目次
たことは
日本は、世界の中でもたこの消費量がトップクラスといわれています。
たこの種類
たこは世界中でおよそ200種類が知られており、日本近海には50種類以上が確認されています。
そのなかでも日本で主に食用としているたこは5種類で、それぞれに味や食感も異なります。
・マダコ
肉厚で歯ごたえがあり、うま味もあるので食用として人気があります。
刺身や寿司、たこ焼きなど、いろいろに利用されています。
マダコの旬は6~7月下旬で、この時期は産卵準備のために活発にえさを食べているためおいしくなっています。
・ミズダコ
たこの中で最も大きいといわれています。
マダコよりも身がやわらかく、甘みがあるので、刺身など生で食べるのに適しています。
秋から冬が旬で、特に12~1月がおいしい時期です。
・イイダコ
イイダコは1月以降に子持ちになるので、この時期が旬といわれます。
小さな種類のたこで、丸ごと煮ると胴の中で卵が米粒のように見えることから「飯だこ」の名前があります。
煮ても身がかたくなりにくく、煮物やおでんに適しています。
・ヤナギダコ
12~5月が旬です。歯ごたえがあり、ゆでてもかたくなりにくいたこです。酢だこに加工されて流通しています。
・テナガダコ
一般的にスーパーなどで売られていることは少ないですが、料理店などでは利用されています。
旬が5~7月が旬で水分が多く、身がやわらかいのが特徴です。
たこの墨
たこの墨はアスパラギン酸やグルタミン酸などのうま味成分が多く含まれているといわれますが、たこの墨を使った料理は多くありません。
たこの墨が入っている墨汁嚢(ぼくじゅうのう)は内臓に埋もれているため取り出しにくく、粘性が低くサラッとしていて量も少ないので、料理には扱いにくいことがその理由です。
たこは周囲の環境に応じて擬態することで外敵から身を守ることができるため、よほどの危険を感じない限り墨を吐くことはないようです。
また深海に棲むたこでは、そもそも墨を持っていない種類もいるそうです。
外国人はたこを食べない?
アメリカやヨーロッパの一部の国などでは、たこを食べないといわれています。
確かに日本のように日常的な食材として扱われない国もありますし、中東地域など宗教上の理由で食べない国もあります。
しかし現在は、母国ではたこを食べたことがなかった外国人でも、日本でたこ焼きを食べてからたこが好きになったという人も多くいます。
宗教上の理由など特別な理由がない場合には、たこを食べるか食べないかは、個人の嗜好による部分が大きいのかもしれません。
たこの栄養
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性のビタミンで強い抗酸化作用を持ち、体内の脂質の酸化を抑制する効果があります。
動脈硬化や高血圧の予防、コレステロール低下など生活習慣病の予防効果が期待できます。
また末梢血管を拡張する効果があるため、血行不良による冷え性や肩こり、肌荒れなどの改善に効果が期待できます。
ビタミンB12
ビタミンB12は補酵素として体内のさまざまな代謝にかかわっています。
また正常な赤血球の産生に必要であり、不足すると巨赤芽球性貧血や末梢神経障害などを引き起こす可能性があります。
銅
銅は人の体内で鉄の利用を助ける働きがあるため、銅の不足によっても貧血を引き起こすことがあります。
また正常な免疫機能の維持や動脈硬化の予防効果、乳幼児の成長にも必要なミネラルです。
たこには銅が多く含まれていますが、ほかにもイカやカニ、エビなどにも多く含まれます。
これらの生き物の血液には「ヘモシアニン」という銅が結合したタンパク質が含まれており、人のヘモグロビンと同様の働きを担っています。
ヘモグロビンは赤色、ヘモシアニンは酸素と結合すると青色になります。
タウリン
タウリンはタンパク質が分解される過程でできるアミノ酸に似た物質です。たこには多くのタウリンが含まれており、他にイカや貝類にも多く含まれています。
人には体重の約0.1%のタウリンがさまざまな臓器に存在しています。
タウリンは胆汁酸と結びついてコレステロールを消費したり、インスリンの分泌抑制、高血圧予防、視力の回復など、さまざまな効果があるといわれており、栄養ドリンクなどにも含まれています。
母乳にも含まれており、乳児の成長や発達にもかかわっています。
たこの天ぷらのレシピ
たこは揚げすぎるとかたくなるので、揚げ過ぎに注意しましょう。揚げたては何もつけなくてもおいしいです。
天つゆをつけてもおいしいですが、こしょう塩や抹茶塩、カレー塩などでもおいしく食べることができます。
※「こしょう塩」「抹茶塩」「カレー塩」は、塩にそれぞれ粗挽きこしょうや抹茶、カレー粉を混ぜたものです。混ぜる量は、塩の半量~2倍量を目安にお好みで調節しましょう。
【たこの天ぷらとたことねぎのかき揚げ】
【材料】(4人分)
・ボイルたこ 200g
・長ねぎ 1本
・薄力粉 70g
・片栗粉 20g
・炭酸水 100~150ml
・サラダ油(揚げ油用) 適量
【作り方】
<たこの天ぷら>
1.ボイルたこの半量を食べやすい大きさのぶつ切りにし、薄力粉少量(分量外)をまぶしておきます。
2.ボウルに薄力粉と片栗粉を入れて混ぜます。
3.冷やしておいた炭酸水を入れてさっくりと混ぜます。
4.たこを入れて衣を絡ませます。
5.170~180℃くらいの温度でカラッと揚げてできあがりです。
<たことねぎのかき揚げ>
1.長ねぎは洗って1㎝幅くらいの輪切りにします。
2.残りの半量のたこを、長ねぎと同じくらいの大きさに切ります。
3.たこと長ねぎに薄力粉少量(分量外)をまぶしておきます。
4.たこの天ぷらを作って残った衣に、たこと長ねぎを入れて軽く混ぜ、スプーンですくって170~180℃くらいの油の中に静かに入れます。しばらくは動かさず、そのまま加熱します。
5.衣がかたまったら裏返し、両面をカラッと揚げてできあがりです。
※油がはねることがありますので、やけどに注意しましょう。
※足の太い方を天ぷらに、足先をかき揚げに使用しました。
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まとめ
日本は世界中でもたこを多く食べる国のひとつです。
たこを日常的には食べない国も多く、宗教上の理由によって食べない人もいます。
たことイカはその姿が似ていることから比較されることも多く、どちらも体内に墨を持っていることはよく知られていますが、たこはイカよりも墨を吐く機会は少なく、墨の性状も異なります。
イカの墨は料理に使用することがありますが、たこの墨は量も少なく、料理に使用されることはほとんどありません。
たこの天ぷらは揚げたては何もつけなくてもおいしく食べることができますが、天つゆや塩を少量つけてもおいしいです。
抹茶塩やカレー塩などを用意すると、同じたこの天ぷらでもバリエーションが楽しめます。
【まごころケア食】のお弁当は食材にこだわり、いろいろな食材や調理方法で、見た目も味も飽きずに食べることができます。
定番のメニューもひと工夫されて、違った料理のように楽しめるものもあります。
管理栄養士が監修しており栄養バランスが整っているので、安心して食べることができます。
ぜひお試しください。
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