目次
卵焼きとはどんな料理?
卵焼きは、溶きほぐした鶏卵を焼いた料理の総称です。
一般的には厚みのある四角い形に焼き上げて成型したものを指し、味付けや具材の有無など地域や各家庭によっても特徴のある料理のひとつです。
「玉子焼き」と表記することもあります。
「厚焼き卵」と「だし巻き卵」
卵焼きは、関東ではだしとみりんで甘く味をつけ、関西ではだしをきかせてあまり甘い味付けにはしないという特徴があります。
日本料理でプロが使う「玉子焼き器」と呼ばれる調理器具も、関東で使われるものは正方形に近く、関西で使われているものは長方形という違いがあります。
関東風の卵焼きは、砂糖やしょう油を合わせただしを、溶いた卵に混ぜて焼きます。
玉子焼き器の向こう側半分を手前に折りたたむようにしながら焼き、厚みをだしていきます。関西風の卵焼きはだしを多く入れ、みりんや塩で味をつけます。
水分が多いため、つなぎとして片栗粉などを入れることもあります。
玉子焼き器に卵液を流し入れ、手前から向こう側にクルクルと巻くようにして太さを出していきます。
このように、卵以外の副材料や焼き方の違いによって、関東風の卵焼きを「厚焼き卵」、関西風の卵焼きを「だし巻き卵」と呼び分けることがあります。
卵に含まれる栄養
卵には、人の体内では合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれた、アミノ酸スコア100の良質なタンパク質が豊富に含まれています。
また卵には、ビタミンC以外のビタミンはほとんど含まれているといわれ、特にビタミンD、ビタミンB2、ビタミンB12 、ビオチンは多く含まれています。
鉄、亜鉛、セレンなどのミネラルも豊富で、タンパク質だけではなくビタミンやミネラルもバランスよく含まれている栄養価の高い食品です。
卵に含まれるコレステロールを気にする人もいますが、そもそもコレステロールは人体に必要な栄養素のひとつであり、人体には体内のコレステロール量を一定に保つ機能があるため、健康な人では卵のコレステロールを気にする必要はないといわれています。
ひじきとはどんな食材?
ひじきは褐藻類の海藻の一種で、一般的には乾物として利用されています。
高知県の遺跡の発掘物にひじきと思われる海藻が付着していたことから、縄文人や弥生人もひじきを食べていたと考えられています。
ひじきの種類
一般的に市販されているひじきには「芽ひじき」と「長ひじき」があります。芽ひじきはひじきの葉の部分で、別名「姫ひじき」とも呼ばれます。
長ひじきはひじきの茎の部分で「茎ひじき」とも呼ばれ、長ひじきは芽ひじきよりも太く、歯ごたえがあります。
1本の原藻から採れるのは、約80%が芽ひじき、約20%が長ひじきです。
ひじきのヒ素
2004年英国食品規格庁(FSA)は、ひじきには無機ヒ素が多く含まれており、発がんのリスクが高いため食べないようにという勧告を出しました。
その後日本で行われた調査・研究の結果、現在日本の農林水産省では、乾燥ひじきは水戻し、水洗い、ゆでこぼしなどの下処理をすることで水溶性の無機ヒ素は水中に流出するため、体重50㎏の人が毎日4.7gのひじきを継続して長期間食べ続けない限り、ヒ素中毒の健康被害は起きないとしています。
大事なのは下処理をしっかりと行うことです。
乾燥ひじきを戻さずにそのまま調理したり、ゆでる代わりに少量の水で蒸す、電子レンジで戻すなど、作業効率だけを優先した下処理は適切とはいえません。
古くから伝統的に行われている食材の下処理には、理に適った意味があるといえます。
ひじきに含まれる栄養
ひじきには,ビタミンK、ヨウ素、食物繊維などが多く含まれています。
以前は鉄分が多い植物性食品の代表ともなっていたひじきですが、ひじきの下処理に利用される釜の材質によって鉄の含有量に大きな違いがあることがわかり、2015年に公表された日本食品成分表では、下処理に使われた釜が鉄製かステンレス製かで分けて記載されています。
市販されている乾燥ひじきはステンレス釜で下処理された商品が多くなっているといわれますが、それでも植物性の食品の中では比較的多くの鉄を含んでいる食品のひとつといえます。
ひじき入り卵焼きのレシピ
今回はひじきの煮物を作り、卵と混ぜて焼きます。
常備菜としてひじきの煮物を作っておけば卵と混ぜるだけで味付けいらず、朝の忙しい時間に作るお弁当のおかずにぴったりです。
【ひじき入り卵焼き】
【材料】(ひじきの煮物:作りやすい分量、ひじき入り卵焼き:1人分)
<ひじきの煮物>
・乾燥芽ひじき 25g
・にんじん 70g
・油揚げ 1枚
・ちくわ 1本
・ごま油 小さじ1
・和風顆粒だし 小さじ1/2
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・しょう油 大さじ1と1/2
<ひじき入り卵焼き>
・ひじきの煮物 大さじ
・卵 1個
・酒または牛乳 小さじ2
・ごま油 小さじ1/2
【作り方】
1.ひじきを戻します。ボールに乾燥ひじきを入れてたっぷりの水を入れて20~30分浸漬します。ひじきは水で戻すと約8倍になります。
しっかりと戻ったら、何度か水を変えながら洗い、目の細かいざるにあげて水をきっておきましょう。
2.にんじんは洗ってから3~4㎝長さの短冊切り、油揚げはにんじんと大きさを合わせて切っておきます。ちくわはスライスしておきます。
3.鍋にごま油を入れて火をつけ、にんじんを炒めます。にんじんに油がまわったら、よく水をきったひじきを入れて炒め、続けて油揚げとちくわも入れます。
4.全体に油がなじんだら、水(分量外)200mlと顆粒和風だし、しょう油以外の調味料を入れます。沸騰してきたら火加減を調節し、あくが出たらすくっておきましょう。
5.しょう油を入れて混ぜ、コトコトと沸騰を保つ程度の火加減に調節し、煮汁が少なくなるまで煮ます。途中でときどき全体を混ぜましょう。
6.煮汁が減ってきたらできあがりです。ふたをして冷まし、冷めたら保存容器などに入れて冷蔵庫で保存しましょう。
<ひじき入り卵焼き>
1.卵をボールに割り入れ、ひじきと酒または牛乳を入れて混ぜます。
2.玉子焼き器(横10㎝、縦15㎝くらい)を火にかけます。温まってきたらごま油を入れて全体になじませます。
3.温まった卵焼き器をぬれ布巾にのせていったん冷まし、卵液の半分を流し入れます。
4.再び火にかけて、全体をクルクルと手早く混ぜて全体に広げます。
5.向こう側(手前からでも可)の端を折って転がします。
6.向こう端(手前から巻いた場合は手前)に卵を戻し、空いた場所に残りの卵液を流し入れます。巻いた卵を持ち上げて、卵の下にも卵液を流します。
7.卵と卵液がしっかりとついたら、6.と同じように巻きます。最後は巻き終わりが下になるようにして焼きます。
8.巻き終わりがしっかりとついたら、玉子焼き器の壁を使い、向きを変えながら前面を焼き、形を整えてできあがりです。
※今回は小さな卵焼き器を使用しています。大きい卵焼き器やフライパンを使う場合は、全体の量を増やして焼く方が形が作りやすくなります。
卵焼きレシピのまとめ
卵は良質のタンパク質、ビタミン、ミネラルもバランスよく含んだ食材です。健康な人では、卵のコレステロールを気にする必要はないと考えられています。
ひじきは常備菜として煮物にしておけば、卵焼きに混ぜるだけで味付けいらず、ボリュームのある卵焼きができます。卵だけでは不足する食物繊維を摂ることができます。
卵焼きはお弁当には定番のおかずです。おいしいだけではなく、卵の黄色は彩りも鮮やかになります。
また卵は調理方法によっても食感が変わるので、離乳食や介護食にも利用しやすい食品です。
【まごころケア食】のお弁当にも卵はいろいろなおかずとして利用されています。
卵は価格も安定しており、栄養面や彩りなどのバランスを整えるためにも便利に使える食材のひとつです。
日常のお料理のヒントになる卵料理がみつかるかもしれません。ぜひお試しください。
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