エリンギは食物繊維たっぷり!体にうれしい効能とは?

エリンギは食物繊維たっぷり!体にうれしい効能とは?
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

優しい風味としっかりした食感が魅力のきのこ、エリンギ。

スーパーなどで手軽に手に入れることができ、幅広い料理と相性が良いため、洋食はもちろん中華や和食にも使われています。

おなかの調子を整える働きが期待できる食物繊維をはじめ、さまざまな栄養素が含まれており、健康を維持するのにも効果的です。

今回はエリンギの栄養素と、おすすめレシピをご紹介します。

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→【エリンギの栄養価が凄い!?

エリンギとはどんな食材?

エリンギは、ヒラタケ科ヒラタケ属のきのこです。

中央アジアから地中海沿岸のヨーロッパが原産地とされ、イタリアやフランスでは、食用として古くから利用されてきました。

エリンギが自生していない日本では、初めて人工栽培がおこなわれたのが1993年、本格的に栽培・生産が進んだのが1996年ころのこと。

日本に普及してまだ20年余りと歴史が浅いため和名はなく、「エリンギ」という名前は学名「プレロータス・エリンギ」の一部からとられました。

その後、エリンギの生産量は増加し、長野県や新潟県を中心に安定して栽培されています。

エリンギがここまで短い期間で私たちの生活に深く浸透したのは、和洋中を問わず、様々な料理に馴染みやすい味わいと、繊維を感じるしっかりとした食感が好まれたからでしょう。

この食感は貝柱やアワビに例えられることもあり、輪切りにしても縦に割いても楽しめます。ぜひ、いろいろな切り方を試してみてくださいね。

冷凍もOK!エリンギの選び方と保存方法

エリンギは、できるだけ軸が太く硬さのあるもの、変色していないものを選びましょう。

カサの部分が開きすぎているものや、軸にハリや弾力がないものは、新鮮でない可能性があります。

保存する際には、洗わずにキッチンペーパーなどにくるみ、ラップで巻いて冷蔵庫の野菜室に入れ、一週間以内に食べきるようにしましょう。

水分があると痛む原因になり、風味が落ちてしまうので、洗う必要はありません。どうしても汚れが気になる際は、酒で濡らしたキッチンペーパーなどでふき取るのがおすすめです。

大量に購入した時は冷凍保存しておくこともできます。食べやすい大きさに切り、重ならないように保存袋に入れて冷凍します。

食感もほとんどそのままに、1か月ほどはおいしく召し上がっていただけます。

食べる時は解凍せず、凍ったままの状態で加熱調理すると、余分な水分も出ず、おいしく食べられます。

エリンギには食物繊維をはじめ多くの栄養素が含まれている!

では、エリンギにはどのような栄養素が含まれ、私たちの体にどのように良いのかを確認していきましょう。

おなかの調子を整える食物繊維

エリンギには、100gあたり3.4gの食物繊維が含まれています。

日本では、食物繊維は「人間の消化酵素で消化されない食事中の難消化性成分の総体」とされており、水溶性と不溶性に分類されます。

水溶性の食物繊維には、植物の種子の周りに多く含まれるペクチンや海藻類のアルギン酸、フコイダンやβグルカンなどがあります。

胃の中で水分を吸収してゲル状になり、糖質の吸収を妨げ、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを吸着して対外に排せつしたりする働きがあります。

エリンギにはβグルカンが多く含まれています。

一方、不溶性食物繊維は根野菜やエリンギをはじめとするキノコ類に多く含まれるセルロールが有名です。

消化されることなく腸まで届き、水分を吸収して膨らむことで腸を刺激してぜん動運動を活発にさせ、便のかさを増やして排便を促して、便秘を解消します。

さらに、食物繊維は腸内の善玉菌の餌となり、腸内環境を改善するのにも役立ちます。

エリンギに含まれるその他の栄養素

ナイアシン

ナイアシンは、水溶性ビタミンB群の一種。

細胞内でエネルギーを生み出すのに欠かせない、エネルギー代謝に関わる酵素をサポートするはたらきがあります。

粘膜や皮膚の健康を保つのに役立ち、不足すると消化不良や皮膚の問題を引き起こします。

ビオチン

ビオチンはビタミンB群の一種で、肌荒れや皮膚の炎症を抑制する効果があることが知られています。

不足すると、アトピー性皮膚炎や脱毛などといった皮膚症状のほか、食欲不振やうつ症状を引き起こすことがあります。

ビタミンB2

ビタミンB2は水溶性ビタミンの一種です。ナイアシンと同様、細胞内でエネルギー代謝に関わる酵素をサポートしています。

特に、脂肪の代謝にかかわる働きが大きいのが特徴です。

一方、不足すると粘膜や皮膚に炎症などを引き起こす可能性があり、肌荒れや口内炎に悩んでいる方にも積極的に摂ってほしい栄養素の1つです。

ビタミンD

ビタミンDは脂溶性のビタミンの一種です。

小腸や腎臓で、カルシウムやリンが吸収されるのをサポートするはたらきがあり、血中カルシウム濃度を維持して骨を丈夫にしてくれます。

また免疫のはたらきを調整する作用もあり、感染症の予防にも役立ちます。

エリンギのおすすめレシピ

【エリンギとキャベツのガーリックスープ】

エリンギと同様に食物繊維を豊富に含むキャベツを使用して作る【エリンギとキャベツのガーリックスープ】は、食物繊維をたっぷり食べることができます。

スープに仕上げることで水分もしっかりととることができ、胃腸の働きが弱く便秘になりやすい方にも召し上がっていただきやすいスープです。

にんにくには血行促進作用があり、体の芯から温まりたい時にもぴったりです。

【材料】
・にんにく 2~3片
・オリーブオイル 大さじ2
・輪切り唐辛子 ひとつまみ
・水 600ml
・コンソメキューブ 2個
・エリンギ 1パック
・キャベツ 1/8~1/4
・たまねぎ 1個
・ローリエ 1枚
・塩コショウ 適量
・ドライパセリまたはドライオレガノ お好みで

①ニンニクは皮をむいて半分に切り、芽を取り除き、みじん切りにします。エリンギは長さを半分に切り、太いものは縦に2~4等分に切り、キャベツは2㎝角程度の角切りにしておきます。

②鍋にオリーブオイル、のにんにく、輪切り唐辛子を入れ、弱火でじっくり炒め、香りを出します。

作り方②

③ニンニクが色づいて香りが立ってきたら薄切りにしたたまねぎを入れ、弱火であめ色になるまで炒めます。

④③の鍋にキャベツとエリンギ、水、コンソメ、ローリエを入れ、キャベツが柔らかく煮えるまで約20分程度煮ます。

作り方④

⑤ローリエを取り出し、塩コショウで味を調えて器に盛り付け、パセリまたはオレガノを振って完成です。

作り方⑤

まとめ

国民栄養健康調査によると、1日の食物繊維の摂取量が目標摂取量に届いていないか、不足気味とされる人が多いという調査結果が出ています。

食物繊維が不足すると、便秘だけでなく、生活習慣病や大腸がんなどのリスクが高まるとされています。

食物繊維を豊富に含むエリンギは、和洋中さまざまな料理で活躍してくれる万能食材の一つです。日々の料理に活用し、積極的に摂ってみてくださいね。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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