目次
白菜とはどんな食材?
白菜は、キャベツなどと同じアブラナ科の冬が旬の野菜です。くせのない味で、煮込むと甘味が出てやわらかくなり、漬物では食感を残して味がよくしみます。
生でも食べることができるので、サラダやマリネなどで楽しむこともできます。
選び方と保存方法
外葉が緑色で葉先までしっかりと巻いていて、白い部分はつやがあり芯は変色がないものを選びましょう。
カットしてあるものは葉が詰まっていて、断面が盛り上がっていないものが新鮮です。
気温の低い時期に丸ごと購入したものは、新聞紙で包んで冷暗所で保管し、外側の葉からはがすように使いましょう。
カットしたものはキッチンペーパーで包んでからさらにラップで包み、冷蔵庫の野菜室で立てて保管しましょう。
白菜は冷凍することもできます。よく洗ってから水分をふきとり使いやすい大きさに切ってから、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き冷凍しましょう。
みそ汁や煮物、鍋ものなどには凍ったまま使用できます。冷蔵庫で解凍して水分を絞ってから、和え物や漬物にもできます。
白菜の黒い点は?
白菜に黒い斑点ができていることがあります。これは「ゴマ症」と呼ばれる状態で、白菜に含まれるポリフェノールの成分が黒く現れているものです。
食べても問題ありませんが、甘みが減少して味は落ちている可能性があります。ゴマ症を引き起こす要因のひとつには、白菜の栽培中に栄養過多であったことがあります。
肥料によって土中の窒素が増えすぎると、白菜中の窒素濃度を下げようと水分の吸収が促進されます。
水分を吸収した細胞が膨張し、それがストレスとなってポリフェノールが合成されて表面に現れると考えられています。
また、保存中の温度変化がストレスとなってゴマ症になることもあります。特に低温で保存されたとき、凍結から身を守ろうとした結果としてゴマ症が現れることがあります。
白菜に含まれる栄養
白菜はおよそ95%が水分といわれていますが、多くの種類のビタミンやミネラルを含みます。カロリーは100gあたり15Kcalと低いのでたっぷり食べましょう。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、葉物野菜に比較的多く含まれているビタミンです。
血液凝固にかかわっており、出血したときに血を止めるために必要です。出血すると血液中のフィブリノーゲンという物質がフィブリンという物質に変化して血液が凝固します。
フィブリノーゲンがフィブリンに変化するときにトロンビンという酵素が必要ですが、ビタミンKはこのトロンビンの前駆体であるプロトロンビンを生成するために必要です。
またビタミンKは骨にカルシウムを取り込むときに必要なタンパク質を活性化させたり、骨からのカルシウム排泄を抑える作用もあり、健康な骨を維持するためにも必要なビタミンです。
葉酸
葉酸は正常な赤血球を形成するために必要です。
ビタミンB12とともに赤血球のもとともいえる赤芽球の合成にかかわっており、不足すると巨赤芽球性貧血の原因となります。
またタンパク質や核酸の合成の過程で補酵素としてもかかわっています。
特に妊娠初期の胎児にとっては重要なビタミンといわれており、葉酸が不足すると胎児の神経管閉鎖障害や先天性の心疾患などのリスクが高まると考えられています。
そのため妊娠を考えている女性や妊娠中、授乳中の女性には特に積極的な摂取が勧められています。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を持つビタミンであり、皮膚や粘膜の健康に必要です。
ビタミンCはメラニン色素の沈着を防いだりコラーゲンの合成に必要であるため、健康な肌を保ち、美肌効果が期待できます。
また正常な免疫機能の維持や抗ストレス作用があり、感染症の予防にも必要であると考えられます。
さらに鉄の吸収を促進するなどさまざまな働きを担っていますが、体内にためておくことができないため毎日摂ることが必要です。
カリウム
カリウムは体内でナトリウムとバランスをとり、生命の維持のために欠かせないミネラルです。
細胞内液の浸透圧を調整して一定に保ったり、神経の興奮や筋肉の収縮にかかわっており、体液の㏗を保つ役割も担っています。
適切なカリウムの摂取によってナトリウムの排泄を促し、高血圧の予防やむくみの解消にも役立つと考えられます。
カルシウム
カルシウムは体内でその99%が骨と歯に存在しており、残りの1%が血液や筋肉などに分布して体の機能を調整しています。
骨や歯に存在するカルシウムを「貯蔵カルシウム」、それ以外のカルシウムは「機能カルシウム」と呼ばれ、細胞の分裂や分化、筋肉の収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などにかかわっています。
骨は約3か月でカルシウムの沈着と溶出を繰り返しており、溶出より沈着が上回ることで骨量は増加していきます。
閉経後の女性は女性ホルモンの変化によって骨量が減少するため、積極的な摂取が必要です。
食物繊維
食物繊維は人の消化酵素では消化されない成分です。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、どちらも腸内環境を整えるために役立ちます。不溶性食物繊維は腸内で水分を含んで膨らみ、腸を刺激して蠕動運動を促進します。
水溶性食物繊維は水に溶けてゲル化し、糖の吸収を穏やかにして血糖値の急上昇を防いだり、ナトリウムの排出を促す働きなどがあります。
白菜のサラダのレシピ
白菜は水分が多いので、サラダで食べるときは、食べる直前にドレッシングをかけるようにしましょう。
【白菜とレーズンのサラダ】
【材料】(4人分)
・白菜 200gくらい
・レーズン 40g
・パセリ 1枝
・バルサミコ酢 大さじ2
・マスタード 小さじ2
・はちみつ 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 小さじ1/4
・こしょう 適量
【作り方】
1.白菜は洗って水分をよくふきとり、葉先と白い部分を分けて切ります。葉先の部分は千切り、白い部分は長さを4~5㎝に切りそろえて、縦に千切りにしておきます。
2.パセリは洗ってよく水分をきってから、みじん切りにしておきます。
3.ドレッシングの材料を全て混ぜます。初めにマスタードとはちみつと酢を混ぜてから、オリーブオイルを加えて、塩とこしょうで味を整えましょう。
4.ボールに白菜とレーズン、パセリを入れ、ドレッシングと和えてできあがりです。
※白菜から水分が出るので、ドレッシングは食べる直前に和えましょう。一晩おいてしんなりしてもおいしいですが、味が薄まっている場合は塩で調節しましょう。
※今回はバルサミコ酢を使用しましたが、穀物酢やリンゴ酢など、お好みのお酢で作ることができます。
【白菜とレーズンのサラダの栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。
エネルギー:83Kcal
タンパク質:0.9g
脂質:3.4g
糖質:11.4g
レチノール活性当量:25㎍
ビタミンD:0.0㎍
ビタミンB1:0.03㎎
ビタミンB2:0.03㎎
ビタミンB6:0.08㎎
ビタミンB12:0.0㎍
ビタミンC:13㎎
カルシウム:40㎎
鉄:0.7㎎
亜鉛:0.2㎎
食塩相当量:0.5g
白菜サラダレシピのまとめ
白菜は漬物にしたり、加熱して食べることが多い野菜ですが、生でも食べることができます。
約95%が水分の野菜ですが、いろいろなビタミンやミネラル、食物繊維などを含み、カロリーが少ないのでたっぷり食べることができます。
くせがなく、漬物や炒め物、煮込み料理や鍋物など、いろいろな料理に万能な白菜ですが、生で食べると歯ごたえがよく、甘みがあります。
いろいろな食材と組み合わせて、白菜サラダを楽しみましょう。
【まごころケア食】のお弁当は管理栄養士が監修したメニューで、栄養バランスが整っていることはもちろん、定番のおかずも、ひと工夫されたおかずも盛り込まれています。
いつもとは違う食材の使い方や味付けが発見できるかもしれません。ぜひお試しください。
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