とうもろこしの栄養と簡単レシピ|夏の体力維持に効果的

とうもろこしの栄養と簡単レシピ|夏の体力維持に効果的
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とうもろこしとは

とうもろこしはイネ科の一年生植物です。米や麦と並ぶ主要な穀物のひとつで、世界三大穀物のひとつとされます。

とうもろこしの歴史

原産地はメキシコから南アメリカの北部にかけての地域と考えられています。その周辺では紀元前3000~2000年にはすでに栽培されており、マヤ文明やインカ帝国でも主要農作物であり、主食として発達したといわれています。大航海時代にアメリカ大陸からスペインに持ち込まれ、ヨーロッパへ広がりました。日本へ伝わったのは16世紀の後半、ポルトガル人によって長崎に伝わりました。当初は粒が硬めのフリント種が伝わりましたが、明治時代になるとスイート種のゴールデンバンタムがアメリカから伝わり、北海道の開拓とともに栽培が進みました。昭和に入りハニーバンタムやピーターコーンなど糖度の高い品種が次々と登場したことで、おやつとしての需要も高まりました。

とうもろこしの種類

日本で一般的に売られているとうもろこしはスイート種(甘味種)で、スイートコーンと呼ばれています。他にもポップコーン用のポップ種(爆裂種)やコーンスターチなどでんぷんを利用する穀物種、主に飼料となるデント種などがありますが、ここでは一般的なとうもろこし(スイートコーン)の種類を挙げます。

・ゴールドラッシュ

比較的新しい品種ですが、現在は主流となっている品種のひとつです。糖度が高く粒皮が薄いので生食ができます。粒は鮮やかな黄色で、先の方まで詰まっています。

・恵味(めぐみ)

粒色はレモン色で甘みが強いのが特徴です。サイズは大きめです。

・ゆめのコーン

新しい品種で、黄色と白の粒が混ざっています。粒皮がやわらかくて糖度が高く、生食もできます。収穫後も甘みが落ちにくいのも特徴です。

・ハニーバンダム

昭和40年代に導入され、それまでにはなかった甘みの強さから人気の高い品種でしたが、最近は新しい品種に押されてしまい、あまり見かけなくなっています。

・ピーターコーン

黄色と白の粒が3:1の割合で混ざるのが特徴です。昭和60年代に登場し、一時期は主流となりましたが、やや生産量は減ってきています。

・ウッディコーン

黄色、白、紫がかった茶色の3色の粒が混ざっていて、見た目も楽しめます。やわらかくて甘みが強く、粒離れが良いので食べやすいのも特徴です。

・ホワイトコーン

粒色が白のとうもろこしです。ピュアホワイト、シルバーコーン、バニラッシュなどの品種があり、粒皮がやわらかく甘みが強いので生食も可能です。

・ベビーコーン

ヤングコーンとも呼ばれます。スイートコーンの幼果を採取したものです。長さ5~10㎝ほどで芯ごと食べることができ、特有の歯ごたえと甘みがあります。

とうもろこしの「ひげ」

とうもろこしのひげの部分はめしべにあたり、絹糸(けんし)とも呼ばれます。ひげは種子とつながっているため、ひげの数ととうもろこしの粒は同じ数だけあることになります。とうもろこしのひげにはカリウム、アラントイン、フラボノイド、フィトステロールなどが含まれており、むくみの予防・改善や、抗酸化作用によるアンチエイジング効果などが期待できます。とうもろこしのひげを乾燥させて作ったとうもろこしのひげ茶は、よく知られています。また、汁物の具や素揚げなどに調理して食べることもできます。捨てずに有効活用しましょう。

とうもろこしの栄養

世界には、とうもろこしを主食として食している国もあり、米と同様に炭水化物を多く含む食品です。ビタミンなどの栄養素は加熱調理による損失が少ないといわれています。

ビタミンB群

とうもろこしにはビタミンB1やB2、ナイアシンなどのビタミンB群が含まれています。ビタミンB1は糖質の代謝に必要なビタミンであり、ビタミンB2やナイアシンにもエネルギーの代謝を促進させる効果や皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあります。このようにビタミンB群はそれぞれに特有の働きもありますが、お互いに協力し合って効果的に働きます。とうもろこしのビタミン類は胚芽部分に多く含まれているので、粒を取るときには粒の根元にある胚芽部分を切り落とさないように、丁寧に手で取り外す方がビタミン類を逃さずに摂取できるといえます。

カリウム

カリウムはナトリウムの排出を促して血圧の上昇を防いだり、利尿作用によりむくみの予防や改善に有効です。

アスパラギン酸

アスパラギン酸には疲労物質といわれる乳酸を分解することで、疲労の回復を促す効果が期待できます。

食物繊維

粒皮にはセルロースという不溶性食物繊維が豊富に含まれています。セルロースは植物の細胞壁の構成成分で人は消化できないため、消化吸収されずに便となって排出されます。便のかさを増やすので、便秘の改善に有効です。

薬膳の効果

とうもろこしは食物の消化吸収を高める作用があるといわれ、疲労感や胃腸虚弱、気分が落ち込むなどの症状に有効です。また体の熱を冷まし、体内の余分な水分を排泄するため、
むくみ予防や改善に効果的です。とうもろこしのひげは「南蛮毛(なんばんもう)」という生薬としても用いられます。

とうもろこしのレシピ

皮付きのとうもろこしは、皮の緑色が濃くて鮮やかなものが新鮮です。ひげは褐色で、軸の切り口がみずみずしく、持ったときにずっしりと重みがあるものを選びましょう。

【コーンとちくわのチーズトースト】

コーンとちくわのチーズトースト

【材料】(1人分)
・食パン         4枚切り1枚
・バターまたはマーガリン 適量
・玉ねぎ         小1/4個
・とうもろこし      1/4本
・焼きちくわ       1本
・ピザ用チーズ      20g
・マヨネーズ       適量
・コショウ        適量

【作り方】
1. とうもろこしは皮をむいてひげを取り、洗ってからラップで包み、600Wの電子レンジで5~6分加熱します。
2. とうもろこしが冷めたら、粒を芯から取り外しておきます。
3. 玉ねぎ(写真は紫玉ねぎを使用しています。)は1㎝長さのスライス、ちくわは小口切りにします。
4. 食パンに十字の切れ目を入れておくと食べやすくなります。切れ目は入れなくても大丈夫です。

作り方4

5. 切れ目を入れていない面に、バターまたはマーガリンを塗ります。
6. 玉ねぎ、ちくわ、とうもろこしをのせます。

作り方6

7. ピザ用チーズをのせ、マヨネーズを絞ります。

作り方7

8. オーブントースターで焼き目がつくまで焼きます。
9. コショウを振ってできあがりです。

※とうもろこしを電子レンジで加熱するときは、電子レンジの機種によっても異なるため、加熱時間を調節してください。

まとめ

夏が旬のとうもろこしは、体力の低下しがちな暑い時期には積極的に摂りたい食材といえます。鮮度の低下が早いので、購入したらすぐに食べましょう。加熱後に粒を外して冷凍しておくと、日持ちもして使い勝手も良くなります。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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