目次
献立とは
献立は、もともとは料理の種類や内容、提供する順番などを示したものでしたが、現在はメニューとほぼ同じ意味で使用されています。
献立の意味
献立の「献」には、客に食事や酒を勧めるという意味があります。
室町時代、武士の宴会でふるまわれた本膳料理では、「式三献」といって料理の前にお酒を提供する作法があり、酒杯を数えるのに「献」が用いられました。
「立」は仕立てるの意味で、膳を仕立てる(=膳立て)ことを表します。
このことから献立のもともとの意味は、酒宴の際に、調理する側の手順を表すものであったと考えられています。
献立の立て方
最もシンプルな献立の立て方は、初めに肉や魚などを使ったメインのおかずを決め、それに合わせて主食と汁物を決めれば、これで1食の基本の献立が決まります。
このあと、付け合わせや汁物の具などを決めればほぼ完成です。
あとはボリュームや栄養のバランスをみながら、皿数を増やしていきましょう。
毎日の食事の献立を考えるときにはこれに加えて、冷蔵庫にある食材や家族の好み、調理時間や費用など、さまざまな条件が加わることで献立作りが難しくなっていきます。
すべての条件を満たそうとすると献立が決まらなくなってしまうため、帰りが遅くなったときは時短優先、買い物に行けなかったときは冷蔵庫にあるもので作ることを優先するなど、その時の状況に合った優先順位をつけて献立を決めていくことも大切です。
栄養のバランスを整えるには
献立の栄養バランスを考えるとき、日々の食事で栄養計算をすることは現実的ではありません。
より栄養バランスを整えるためには、1日の中で、使う食材の数を増やすことを意識しましょう。
たとえ少量でも使った食材は1と数え、食品数を増やすことで自然と栄養バランスが整いやすくなります。
便利なものは利用する
毎食、全部の料理を最初から作ろうとするのはなかなか大変なことです。
カット野菜や冷凍野菜、缶詰などを利用することで、手間をかけずに食品数を増やすことができます。
休みの日や時間があるときに、作り置きのおかずを作っておくことができれば、忙しいときにも安心です。
もちろん市販のお惣菜を利用するものよいですが、市販のお惣菜の中には塩分や糖分を多く含むものもあるため、医師から食事療法の指示がある場合には注意が必要です。
一汁三菜とは
一汁三菜(いちじゅうさんさい)は、ご飯に汁物と3つのおかずを組み合わせた献立を指しています。
一汁三菜を整えることで栄養バランスがとりやすいと考えられています。
・主食
一汁三菜ではご飯を主食とします。主にエネルギー源となりますが、食物繊維やビタミンも含みます。
玄米や雑穀米のご飯は、白米のご飯よりもビタミンやミネラル、食物繊維を多く含みます。
・汁物
みそ汁やお吸い物などを指します。
水分補給の役割があり、具だくさんにすることで副菜のひとつと考えることもできます。
・主菜
メインのおかずのことです。肉や魚、卵などタンパク源となる食材を使います。
・副菜
野菜やきのこ、海藻などを主に使ったおかずです。ビタミンやミネラル、食物繊維を補給する役割があります。
・副々菜
全体のバランスをみて不足しているものを補います。漬物やフルーツなども副々菜として利用できます。
ご飯がメインの献立
ご飯は長い間日本人の主食として親しまれてきましたが、近年は若者を中心に米離れが進んでいるといわれます。
しかしご飯と料理の組み合わせによって、高齢者でも若者でも満足できる献立を作ることができます。
白いご飯がメインの献立
白いご飯は、どんなおかずにも合う万能選手で、和食に限らず洋食や中華のおかずにも欠かせません。
白いご飯が進む味付けは濃いめの味付けと考えがちですが、白いご飯に合うのは塩分だけではありません。
いろいろな味の料理を入れることで、塩分に頼らずにご飯の進む献立を作ることができます。
・酸味
酸味があることでご飯が進みます。梅干しや漬物はその代表です。
酸味をうまく利用することで塩分を減らすこともできます。甘酢に漬けた野菜や、酢豚なども白いご飯によく合います。
・甘味
好き嫌いが分かれることもありますが、甘く煮た金時豆やかぼちゃの煮物、甘い味付けの卵焼きなど、甘い味付けのおかずはご飯のお供としても親しまれています。
・辛味
辛味をうまく使うことで、塩分に頼らずにご飯が進む味付けにすることができます。
キムチや麻婆豆腐、カレーなどには白いご飯が欠かせません。
味付きご飯がメインの献立
炊き込みご飯や混ぜご飯では、ご飯をメインにした献立を作ることができます。
ご飯に具が入って味がついているので、メインのおかずがなくてもご飯が進みます。
それだけでは栄養バランスが偏ることがあるため、豚汁やけんちん汁など汁物を具だくさんにしたり、卵や豆腐、野菜や海藻などを使った副菜にあたるものをいくつか用意すると、栄養面でも理想的な献立になります。
ご飯もののレシピ
今回の枝豆ご飯は、枝豆もしらすも一緒に炊き込みました。
一緒に炊くと枝豆の色が悪くなるので、枝豆の色をきれいに残したい場合は、ゆでた枝豆を炊き上がったご飯に混ぜ込みましょう。
レシピでは土鍋で炊いていますが、炊飯器でも同じように準備し、通常の炊飯モードで炊くことができます。
【枝豆としらすの炊き込みご飯】
【材料】(4人分)
・米 2合(約300g)
・昆布 3×7㎝くらい
・酒 大さじ1
・枝豆(さやつき冷凍) 200gくらい
・しらす 25g
・塩 適量
【作り方】
1.米を洗ってざるにあげ、水分をきっておきます。
2.炊飯器(または鍋)に1.の米を入れ、酒の量を含めて水加減をします。炊飯器の場合は、先に酒を入れてから目盛に合わせて水を入れます。鍋で炊く場合は、米の1.2倍の水の量から大さじ1(酒の分)を引いた水を入れます。上に昆布をのせて、そのまま30分~1時間浸漬します。
3.枝豆は自然解凍または流水解凍し、さやから出しておきます。
4.浸漬しておいた米の上に枝豆としらすをのせ、通常と同様に炊飯します。
5.炊き上がったら昆布を取り出し、上下を返すように全体を混ぜます。
6.お好みで塩を加えてできあがりです。
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まとめ
ご飯は日本人の主食として古くから親しまれています。
献立を作るときは、メインとなるおかずを初めに決めることで、他の料理が決まりやすくなります。
白いご飯が進むおかずをメインにした献立も、味のついた炊き込みご飯や混ぜご飯をメインとして献立を整えることもできます。
どちらの場合も食材の数を増やすこと心がけ、味にバリエーションをつけることで栄養バランスの整った献立を作ることができます。
【まごころケア食】のお弁当は食材にこだわり、いろいろな食材や調理方法で、見た目も味も飽きずに食べることができます。
定番のメニューもひと工夫されて、違った料理のように楽しめるものもあります。
管理栄養士が監修しており栄養バランスが整っているので、安心して食べることができます。
ぜひお試しください。
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