。タピオカの水気をきり、使いやすい分量に分けてラップにのせます。少量の砂糖をふりかけてから包み、冷凍用の保存袋に入れて密閉して冷凍します。使うときは500Wの電子レンジで30~40秒を目安に解凍してから使いましょう。

【タピオカ入りスパイスミルクティー】

タピオカ入りスパイスミルクティー

【材料】(2杯分)
・水             200ml
・牛乳            400ml
・紅茶            5g
・スターアニス        1個
・シナモンスティック    1本
・練乳(加糖)        大さじ2
・砂糖            適量
・乾燥タピオカ(ブラック)  40g

【作り方】
1.鍋にたっぷりのお湯を沸かします。
2.お湯がしっかり沸騰したら、タピオカを入れます。

作り方2

3.ふたをして沸騰を保つ火加減に調整し、商品に記載のゆで時間を目安にゆでます。ゆでている途中でお湯が少なくなったときは、熱湯を足しましょう。
4.タピオカをゆでている間にミルクティーをつくります。水と牛乳を鍋に入れ、スターアニス、シナモンスティック、紅茶を加えて中火で加熱します。

作り方4

5.沸騰したら火を弱め、吹きこぼれない程度に数分煮立てます。

作り方5

6.紅茶がしっかりと煮出せたら茶こしでこして、茶葉とスパイスをとり除きます。
7.ミルクティーが温かいうちに練乳と砂糖を加えてよく混ぜ、粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて冷やしておきます。
8.タピオカは途中でかたさを確認し、好みのかたさになったら火を止めます。ざるにあげて水にさらして水気をきります。
9.コップにタピオカを入れ、冷えたミルクティーを注いでできあがりです。太めのストローを使用して飲みましょう。

※ タピオカのゆで時間は、大きさによって異なります。商品に表示されているゆで時間を目安にしましょう。
※ スパイスはお好みのものを使用してください。粉末のスパイスで手軽につくることもできます。
※ 紅茶はアールグレイを使用しましたが、お好みの紅茶をお使いください。

タピオカレシピのまとめ

タピオカはキャッサバのデンプンが原料です。スイーツやドリンクで人気のタピオカは、タピオカデンプンを球状にしたタピオカパールを使用しています。市販の乾燥タピオカを使って、家庭でも人気のデザートを楽しんでみましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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