しびれる辛さ 花椒が香る黒麻婆豆腐

しびれる辛さ 花椒が香る黒麻婆豆腐

麻婆豆腐とは

麻婆豆腐は中華の四川料理のひとつで、「麻婆」とは「顔にあばたのあるおばさん」の意味です。

麻婆豆腐の歴史

麻婆豆腐は約100年前、四川省の都である成都に住んでいたチャオチャオという、若くして未亡人になった女性が作り出したといわれています。

チャオチャオは夫と一緒に食堂を開きましたが、夫を早く亡くします。夫亡き後も料理を生活の糧とし、豆腐と羊肉を使って作った料理を考えだしました。

当初は別の料理名がつけられていましたが、チャオチャオの顔にあばたがあり、生涯独身を貫いたことから、あばたの意味である「麻」と「身持ちのかたい女性(おばさん)」の意味がある「婆」を合わせて「麻婆豆腐」と呼ばれるようになったそうです。

日本に麻婆豆腐を広めたのは、日本の中華料理界で有名な陳建民氏です。陳建民氏は1952(昭和27)年に来日して東京に店を構えました。

当時の日本人にとって麻婆豆腐は今までにない豆腐料理であり、日本人の口に合うように辛さを調節して提供したことで、多くの日本人に受け入れられていきました。

麻婆豆腐の黒と赤

四川料理は辛い料理が多いのですが、その辛味にも種類があります。唐辛子の辛さは「辣味(ラーウェイ)」、花椒のしびれる辛さを「麻味(マーウェイ)」、辛味に酸味が加わると「酸辣(サンラー)」など、辛味の種類ごとにそれぞれ呼び方があります。麻婆豆腐では、唐辛子をメインに辛味をつけると、赤い色の麻婆豆腐、花椒をたっぷりとトッピングすると、黒い色の麻婆豆腐となります。

本格的な味になる、中華調味料の種類

麻婆豆腐に限りませんが、中華料理には特有の調味料が数多くあります。他の調味料で代用することができることもありますが、中華調味料を利用することでぐっと本格的な味になります。

豆板醤(トウバンジャン)

豆板醤はそら豆と唐辛子を主原料に、麹で発酵させた発酵調味料です。

唐辛子を多く含むため強い辛味がありますが、油で加熱してから使うことで風味が出てまろやかになります。

豆板醬がないときは、赤みそとしょう油、一味唐辛子で似たような味を作ることができます。

甜麵醬(テンメンジャン)

「甜」は甘味、「麵」は小麦を表しています。小麦粉に麹を加えて発酵させた発酵調味料で、四川料理だけではなく北京料理でもよく使われます。

つやのある黒っぽい茶色でなめらかなので、そのまま野菜につけたり、ソースとしても利用できます。

甜麵醬がないときは、八丁みそや赤みそに砂糖やはちみつを加えると似た風味が出ます。

豆鼓(トウチ)

蒸した黒大豆に塩、麹と酵母の混ざったものを加えて発酵させ、水分を減少させたた発酵調味料です。

奈良時代に伝わった豆鼓が日本の浜納豆や寺納豆になったと考えられています。

塩分が多く特有の風味がありますが、アミノ酸を多く含むうま味のある調味料です。そのまま入れたり、刻んで使ったりしますが、ペースト状にした豆鼓醤もあります。

油と炒めると香りが立ち、風味を生かしたいときは調理の最後に加えることもあります。

花椒(ホアジャオ)

山椒の仲間で、果皮を利用します。

山椒は日本原産ですが花椒は中国原産の植物で、花椒の方が香りも辛味も強く、四川料理には欠かせないスパイスのひとつです。

ホールとパウダーがあり、ホールの花椒は漬物などにそのまま使うこともありますが、粒胡椒のようにミルで挽いて使うこともできます。

オイスターソース

中国では「蠣油(ハオユウ)」と呼ばれ、日本でも「牡蠣油(かきあぶら)」と呼ばれることがあります。

本来は生がきを塩漬けしたものを発酵、熟成させたエキスをベースに作られる調味料ですが、現在市販されているものは、生がきの煮汁に調味料などを加えて濃縮したものが多いようです。

黒麻婆豆腐レシピ

本場四川の麻婆豆腐は、花椒の辛味をきかせた黒麻婆豆腐が一般的です。

麻婆豆腐の表面を覆うほどに花椒をたっぷりとかけることで黒く見えることから、黒麻婆豆腐と呼ばれるようになったようです。

【黒麻婆豆腐】

黒麻婆豆腐

【材料】(3人分)
・木綿豆腐       1丁(350g)
・ひき肉
(今回は合いびき肉)  150g
・長ねぎ        40g
・ごま油        小さじ1
・豆板醤        小さじ2
・生姜チューブ     5g
・にんにくチューブ   5g
・鶏がらスープの素   小さじ1
・酒          大さじ2
・甜麵醬        大さじ2
・豆鼓醬        小さじ1
・オイスターソース   大さじ1
・片栗粉        大さじ1
・黒こしょう      適量
・花椒(パウダー)   適量
・ラー油        適量

【作り方】

1.長ねぎはみじん切りにしておきます。鶏がらスープの素は水200ml(分量外)に溶かしておきます。甜麵醬、豆鼓醬、オイスターソースはあらかじめ混ぜておきます。片栗粉は水大さじ2(分量外)に溶かしておきます。

作り方①

2.フライパンにごま油を入れてひき肉を炒めます。ひき肉の色が変わると水分が出てきますが、さらに炒めると水分がとんで脂が出てくるので、脂が出てくるまでよく炒めます。脂が出てきたら豆板醤と生姜チューブ、にんにくチューブを入れて炒めます。

作り方②

作り方②

3.酒と鶏がらスープの素を溶かしておいた水を入れて煮立てます。煮立ったら、あらかじめ混ぜておいた、甜麵醬と豆鼓醬、オイスターソースを加えます。

作り方③

4.別の鍋にひとつまみの塩を入れたお湯を沸かし、食べやすいさいの目に切った豆腐をゆで、ざるにあげて水を切っておきます。

作り方④

5.3.が煮立ったら、4.の豆腐と長ねぎを入れます。

作り方⑤

6.再び煮立ったらいったん火を止め、豆腐を鍋の向こう側に寄せます。手前の液体に水で溶いた片栗粉を混ぜながら入れます。

作り方⑥

7.火をつけて混ぜながら沸騰を続け、しっかりととろみがついたらお皿に盛り付けます。

作り方⑦

8.最後に黒こしょうを振り、花椒とラー油をお好みでトッピングしてできあがりです。

※ひき肉はお好みで、豚ひき肉、牛ひき肉、牛豚合いびき肉のどれを使っても大丈夫です。
※豆腐はあらかじめゆでておくことで余計な水分が抜け、崩れにくくなります。
※辛さは、豆板醤と花椒、ラー油の量で調節してください。

【黒麻婆豆腐の栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。

エネルギー:297Kcal
カルシウム:59㎎
ビタミンD:5.0㎍
タンパク質:18.6g
鉄:3.0㎎
ビタミンB1:0.31㎎
脂質:17.7g
亜鉛:2.9㎎
ビタミンB2:0.18㎎
糖質:9.3g
ビタミンC:3㎎
ビタミンB6:0.24㎎
食塩相当量:3.2g
レチノール活性当量:10㎍
ビタミンB12:0.7㎍

まとめ

麻婆豆腐は中華の四川料理のひとつです。

唐辛子の辛味がきいた赤麻婆豆腐と、花椒のしびれる辛さが特徴の黒麻婆豆腐がありますが、本場四川の麻婆豆腐は花椒をたっぷりとトッピングした黒麻婆豆腐です。

【まごころケア食】のお弁当は和食だけではなく、いろいろなメニューが楽しめます。

管理栄養士が監修したメニューは、食材の組み合わせや味付けなども、日ごろのお食事の参考にもしていただけます。ぜひお試しください。

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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